2021年10月31日【天皇賞(秋)】終了時点までのデータをもとに、カレンブーケドールの好走パターンを分析。

カレンブーケドールの距離適性

カレンブーケドールはこれまでに、芝1600m~3200mまでの距離のレースに使われてきた。

各距離の着度数は次の通り;

  • 芝1600m(1-1-0-1)
  • 芝1800m(1-0-1-0)
  • 芝2000m(0-1-1-1)
  • 芝2200m(0-2-0-1)
  • 芝2400m(0-2-0-1)
  • 芝2500m(0-1-0-1)
  • 芝3200m(0-0-1-0)

高いレベルで安定した走りを見せているが、いまだ重賞勝ちはない。

好走レンジは広いが、適距離がどのあたりなのか?は、いまだに計りかねる。

カレンブーケドールの脚質

前目につけてしぶといスピード持続型。

少々ペースが上がっても、バテることなくスピードを持続できる。

瞬発力もそこそこあるが、スローのキレ味勝負に持ち込まれると苦戦。

カレンブーケドールのコース適正

カレンブーケドールの競馬場ごとの着度数は次の通り;

  • 東京(1-3-1-3)
  • 中山(1-2-1-1)
  • 京都(0-2-0-0)
  • 阪神(0-0-1-1)

コースによる巧拙はと特になさそう。

カレンブーケドールの持ち時計(ベストタイム)

カレンブーケドールの持ち時計は次の通り;

  • 芝1600m:1.34.4 4着(東京)
  • 芝1800m:1.47.7 1着(東京)
  • 芝2000m:1.58.4 3着(中山)
  • 芝2200m:2.11.7 4着(阪神)
  • 芝2400m:2.22.8 2着(東京)
  • 芝2500m:2.33.4 2着(中山)
  • 芝3200m:3.15.2 3着(阪神)

高速決着には向いていない感じ。

カレンブーケドールの重馬場適正

カレンブーケドールの稍重も含めた道悪競馬での実績は;

  • 稍重(0-2-0-0)
  • 重(0-2-0-0)
  • 不良(未)

道悪は苦にしない。

カレンブーケドールの鉄砲実績(休み明け)

カレンブーケドールの10週(中9週)以上の休み明けでの成績は;

  • 10週以上(1-3-1-1)

叩いてからは;

  • 2戦目(0-2-1-1)
  • 3戦目(0-1-0-2)
  • 4戦目(未)
  • 5戦目~(未)

カレンブーケドールのローテーション適正

  • 連闘(未)
  • 中1~2週(0-1-0-0)
  • 中3~5週(1-2-2-1)
  • 中6~8週(0-0-0-3)

カレンブーケドールの枠順適正

カレンブーケドールの枠番別着度数は;

  • 1~4番(0-2-1-1)
  • 5~9番(2-3-1-1)
  • 10~14番(0-2-1-3)
  • 15~18番(未)

やはり枠順は内寄りが理想だろう。

カレンブーケドールの季節別着度数

  • 12~2月(冬):(1-1-0-2)
  • 3~5月(春):(1-2-1-0)
  • 6~8月(夏):(0-0-0-1)
  • 9~11月(秋):(0-4-2-2)

カレンブーケドールの斤量別着度数

  • 53キロ(0-2-0-0)
  • 54キロ(2-3-2-1)
  • 55キロ(0-2-0-2)
  • 56キロ(0-0-1-2)

カレンブーケドールの連対体重

  • 460~480キロ

カレンブーケドールの血統背景

父はディープインパクト(サンデー系/牡馬三冠、春天、宝塚記念、ジャパンカップ、有馬記念)。

母の父はスキャットダディ(ND系ストームキャット)。

スキャットダディは米国で走り、ダートの8~9F(約1600~1800m)でG1を2勝。産駒に2019年の「高松宮記念(G1)」の優勝馬ミスターメロディがいる。

カレンブーケドールのラップ分析

ここでは、カレンブーケドールが未勝利戦を勝利して以降の5鞍について、そのラップタイムを分析。

19/2/11 クイーンC(G3)東京芝1600m

着順:4着(0.2差)騎手:津村秀明(54キロ)

ラップタイム

  • 12.7 – 11.5 – 11.9 – 12.3 – 12.0 – 11.5 – 11.0 – 11.3

クイーンC良馬場平均(過去7レース分)

  • 12.5 – 11.2 – 11.6 – 12.1 – 12.1 – 11.5 – 11.3 – 11.9

前半から中盤にかけてが明らかに遅く、直線だけの競馬。

カレンブーケドールは中盤にポジションを取って追走していたが、その後ろ6番手から追い込んで来たクロノジェネシスに残り200mで交わされた。

勝ったクロノジェネシスの上りは33.1秒。

カレンブーケドールは33.6秒。

瞬発力のみが試されたレースでは、カレンブーケドールは結果を残せなかった。

19/4/28 スイートピーS(L)東京芝1800m

着順:1着(クビ差)騎手:津村秀明(54キロ)

ラップタイム

  • 12.8 – 12.2 – 12.3 – 12.8 – 12.3 – 12.0 – 11.0 – 10.9 – 11.4

スイートピーS良馬場平均(過去5レース分)

  • 12.9 – 11.6 – 11.8 – 12.4 – 12.3 – 12.2 – 11.4 – 11.2 – 11.7

このレースも例年に比べ、序盤が遅く、上がりだけの競馬になっているように見える。

ただ、数字だけではなく、アナログ的な視点も加えると、少し見方が違ってくる。

このレースでは、カレンブーケドールは出遅れてしまい約1馬身の不利からスタート。

二の脚で後方に取り付いて、600m過ぎからはグングンポジションを上げて行く。

先頭が12.8のラップを刻んでいるころ、カレンブーケドールは外々を回って先団に取り付いて行く。

そしてここらあたりからラップも12.3 – 12.0とペースアップして、直線を向くことになる。

直線でカレンブーケドールは残り400mで先頭に並びかけ、追い比べののち、残り200mで先頭を交わす。

ゴール前ではシングフォーユーに迫られるが、クビ差交わしてゴールする。

レースのラップ自体は前半遅く、後半だけの競馬のようになっているが、先団が前半で楽をしていたころ、出遅れたカレンブーケドールは早々にスパートを開始していた。

つまり、カレンブーケドールはかなり長いスパンで脚を使い、尚且つ直線でもそのスピードを落とすことなくゴールまで粘り切ったことになる。

レース的には瞬発力のみが試されたレースになったが、その裏ではカレンブーケドールの圧倒的なスピード持続力、スタミナが他馬の瞬発力を凌駕した結果となった。

レースレベルはさほどでもないが、カレンブーケドールがこのレースで見せたレベルは高い。

19/5/19 オークス(G1)東京芝2400m

着順:2着(クビ差)騎手:津村秀明(55キロ)

ラップタイム

  • 12.5 – 10.9 – 11.7 – 11.9 – 12.1 – 12.2 – 12.3 – 12.2 – 11.7 – 11.4 – 11.6 – 12.3

オークス良馬場平均(過去8レース分)

  • 12.6 – 11.0 – 12.1 – 12.4 – 12.3 – 12.3 – 12.6 – 12.4 – 12.3 – 11.8 – 11.5 – 11.8

この年のオークスは、前半からすでに、例年に比べて明らかに速いペースで進んでいた。

カレンブーケドールは先頭を前に見る形の先団4番手で道中を追走。

直線では残り400mを過ぎて先頭に立つが、ゴール前、後方から追い込んで来たラヴズオンリーユーにクビ差交わされ惜しい2着。

しかし3着のクロノジェネシスには2馬身半の差をつけている。

また、カレンブーケドールは10番ゲートから先団に取り付き、終始外々を回ってレースを進めていた点からも、3着のクロノジェネシスとの差は2馬身半では計れないと思う。

ハイペースの中でのレベルの高い戦い。勝ったラヴズオンリーユーの瞬発力と、2着のカレンブーケドールの持続力は、まさに紙一重で命運を分けた。

19/9/7 紫苑S(G3)中山芝2000m

着順:3着(0.1差)騎手:津村秀明(54キロ)

ラップタイム

  • 12.2 – 11.1 – 12.2 – 12.3 – 12.7 – 11.8 – 12.0 – 11.5 – 11.0 – 11.5

紫苑S 2015年以降良馬場平均(4レース分)

  • 12.2 – 11.0 – 12.2 – 12.4 – 12.8 – 12.2 – 12.0 – 11.6 – 11.6 – 11.6

前半は平均と変わらないペースを刻むが、1000m過ぎから早くもレースが動いている。

その後もラップは落ちることなくゴールまで続く。

走破時計も1.58.3と、かなり速い時計が出たが、この日は開幕週の初日。

馬場は超高速馬場になっていた。

1000m過ぎからペースが速くなっているにも関わらず、レースの上りは34.0秒。

このレースでは持続力と同様に、速い芝への対応力もカギとなった。

スタートで少し躓いたカレンブーケドールだが、二の脚で追いついて早々に2番手のポジションをキープ。

直線を向くころにはカレンブーケドールはすでに先頭、このまま押し切るかに見えたが、坂の途中で2頭に交わされ、そのままゴール。

久々の競馬で、しかも1番人気で目標にされた点を踏まえると、まずまずの競馬と言えなくはないが、秋の本番へ向けて若干の不安は残った。

19/10/13 秋華賞(G1)京都芝2000m

着順:2着(0.3差)騎手:津村秀明(55キロ)

ラップタイム(上り:36.4)

  • 12.3 – 10.7 – 11.6 – 11.8 – 11.9 – 12.7 – 12.5 – 12.0 – 12.3 – 12.1

秋華賞良馬場平均(過去6レース分)(上り平均:35.0)

  • 12.1 – 10.6 – 12.1 – 12.0 – 11.9 – 12.4 – 11.9 – 11.6 – 11.6 – 11.8

序盤が速く、中盤で溜めるが、上りはそれほど速くはならない。

前半の速くなったツケがレースの上り36.4秒に如実に表れている。

実際、前に行った馬で残れたのは、逃げたビーチサンバの5着が最高。

ダノンファンタジーコントラチェックパッシングスルーは着外に消えた。

いつもは前目のポジションを取るカレンブーケドールだが、この日は中団7~8番手あたりを追走。

結果的にはそのことが奏功して2着には入れたが、一瞬の切れでは分が悪いカレンブーケドールは、クロノジェネシスとの切れ味勝負では後手を踏んで0.3差の2着。

G1の頂にまたしても一歩及ばなかった。

入着狙いならこれでもいいが、勝ちに行くのならこの馬はやっぱり前目につけないと本領は発揮できない。

カレンブーケドールの近走

19/11/24 ジャパンカップ(G1)

東京 芝2400m 重

着順:2着(0.1差)騎手:津村秀明(53キロ)

先団の4番手追走から4角では2番手。

直線残り200mでは内を突いて伸びてきたスワーヴリチャードに食らいついて行くが、その差は詰まらず2着。

3歳牝馬が重馬場の2400mを、先団から粘り込んでの2着は立派の一言。

20/2/16 京都記念(G2)

京都 芝2200m 重

着順:2着(2.16.8・0.4差)

騎手:津村明秀(53キロ)

スタートして、行き脚がつかずに後方から。

3~4角で順位を上げて、4角5番手で直線に向き、直線では馬場の外目を伸びてはくるが、クロノジェネシスとの差は詰まらず。

ドバイ遠征への叩き台。

メイチの勝負に行ってないのは分かるが、何か少し物足りない印象。

20/9/27 オールカマー(G2)

中山 芝2200m 稍重

着順:2着(2.15.5・ハナ差)

騎手:津村明秀(54キロ)

道中は先団で追走するも、あまりの緩さに向正面で少し引っかかってしまったことが、最後の最後、終いの脚に影響した感じ。

いずれにしてもまた2着。

馬の力が劣っているとは思えないが・・・。

2020年 オールカマー(G2)のラップ分析&回顧

20/11/29 ジャパンカップ(G1)

東京 芝2400m 良

着順:4着(2.23.2・0.2差)

騎手:津村明秀(55キロ)

道中はデアリングタクトと同じような位置取り。

4角を回って早めに踏んで行って勝ちに行ったが、デアリングタクトにハナ差の4着まで。

実力がしっかりと反映されるレースでは、やはりこの馬は上位にくる。

まだ重賞勝ちがないと言うのはやはりおかしい。

2020年 ジャパンカップ(G1)のラップ分析&回顧

20/12/27 有馬記念(G1)

中山 芝2500m 良

着順:5着(2.35.6・0.6差)

騎手:池添謙一(55キロ)

道中は中団の前あたり。

3~4角ではクロノジェネシスと一緒に上がって行ったが、手応えがクロノとはまるで違った。

もう少しやれても良いとは思うのだが、「ジャパンカップ」からの中3週も応えていると思う。

2020年 有馬記念(G1)のラップ分析&回顧

21/3/27 日経賞(G2)

中山 芝2500m 良

着順:2着(2.33.4・0.1差)

騎手:松山弘平(54キロ)

道中は中団の前、ウインマリリンの直後といった感じの位置取り。

4角は6番手、直線もウインマリリンの直後から追い上げを計るが、結局前を捉えきれずに2着まで。

これで重賞の2着は6回目。

乗り役が変わっても結局2着と言う歯がゆさ。

持続力勝負では決してウインマリリンには引けをとらない力はあるが、今回は緩いペースに泣かされた感じ。

2021年 日経賞(G2)のラップ分析&回顧

21/5/2 天皇賞(春・G1)

阪神 芝3200m(外⇒内)良

着順:3着(3.15.2・0.5差)

騎手:戸崎圭太(56キロ)

道中は先団2~3番手でレースを引っ張り、4角2番手で直線に向き、そのまま押し切りを狙ったが、ゴール前2頭に交わされての3着。

このタフな消耗戦を牝馬で3着は凄い。

この馬の力は出し切った。

2021年 天皇賞・春(G1)のラップ分析&回顧

21/6/27 宝塚記念(G1)

阪神 芝2200m(内)良

着順:4着(2.11.7・0.8差)

騎手:戸崎圭太(56キロ)

道中は中団の前、5~6番手あたり。

3~4角は外を回らされるかたちで、4角は4番手の外で直線。

直線も伸びては来ているが、前の3頭に詰め寄るまでには行かなかった。

鞍上もコメントしているように、道中の位置取りがもう一列前なら2~3着はあったかも。

力は示しているが、勝ち切れないことに変わりはない。

何かこう、大胆な戦略が必要なのかもしれない。

2021年 宝塚記念(G1)のラップ分析&回顧

21/10/31 天皇賞(秋)(G1)

東京 芝2000m 良

着順:12着(1.59.2・1.3差)

騎手:戸崎圭太(56キロ)

外枠14番から道中は3~4番手を追走。

4角も3番手で直線に向くが、直線ではいつもの粘りがまったく見られず、坂下では早くも後続に呑み込まれた。

キャリア17戦目で初めて掲示板を外した。

まったく本来の走りではない。

2021年 天皇賞(秋)(G1)のラップ分析&回顧

次走、ジャパンカップ(G1)に向けて

次走は11月28日(日)、東京競馬場 芝2400m で行われる「ジャパンカップ(G1)」。

回避したもよう。

 

⇒その他、2021・ジャパンカップ(G1)の出走馬を分析