2022年4月3日【大阪杯】終了時点までのデータや実際の走りをもとに、ウインマリリンの好走パターンを分析。
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ウインマリリンの距離適性
ウインマリリンはこれまでに芝1800m~芝3200mまでの距離のレースに使われてきた。
各距離の着度数は次の通り;
- 芝1800m(0-0-0-1)
- 芝2000m(3-0-0-2)
- 芝2200m(1-0-0-3)
- 芝2400m(0-1-0-0)
- 芝2500m(1-0-0-0)
- 芝3200m(0-0-0-1)
2400m前後は問題ない。
切れ味勝負にならなければ、中距離も走る。
ウインマリリンの脚質
容易に先団に取り付くテンのスピード、先行力があり、そのスピードを最後まで持続、そして加速するスピード持続型。
切れ味勝負になるとやや劣勢か。
現状では、関東圏で瞬発戦にならなければ浮上してくる馬、という見立て。
ウインマリリンのコース適正
ウインマリリンの競馬場ごとの着度数は次の通り;
- 東京(1-1-0-0)
- 中山(4-0-0-2)
- 京都(0-0-0-1)
- 阪神(0-0-0-4)
阪神コースは掲示板はあるので、苦手というほどでもない。
ただ、全体的に見て、関西方面への長距離輸送がどうなのか?
ウインマリリンの持ち時計(ベストタイム)
ウインマリリンの持ち時計は次の通り;
- 芝1800m:1.51.0 5着(中山)
- 芝2000m:1.58.7 1着(東京)
- 芝2200m:2.10.7 4着(阪神)
- 芝2400m:2.24.5 2着(東京)
- 芝2500m:2.33.3 1着(中山)
- 芝3200m:3.15.6 5着(阪神)
速い時計の決着にはあまり向いていそうにない。
ウインマリリンの重馬場適正
ウインマリリンの稍重も含めた道悪競馬での実績は;
- 稍重(1-0-0-2)
- 重(未)
- 不良(0-0-0-1)
不良馬場での敗戦も0.4差の6着。
かなりの荒れ馬場となっていた「ミモザ賞」での勝利を見れば、道悪は問題ないとは思うが、巧者と言うほどでもない。
ウインマリリンの鉄砲実績(休み明け)
ウインマリリンの10週(中9週)以上の休み明けでの成績は;
- 10週以上(1-0-0-3)
叩いてからは;
- 2戦目(1-0-0-2)
- 3戦目(0-0-0-1)
- 4戦目(未)
- 5戦目~(未)
休み明けは「秋華賞」が+12キロの馬体重で大敗。もう一鞍は不良馬場の「アメリカJCC」で0.4差の6着。
気にするほどではないと思うが。
ウインマリリンの枠順適正
ウインマリリンの枠番別着度数は;
- 1~4番(4-0-0-1)
- 5~9番(0-0-0-2)
- 10~14番(1-0-0-2)
- 15~18番(0-1-0-2)
先手を取りたい馬だけに、極端な外枠でスタミナをロスさせたくはないはず。
ウインマリリンの季節別着度数
- 12~2月(冬):(1-0-0-2)
- 3~5月(春):(3-1-0-2)
- 6~8月(夏):(未)
- 9~11月(秋):(1-0-0-3)
ウインマリリンの斤量別着度数
- 53キロ(1-0-0-1)
- 54キロ(3-0-0-2)
- 55キロ(1-1-0-2)
- 56キロ(0-0-0-2)
ウインマリリンの好走体重
3着以内の体重は;
- 450~476キロ
ウインマリリンの血統背景
父は2008年の「ジャパンカップ(G1・芝2400m)」を制したスクリーンヒーロー(ロベルト系)。
母の父はフサイチペガサス(ミスプロ系)。
フサイチペガサスは米国で走り、2000年の「ケンタッキーダービー(G1・ダ2000m)」に勝利した。
ウインマリリンのここまでの見立て
脚質的には、前につけてしぶといスピード持続型。
スタミナ、パワーには秀でているが、瞬発力勝負では苦戦。
道悪、荒れ馬場は大丈夫。
ウインマリリンの近走
20/12/6 若竹賞(3歳・1勝)
中山 芝1800m 稍重 11頭
着順:5着(1.51.0・0.6差)
騎手:松岡正海(54キロ)
道中は先団4~5番手。
直線は外に出して追い上げを計るが、精彩を欠く。
「馬場が合わなかった」とは鞍上の弁。
20/3/31 ミモザ賞(3歳・1勝)
中山・芝2000m 稍重 11頭
着順:1着(2.02.5・-0.3差)
騎手:横山武史(54キロ)
道中は先団の4~5番手。
3~4角で順位を上げて、4角は2番手で直線。
直線では早め先頭に立ち、そのまま突き抜けてゴール。
前開催から続くAコースの最終日で馬場はボロボロで、その上に稍重。
にも関わらず、ペースは結構締まっていた。
そこを2馬身離して勝ち切るウインマリリン、道悪適正に加え、パワーとスタミナもかなりありそう。
【期待できる能力】
- 道悪適正
- パワー
- スタミナ
20/4/26 フローラS(3歳・G2)
東京 芝2000m 良 17頭
着順:1着(1.58.7・クビ差)
騎手:横山武史(54キロ)
道中は先団4番手の内。4角も5番手の内を回って直線。
直線は内ラチ沿いを凄まじい横風が吹き抜ける。
ウインマリリンは残り400mで狭い進路の間を割って先頭に立つと、ホウオウピースフルの猛追をクビ差凌いでゴール。
強風もさることながら、道中はそこそこ速いラップで推移。
この展開を先団につけて、直線は鮮やかに抜け出して勝ち切り、時計も優秀。
力はある。
【期待できる能力】
- スピード持続力
20/5/24 オークス(G1)
東京 芝2400m 良
着順:2着(2.24.5・0.1差)
騎手:横山典弘(55キロ)
8枠16番からしっかり先手を取って、道中は内ぴったりの2番手。
レースは中盤で緩んだこともあってしっかりと脚が溜まる。
4角は4番手の内で直線に向くと、直線も最内から追い出しにかかり、最内からスルスルと抜け出して残り100mあたりで一旦は先頭に立つが、デアリングタクトの鬼脚に交わされて2着。
距離ロスを抑えた位置取りと直線の抜け出し。
レースとしては完璧な運びで、普通ならこの馬が勝っていただろう。
相手が悪すぎた。
20/10/18 秋華賞(G1)
京都 芝2000m 稍重
着順:15着(2.03.1・2.5差)
騎手:横山武史(55キロ)
外枠17番から先団に取り付く。
4角は2番手で直線に向くが、いつもの粘りはまったく見られなかった。
休み明けからの直行で+12キロ。
こんな負け方をする馬ではないので、臨戦過程に問題ありと思いたい。
20/11/15 エリザベス女王杯(G1)
阪神 芝2200m(内)
着順:4着(2.10.7・0.4差)
騎手:横山武史(54キロ)
道中は3番手追走。
終始内ラチ沿いのインで経済コース。
4角も6番手の内で直線に向き、直線も内から鋭く伸びて来るが、ゴール前は2、3着馬に交わされて4着。
3歳馬では最先着。
最後は切れ味で見劣ったが、この馬の競馬は出来た。
21/1/24 アメリカJCC(G2)
中山 芝2200m 不良
着順:6着(2.18.3・0.4差)
騎手:横山武史(53キロ)
外枠15番から果敢に先団に取りつき、道中は2~3番手を追走。
4角4番手の内で直線に向き、直線は馬場の内目を追ってくるが、坂を上りきったあたりで脚色が鈍った。
道中も内々、直線も内目を通った。
不良馬場で内目はかなり馬場状態が悪かったことを考えると、0.4差の6着なら、大きく負けてはいないと思う。
一方で、鞍上は距離不安も口にしている。
実際のところはどうか?
⇒2021年 アメリカジョッキーCC(G2)のラップ分析&回顧
21/3/27 日経賞(G2)
中山 芝2500m 良
着順:1着(2.33.3・-0.1差)
騎手:横山武史(53キロ)
3枠4番からしっかりポジションを取って道中は3番手の内。
4角は2番手の内で直線に入り、直線も馬場の内目をしっかりと伸びて、カレンブーケドール、ワールドプレミアの追撃を振り切った。
緩い流れを先団の内。
この流れでこの完璧な位置取りなら、距離の不安も相殺できた。
快勝と言ったところだろう。
21/5/2 天皇賞(春)(G1)
阪神 芝3200m 良 (外⇒内)
着順:5着(0.9差・3.15.6)
騎手:横山武史(56キロ)
スタート少し出遅れて道中は中団、8番手あたり。
3角を過ぎて押し上げて行って、4角は6番手の外で直線。
直線は馬群の外目から追い上げてはくるが、ゴール前ディアスティマを交わすのがやっと。
外枠14番でスタートも出遅れたのが痛かった。
ポジションがいつもより後ろになり、3~4角の勝負どころでも外々を回るハメになった。
しかしそれでも5着を確保したのは立派だと思う。
やはりこの馬、スタミナ量は豊富。
21/9/26 オールカマー(G2)
中山 芝2200m 良
着順:1着(2.11.9・-0.3差)
騎手:横山武史(55キロ)
道中は2番手追走。
4角も先団3番手の内で直線に向き追い出しにかかるが、坂の手前、ちょうどスピードが乗ってきたところで、ロザムールとレイパパレが壁になってなかなか抜け出すことができずに手綱を引くが、その間に外からグローリーヴェイズが先に抜け出して行く。
仕方なく進路を外にとって再度追い出しにかかり、先に抜け出したグローリーヴェイズを坂の途中で捉えると、そのまま抜け出してゴール。
坂の途中で一旦手綱を引いて減速し、そこからまた立て直して前を捉えきるというなかなかの強い内容。
あの不利がなければさらに突き抜けていた可能性も高い。
中山巧者ということは間違いないが、パワーとスタミナを要する場面では破格の強さを見せる。
21/11/14 エリザベス女王杯(G1)
阪神 芝2200m(内)良
着順:16着(2.14.7・2.6差)
騎手:横山武史(56キロ)
道中は3番手追走。
4角も3番手で直線に向くが、直線ではまったく伸びを欠いて16着。
入線後、ジョッキーが下馬した様子。
レース前もケガの具合が取りざたされてはいたが、どうやら本調子ではなかったのだろう。
22/4/3 大阪杯(G1)
阪神 芝2000m(内)
着順:16着(2.00.7・2.3差)
騎手:松岡正海(55キロ)
道中は先団3番手の内で流れに乗る。
しかし3~4角では手応えがかなり怪しくなり、4角は4番手の内で直線。
直線は内ラチ沿いから追い上げに入るが、残り300mですでに脚はなかった。
休み明けでしかも長距離輸送。
馬体重は前走比では-10キロだが、調教後の馬体重からは14キロ減らしていた。
本調子ではない上に輸送減りでは仕方ない。
次走、宝塚記念(G1)に向けて
次走は6月26日(日)、阪神競馬場 芝2200m(内)で行われる「宝塚記念(G1)」。
前走は殿負けだが、敗因は明らか。
力はある馬だけに、長距離輸送さえクリアすればそこそこ走ってきていいはず。
⇒その他、宝塚記念(G1)の出走馬を分析