2019年10月27日【天皇賞(秋)】終了時点までのデータをもとに、スワーヴリチャードの好走パターンを分析。(海外は除く)

スワーヴリチャードの距離適性

スワーヴリチャードはこれまでに芝1600m~芝2500mまでの距離のレースに使われたきた。

各距離の着度数は次の通り;

  • 芝1600m(0-0-1-0)
  • 芝1800m(1-1-0-1)
  • 芝2000m(3-1-0-3)
  • 芝2200m(0-0-1-0)
  • 芝2400m(0-1-2-0)
  • 芝2500m(1-0-0-1)

芝1600m(0-0-1-0)

18年の「安田記念(G1)」で一度だけ走った。

3着には来たものの、最後の直線ではかなりヨレた走りをしていて苦しそう。

1600mのペースには合わない印象。

芝1800m(1-1-0-1)

3歳時に2回(1着、2着)、古馬になってから1回(4着)。いずれも重賞で走っている。

3歳時は能力だけで走っていた感じ。

古馬になってからも4着(0.2差)には来ているが、本質的にはやはり2000mからではないか。

芝2000m~2500m(4-2-3-4)

芝2000mは「大阪杯」、「金鯱賞」で勝利。

芝2200mは「宝塚記念」で3着。

芝2400mは「ダービー」2着、「ジャパンカップ」3着。

芝2500mは「アルゼンチン共和国杯」で勝利。

おそらく2000m~2500mまでは守備範囲。

血統的にはハーツクライ産駒なので、大きなレースでは2000mよりは2400m以上で強さを発揮する傾向にあるようだ。

唯一のG1勝ち「大阪杯」(阪神芝2000m)も、スローの流れをマクッて行った特異なケース。騎手(M・デムーロ)の手腕に依るところが大きいと思う。

 

これ以上の距離でも悪くはないとは思うが、陣営は使っていない。

スワーヴリチャードの脚質

スワーヴリチャードの好走時の脚質は主に「先行」、または中団からの「差し」。

終いを生かすよりも、流れに乗って、スピードを持続させる競馬の方が力が出せると思う。


スワーヴリチャードのコース適正

スワーヴリチャードの競馬場ごとの着度数は次の通り;

  • 東京(2-2-2-2)
  • 中山(0-0-0-3)
  • 中京(1-0-0-0)
  • 阪神(2-1-1-0)

東京コース、阪神コースでの良績が目立つが、スワーヴリチャードは基本的に右回りは苦戦の傾向。

右回りだと直線での手前の切り替えがうまく行かないことが原因のようだが、古馬になってからはかなり改善されてきたようだ。

その証拠に右回りのG1「大阪杯」(2018年)では勝利を収めている。

ただ、18年の「大阪杯」はペースが緩く、後方一気のマクリが決まった特異なレースだっただけに、今後右回りで、タフな展開を強いられた場合には、やはり「右回り」がネックになる可能性は大いにある。

その点、「左回り」では安定感が格段に増す。

左回りで唯一馬券圏内を外している2018年の「天皇賞・秋」は、スタート直後に大きな不利があり、後方からの競馬を余儀なくされたことが大きな敗因なので、このレースは度外視できる。

スワーヴリチャードの持ち時計(ベストタイム)

スワーヴリチャードの芝2000m~2500mでのベストタイムは次の通り;

  • 芝2000m:1.57.1 7着(0.9差・阪神)
  • 芝2200m:2.11.6 3着(0.8差・阪神)
  • 芝2400m:2.21.5 3着(0.9差・東京)
  • 芝2500m:2.30.0 1着(-0.4差・東京)

東京2500mの時計は優秀だが、2500m以外では、ベストタイムを計時したときの着順は、着順はそこそこでも着差は0.8秒以上離されている。

このことから分かることは、高速馬場の高速決着では苦戦を強いられるということ。

スワーヴリチャードの枠順

スワーヴリチャードは、枠順の内外で着順に偏りが出るような傾向はあまり見られていない。

しかし、スワーヴリチャード自身スタートの巧い馬ではなく、出遅れることも多々ある。

加えて、脚質的に先手を取りたい馬なので、枠順としては内枠がベター。

極端な外枠を引いた際には注意が必要になるだろう。


スワーヴリチャードの重馬場適正

スワーヴリチャードはこれまでにまだ、道悪競馬の経験はない。

しかし、稍重馬場なら3鞍経験していて、その成績は;

  • (2-1-0-0)

と悪くはない。

血統的に見ても、ハーツクライ産駒は道悪をさほど苦にしないようだ。

スワーヴリチャードの近走診断

19/2/24 中山記念(G2)中山芝1800m

着順:4着(0.2差)騎手:M・デムーロ(58キロ)

休み明けで馬体重が+14キロでの出走。

11頭立て10番ゲートからスタートして、ポジションは中団から。

3角を回ると内に入り、直線も内を突くが伸びきれず。

休み明けで重かったこともあるが、右回りで1800mはちょっと忙しそう。

19/3/30 ドバイシーマクラシック(G1)メイダン芝2410m

着順:3着(2馬身差)騎手:モレイラ(57キロ)

ドバイのメイダン競馬場は左回りのコース。

左回りで2410mならスワーヴリチャードにとっては好条件。

8頭立ての7番ゲートから出たスワーヴリチャードは後方を追走。

直線では馬場の内側から鋭く伸びては来るが、前の2頭には届かず。

位置取りが後ろになったのが痛かった。

しかし2着のシュバルグランには半馬身差、4着には8馬身離しており、力は示せた。

19/6/23 宝塚記念(G1)阪神芝2200m

着順:3着(0.8差)騎手:M・デムーロ(58キロ)

12頭立て11番ゲートから出たスワーヴリチャードは好位の4番手を追走。

レースは中盤から一気にペースアップし、スピードの持続力が問われる展開に。

4角では絶好の手応えを見せるリスグラシューに対して、スワーヴリチャードはすでの右ムチが4発ほど。

直線ではスワーヴリチャードも伸びてはいるが、抜け出したリスグラシューと逃げていたキセキとの差は詰まらず。

3着でも0.8差は開けられ過ぎ。右回りのタフな展開になるとやはり苦戦か。

19/10/27 天皇賞(秋)

東京 芝2000m

着順:7着(0.9差)騎手:横山典弘(58キロ)

4番ゲートから中団7~8番手あたりを追走。

直線は内を突いてジワジワとは伸びているものの、先団との差を詰めるところまではいかなかった。

勝ったアーモンドアイの走破タイムは1.56.2。

2000mの高速決着では荷が重かった。