2020年5月16日【京王杯SC】終了時点までのデータをもとに、タワーオブロンドンの好走パターンを分析。
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タワーオブロンドンの距離適性
タワーオブロンドンはこれまでに、しば1200m~芝1600mの距離を使われてきた。
各距離の着度数は次の通り;
- 芝1200m(2-1-2-1)
- 芝1400m(3-0-0-1)
- 芝1600m(1-1-1-2)
芝1200m
2019年のスプリンターズS(G21)を制し、セントウルS(G2)では圧巻のレコード勝ち。
適正に疑問はない。
芝1400m
重賞2勝を含む計3勝。
「京王杯スプリングC(G3)」では、レコード勝ちを収めており、適正の高さがうかがえる。
芝1600m
重賞(G3)勝ちもあれば、大敗もある。
- 朝日杯FS(G1)3着(0.6差)
- アーリントンC(G3)1着(0.1差)
- NHKマイルC(G1)12着(1.0差)
- キャピタルS(OP)2着(クビ差)
- 東京新聞杯(G3)5着(0.4差)
大敗したNHKマイルCは、スタートで躓いて後方からの競馬になり、直線ではインでもまれて他馬に寄られるアクシデント。
このレースは度外視できたとしても、「東京新聞杯(G3)」は、休み明けで体重が増えて(+10キロ)いたとはいえ、少し物足りない内容。
同じように、2歳G1での0.6差の3着や、OP特別での2着の成績などは、少し物足りない印象はある。
現時点での判断では、タワーオブロンドンの芝1600mは、少し長いのではないかと思う。
タワーオブロンドンの脚質
タワーオブロンドンの好走時の脚質は、そのほとんどが中団馬群から抜け出しての「差し」。
タワーオブロンドンのペース適正
タワーオブロンドンのの好走時の展開は、ミドルペースが多い。
しかし、レコードを記録した「京王杯スプリングC(G2)」は、そこそこ速いペースを中団馬群の前目から追走し、直線ではなお33.1秒の末脚で突き抜けた。
また2019年の「スプリンターズS(G1)」では、モズスーパーフレアが刻むハイラップを中団馬群から追走、最後は上り33.5秒の末脚で差し切った。
流れる展開になっても何ら心配はないようだ。
逆にスローペースはどうか?
タワーオブロンドンはポジショニングも良いので、スローの展開になっても、好位から33秒台の末脚で差し切るだけ。
2歳時の「京王杯2歳S(G2)」は、前後半600mのペースバランスが-2.2秒と遅いペースだったが、中団から抜け出したタワーオブロンドンは、上がり最速33.2秒の脚で圧勝している。
タワーオブロンドンのコース適正
タワーオブロンドンの競馬場ごとの成績は次の通り;
- 札幌(1-2-0-0)
- 函館(0-0-1-0)
- 東京(2-1-0-3)
- 中山(1-0-1-0)
- 中京(0-0-0-1)
- 阪神(3-0-1-0)
このデータを見る限り、競馬場に対する苦手意識のようなものはほとんど感じられない。
洋芝でイマイチ勝ち切れないのは、当日のレース展開や別定斤量も微妙に影響している印象がある。
洋芝は走らないと言うことではないはず。
東京で2度、3着以内を外しているのは、前述した芝1600mのレース。
これはコースと言うより、距離適性の問題ではないか。
タワーオブロンドンの持ち時計(ベストタイム)
タワーオブロンドンの各距離ごとのベストタイムは次の通り;
- 芝1200m:1.06.7 1着(-0.5差・阪神)※レコード
- 芝1400m:1.19.4 1着(0.1差・東京)※レコード
- 芝1600m:1.32.3 5着(0.4差・東京)
芝1600mはまずまずのタイムだが、0.4差の5着に敗れているあたり、適性の無さを感じる。
芝1200m~1400mは文句なし。軽い馬場の高速決着に十分適性があることを示している。
タワーオブロンドンの重馬場適正
タワーオブロンドンの稍重も含めた道悪競馬での実績は;
- 稍重(0-1-1-1)
- 重(0-0-0-1)
2020年「高松宮記念(G1)」では重馬場で大敗を喫した。
2020年「京王杯SC(G2)」では稍重馬場で0.6さの8着。
馬場が渋ると、意外な脆さを露呈するときがある。
タワーオブロンドンの近走診断
19/2/3 東京新聞杯(G3)東京芝1600m
着順:5着(0.4差)騎手:ルメール(57キロ)
休み明けの馬体重は10キロ増。
最後の直線、伸びそうで伸びないのは体重よりも距離適性の無さか?
19/5/11 京王杯スプリングC(G2)東京芝1400m
着順:1着(0.1差)騎手:レーン(56キロ)
1.19.4のレコード勝ち。
距離、コース共に適正条件にぴったり合致。
文句なしのレコード勝ち。
19/6/16 函館スプリントS(G3)函館芝1200m 稍重
着順:3着(0.2差)騎手:レーン(58キロ)
キャリア初の1200mの距離。初距離で別定58キロの斤量。
7頭立ての大外からのスタートで、4角外々を回ったことも終いに響いたかもしれないが、何より展開が悪すぎた。
千二にしては緩いペースで、逃げたカイザーメランジェと番手で追ったアスターペガサスの「行った行った」の1、2着。
これでは仕方がない。
19/8/25 キーンランドC(G3)札幌芝1200m 稍重
着順:2着(0.1差)騎手:ルメール(58キロ)
スタートで躓いたらしい。見た目にも少しだけ立ち遅れた感じ。
中団の後ろで追走して、直線は馬群の中をうまく捌いて抜け出してきたが、一歩届かず。
現段階で、ダノンスマッシュとの斤量差1キロは、ちょっとつり合わない感じ。
19/9/8セントウルS(G2)阪神芝1200m
着順:1着(-0.5差)騎手:ルメール(57キロ)
5分のスタートで中団から。
直線は残り200mを切って外からノーステッキでスーッと抜け出し、あとは後続を引き離すだけ。
強すぎる完勝。
本番への不安は、詰めて使ったローテーションだけか?
19/9/29 スプリンターズS(G1)
中山 芝1200m 良
着順:1着(-0.1差)騎手:ルメール(57キロ)
前走「セントウルS」から中2週の強行軍での参戦。
7番ゲートから中団馬群で脚を溜め、直線では逃げ粘るモズスーパーフレアをゴール前きっちり差し切った。
初のG1戴冠。
スプリント路線は当分この馬が引っ張って行きそうな予感。
20/3/7 オーシャンS(G3)
中山 芝1200m 良 16頭
着順:3着(1.08.1・0.7差)
騎手:ルメール(58キロ)
1枠1番から中団の内あたりにポジションを取る。
道中はダノンスマッシュを前に見るかたちで追走。
4角は少し順位を上げて6番手の内。
直線は内から追い上げるが、先に抜け出しているダノンスマッシュとの差は詰まらないどころか開く一方。
それでもなんとか3着は死守した。
1着のダノンスマッシュとは斤量差2キロ。
2着のナックビーナスとは斤量差4キロ。
まあ、本番への叩き台としては3着なら上出来。
斤量が平等になる本番では、こんなものでは済まないだろう。
2020/3/29 高松宮記念(G1)
中京 芝1200m 重 18頭
着順:12着(1.09.8・1.1差)
騎手:福永祐一(57キロ)
道中は中団の外あたりにポジションを置き、直線は馬場の外目を追い出しにかかるが、まったく伸びない。
函館や札幌の洋芝の稍重でもそれなりに走っているのに、今回の重馬場はまたっくダメ?
他に敗因があるのか?
ちょっと不可解な大敗。
20/5/16 京王杯SC(G2)
東京 芝1400m 稍重 13頭
着順:8着(1.20.4・0.6差)
騎手:ルメール(58キロ)
道中は先団の4~5番手。
直線は残り200mくらいまでは先頭を射程圏において出を窺うが、そこからの伸びがまったくなかった。
スピードが削がれる緩い馬場で、一頭だけ別定重量の58キロを背負っていたのも応えたのではないか?
タワーオブロンドンの次走
次走は東京競馬場 芝1600mで行われる「安田記念(G1)」。
前走の負けを度外視しても、1600mはちょっと長いと思う。