2020年4月5日【大阪杯】終了時点までのデータをもとに、ワグネリアンの好走パターンを分析。
Contents
ワグネリアンの距離適性
ワグネリアンはこれまでに、芝1800m~2400mの距離に使われてきた。
各距離の着度数は次の通り;
- 芝1800m(2-0-0-0)
- 芝2000m(1-1-1-4)
- 芝2400m(2-0-1-0)
一見して、2000mの距離が一番不安定のような印象を受けるが、内容はどうか?
芝1800m
「野地菊賞(2歳オープン)」で0.4差をつけて勝ち、「東京スポーツ杯2歳S(G3)」では0.5差をつけて圧勝した。
まあ、文句のつけようがない内容で適正は十分。
芝2000m
この距離で勝っているのは、超スローペースの「新馬戦」のみ。
あとは;
- 弥生賞(G2)2着 2.01.2(0.2差)中山
- 皐月賞(G1)7着 2.01.6(0.8差)中山
- 大阪杯(G1)3着 2.01.1(0.1差)阪神(内)
- 天皇賞(秋)(G1)4着 1.56.8(0.6差)東京 ※
- 大阪杯(G1)5着 1.58.8(0.4差)阪神(内)
ここで適性を云々する前に、次の距離芝2400mを見てみる。
(※天皇賞(秋)での敗因については「近走診断」で詳述)
芝2400m
「日本ダービー(G1)」を制して、菊花賞トライアルの「神戸新聞杯(G1)」にも勝っている。適正は十分。
ではここで、勝った2鞍のレースの簡単な詳細を記してみる。
- 日本ダービー(G1)1着 2.23.6(0.1差)東京
- 神戸新聞杯(G2)1着 2.25.6(0.1差)阪神(外回り)
芝2000mと比較して、一目で分かる違いと言えば、内回りと外回り。
各コースの直線の距離を比べてみる。
- 中山2000m:310m
- 阪神2000m:357m(内回り)
- 東京2400m:526m
- 阪神2400m:474m(外回り)
ちなみに、阪神1800mは外回りなので直線距離は474m。
東京1800mも、東京には内外がないので526m。
つまりワグネリアンは、直線が長いコースでは力を発揮できるが、直線が短いコースでは力を十分に発揮できないことが多い。
この原因は、皐月賞の前に陣営が発した「エンジンのかかりが遅い」というコメントに如実に反映されている。
それでも「大阪杯(G1)」では0.1差の3着に来ているのだから、その差は僅かなものなのだとは思うが、その僅かな差が、頂上決戦では勝敗を決する。
話を戻す。
これらのことからワグネリアンは、芝2000mに適性がないのではなく、芝2000mが行われた競馬場(コース)に適性がなかったと考えるのが一番腑に落ちる。
ワグネリアンの脚質
ワグネリアンの好走時の脚質は、「先行」もしくは「中団からの差し」。
基本的には好位抜け出しの王道パターン。
ワグネリアンのコース適正
コース適正に関しては、「距離適性」の項で詳しく記した。
ワグネリアンの持ち時計(ベストタイム)
ワグネリアンの各距離ごとのベストタイムは次の通り;
- 芝1800m:1.46.6 1着(-0.5差・東京)
- 芝2000m:1.56.8 5着(0.6差・東京)
- 芝2400m:2.23.6 1着(-0.1差・東京)
芝1800mは2歳の時の1.46.6はかなり速い。
芝2400mもダービーの走破時計としては速い方だ。
芝2000mに関しては、2019年の「天皇賞(秋)」での時計で、それなりに速い時計で、2着のダノンプレミアムとは0.1差。
しかし勝ったアーモンドアイがレコードの1.56.2を出している以上仕方がない。
ワグネリアンの重馬場適正
ワグネリアンは2歳時「野地菊S」と2019年の「ジャパンカップ」で重馬場を経験しているが、レース結果はそれぞれ1着と3着。
「野地菊S」のレース後も鞍上の福永騎手は「緩い馬場を気にすることはなかった」という旨のコメントを出している。
重馬場適正に問題はないようだ。
ワグネリアンの近走診断
18/5/27 日本ダービー(G1)東京芝2400m
着順:1着(0.1差)騎手:福永祐一(57キロ)
スタートから先団につけて、直線では残り100mを過ぎてようやく先頭、あとは押し切ってゴール。
残り100mでスピードがMAXに届いたか。
18/9/23 神戸新聞杯(G2)阪神芝2400m
着順:1着(0.1差)騎手:藤岡康太(56キロ)
後方から中団へと競馬を進めて、直線ではきっちり差し切った。
直線が長いときっちり届く。
19/3/31 大阪杯(G1)阪神芝2000m
着順:3着(0.1差)騎手:福永祐一(57キロ)
中団からの競馬。
着差は0.1差だが、やはり内回りではこれが精一杯になる。
19/8/18 札幌記念(G2)札幌芝2000m
着順:4着(0.2差)騎手:福永祐一(57キロ)
積極的な競馬を見せてはいるが、やはり小回りはあまりよくない。
両前を落鉄していたとのことで、その影響もあっただろう。
次走は「天皇賞・秋」のようだが、これまでの内回りでの芝2000mとは、切り離して考えるべき。
東京の直線なら十分に力が発揮できそう。
19/10/27 天皇賞(秋)(G1)
東京 芝2000m 良
着順:5着(0.6差)騎手:福永祐一(58キロ)
外目の14番ゲートの影響もあったか、位置取りがいつもより後ろになってしまった。
それでも最後の直線では2着のダノンプレミアムに0.1差まで迫る脚は見せている。
もう少し内目の枠なら、アーモンドアイには敵わないだろうが、2着争いは可能だったかもしれない。
19/11/24 ジャパンカップ(G1)
東京 芝2400m 重 15頭
着順:3着(2.26.2・0.3差)
騎手:川田将雅(57キロ)
道中は大きな先団の中ほど6番手あたりにポジションを取る。
重馬場にしてはそこそこペースは流れ、前半1000m通過が60.3秒。
ワグネリアンは4角では少し順位を下げて8番手くらいで直線に入る。
直線は馬場の中ほどをジワジワと伸びて3着。
4角での位置取りの差がそのまま着差に反映された。
レースの上りは37.2秒の消耗戦。
消耗戦ならまだまだ力があるところは示した。
20/4/5 大阪杯(G1)
阪神 芝2000m(内)12頭
着順:5着(1.58.8・0.4差)
騎手:福永祐一(57キロ)
4番ゲートから中団あたりの5番手の内で追走。
3~4角では各馬が進出する中、内に閉じ込められて身動きできず4角は8番手で直線。
直線では内から加速して行くが、前も止まらず5着まで。
道中の位置取りがもう一列前ならまた違ったかも。
ワグネリアンの次走
次走は阪神競馬場 芝2200m(内)で行われる「宝塚記念(G1)」。
引き続き阪神の内回りはベストの条件とは言えないが、内枠が引けてすんなり好位が取れれば、まだまだ上位入線する力はある。