2019年11月17日【マイルCS】終了時点までのデータをもとに、モズアスコットの好走パターンを分析。
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モズアスコットの距離適性
モズアスコットはこれまでに、芝1400m~芝2000mまでの距離のレースに使われてきた。
各距離の着度数は次の通り;
- 芝1400m(2-4-0-1)
- 芝1600m(3-1-0-5)
- 芝1800m(0-0-0-2)
- 芝2000m(0-0-0-1)
芝1400mは2着が目立つが、距離が忙しいわけではない。
2着はどれも僅差で、別定重量、ハンデ重量が微妙に影響。力負けではない。
芝1600mは文句なし。
若干の不安点(後述)を除けば、どんなレースでも勝ち負けできる力はある。
芝1800m~2000mは明らかに距離が長い。
モズアスコットの脚質
モズアスコットの好走時の脚質は、中団~後方からの鋭い末脚。
ただ、一瞬の切れにはやや見劣るところがあるため、非常に軽い超高速馬場での高速決着では苦戦を強いられることも。
同時に、前半から中盤がかなり緩く、直線で10秒台のラップが出るような流れも不向き。
ペースは遅いより流れてくれた方がモズアスコットの持ち味は生かせる。
モズアスコットのコース適正
モズアスコットの競馬場ごとの着度数は次の通り;
- 東京(2-0-0-2)
- 中京(1-0-0-0)
- 京都(1-4-0-3)
- 阪神(1-1-0-3)
- 海外(0-0-0-1)
東京は勝ち時計が殊更に速くならなければ十分に対応できる。
京都は得意コースと言える。
2着が多いのは【距離適性】の項でも書いたように、1400m戦での斤量が影響した可能性が高い。
気になるのは直線急坂コース(中山、阪神、中京)への出走数。
4歳の2月に「阪急杯(G3)」で2着して以降、直線急坂のあるコースでの出走機会が1度もない。
偶然か? それとも意図的に避けているのか?
次回直線急坂のコースに出走してきた際には注意が必要。
モズアスコットの持ち時計(ベストタイム)
モズアスコットの持ち時計は次の通り;
- 芝1400m:1.19.9 4着(0.4差・阪神)
- 芝1600m:1.31.2 6着(0.3差・東京)
- 芝1800m:1.45.0 6着(0.6差・東京)
- 芝2000m:2.00.6 4着(アタマ-クビ-ハナ・阪神)
ベストタイムを計時したときの着順が見事に悪い。
【脚質】の項でも触れたが、高速馬場での高速決着では苦戦する。
モズアスコットの重馬場適正
モズアスコットはこれまでに、道悪競馬の経験はない。
稍重なら一度だけ、2019年の「スワンS(G2)」の2着がある。
他に、良馬場ではあるが2018年の同じく「スワンS(G2)」。
この日の馬場は「稍重」から、6Rでやっと「良馬場」に回復した程度。
芝も4回京都の最終週で傷みが目立つ馬場状態。
良馬場ながらレースの上り時計は35.5秒を要した。
そんな馬場状態でもモズアスコットは、別定重量でメンバー中一番重い58キロを背負って、勝ったロードクエストにハナ差の2着に粘った。
力の要する荒れ馬場でも、しっかり力を発揮できるところを示して見せた。
モズアスコットの近走診断
19/6/2 安田記念(G1)
東京 芝1600m 良
着順:6着(0.3差)騎手:坂井瑠星(58キロ)
道中は中団の前あたり、6番手を追走。
直線は馬場の中ほどを伸びてはくるが、先頭との差はなかなか縮まらず、逆に外を突いて伸びてきたアーモンドアイにはあっさり交わされる始末。
モズアスコットの走破時計は1.31.2。
このレースを制した昨年の走破時計1.31.3より0.1秒速い。
自身の上り時計も33.1秒で、昨年の33.3秒よりも速い。
時計が速くなりすぎると、限界点があるようだ。
19/10/6 毎日王冠(G2)
東京 芝1800m 良
着順:6着(0.6差)騎手:内田博幸(57キロ)
道中は後方の7~8番手。
4角は大外を回って直線を向くが、0.6差詰めるのがやっと。
モズアスコットにとっては距離が長い上に、外々を通る展開。
適正外のレースで、デキ落ちとかではない。
19/10/26 スワンS(G2)
京都 芝1400m 稍重
着順:2着(ハナ差)騎手:岩田康誠(57キロ)
道中は中団やや後ろの10番手あたり。
直線では馬場の中ほどを強烈な末脚で追い込んでくる。
内ではマイスタイルが粘り腰を見せ、大外からはダイアソニックの強襲。
ゴール前は三つ巴の追い比べになるが、ダイアソニックがわずかにハナ差モズアスコットを制してゴール。
勝ったダイアソニック、3着のマイスタイルの斤量は56キロ。
斤量差を考えれば十分な内容。
19/11/17 マイルCS(G1)
京都 芝1600m 良 17頭
着順:14着(1.34.2・1.2差)
騎手:和田竜二(57キロ)
モズアスコットが苦手とするスローの展開。
終始外々を回る距離ロスも響いた。
(このあとはダート競争でG3、G1を2連勝。ダート適正の高さを示した)
モズアスコットの次走
次走は中京競馬場 芝1200mで行われる「高松宮記念(G1)」。
1200mは初挑戦。
初ものには強いが、ここは道悪にでもならない限り厳しいだろう。