2019年6月1日【鳴尾記念】終了時点までのデータをもとに、メールドグラースの好走パターンを分析していきます。
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メールドグラースの適正距離
メールドグラースはこれまでに芝1600m~芝2200mの距離に使われてきた。
各距離の着度数は次の通り;
芝1600m(0-0-1-0)
芝1800m(0-0-2-0)
芝2000m(4-1-1-3)
芝2200m(2-1-1-0)
数字だけ見ると、どの距離でもそこそここなせそうな印象はあるが、芝2000m以上とそれ以外では、ちょっとした壁があるようだ。
メールドグラースは、新馬戦では勝つことができず、未勝利を卒業するまでに5戦を要している。
新馬、未勝利の計6戦の内訳は次の通り;
新馬戦 芝1800m 3着
未勝利 芝2000m 3着
未勝利 芝1800m 3着
未勝利 芝1600m 3着
未勝利 芝2000m 12着
未勝利 芝2000m 1着
新馬、未勝利での敗戦の過程では、騎乗した騎手や陣営のコメントから「エンジンのかかりが遅い」という表現がよく見られる。
ここで言う「エンジンのかかりが遅い」というのは、「ある一定の距離を走るまではスピードを出せる状態にない」ということだろう。
すなわち、芝1600や芝1800mでは、エンジンがしっかり動き始める前に競馬が終わってしまいかねない。
実際、未勝利戦を勝ち上がって以降は、1800m以下の距離には一度も使われていないところを見ると、それらの距離には適正がない可能性が高い。
しかし、いずれにせよ複勝圏内には入ってきているので、全くダメだということではなく、あくまでもベストの距離ではないということだろう。
また、芝2000mに関しても、これ以上の距離(2400m、2500m)にさらなる適性がある可能性も否定できない。
いずれにせよ、今後の活躍に期待。
メールドグラースの好走パターン
脚質
メールドグラースの好走時の脚質は、ほぼ中団からの差しが決め手となっている。
残り600mの地点で、先頭との差が0.6秒前後であれば射程距離と考えて良い。
ペース
メールドグラースはこれまでにまだ、ハイペースのレースを経験していない。
エンジンのかかりが遅いこの馬にとって、ハイペースのレースになると、自然ポジションも後方に下がることが予想される。
脚を溜めて追い込むのか? はたまた脚を使わされて終いの脚が甘くなるのか?
今後の走りに注目したい。
時計
メールドグラースの各距離のベストタイムは次の通り;
芝1600m 1.35.3 3着
芝1800m 1.50.2 3着
芝2000m 1.58.6 1着
芝2200m 2.12.2 2着
芝1600m、芝1800mでは評価の出来る時計はないが、芝2000mではそこそこ速い時計で勝ち切っている。
血統背景から見ても、速い時計に対応できない要素はなく、時計勝負でも頼りにできそうだ。
コース(競馬場)適正
メールドグラースの競馬場ごとの成績は次の通り;
新潟(1-0-0-0)
東京(0-0-1-0)
中山(0-0-0-1)
中京(0-0-1-0)
京都(1-1-1-1)
阪神(2-1-2-1)
小倉(2-0-0-0)
どの競馬場でもそこそこの成績は残しているが、今後本領が発揮されるのは、直線の長い東京や新潟ではないだろうか?
馬場コンディション
メールドグラースの、現時点での唯一の弱点と言えるのが馬場コンディションだ。
着外に敗れている3鞍(12着、6着、9着)はいずれも道悪競馬だった。
- 未勝利戦 京都芝2000m 12着 やや重
- 500万条件戦 阪神芝2000m 6着 重
- 習志野特別(1000万下) 中山芝2000m 9着 やや重
レース後のジョッキーからも、「馬場を気にした」というようなコメントが出ている。
やや重馬場でも3着に来ているレースも一鞍あるが(500万条件)、いずれにせよ、道悪競馬では注意が必要だろう。
メールドグラースの近走診断
3走前 尼崎S(1600万下)阪神芝2200m 1着(0.3差)
2000mよりもそれ以上の距離の方が適性があるのでは?と思わせるような強い勝ち方。
2走前 新潟大賞典(G3)新潟芝2000m 1着(0.1差)
OP昇格後の最初のレースがG3。
54キロのハンデはあったものの、7番人気できっちりと勝ち切った。
メールドグラースのこのオッズ(15.8倍)は、この先はちょっと見られないかも。
前走 鳴尾記念(G3)阪神芝2000m 1着(0.2差)
今回はハンデなし。別定重量でみんな同じ56キロでもきっちり勝利。
相手関係がやや手薄だったことは否めないが、いずれにしても重賞2連勝。
この勢いはどこまで続くか?