2020年3月15日【金鯱賞】終了時点までのデータをもとに、サートゥルナーリアの好走パターンを分析していきます。
Contents
サートゥルナーリアの距離適性
サートゥルナーリアはこれまでに芝1600m~芝2500mまでの距離のレースに使われてきた。
各距離の着度数は次の通り;
- 芝1600m(1-0-0-0)
- 芝1800m(1-0-0-0)
- 芝2000m(3-0-0-1)
- 芝2400m(1-0-0-1)
- 芝2500m(0-1-0-0)
2000m前後がベストなのか? それとも2400m前後でも無理なく走れるのか?
どちらもそれなりに走ってくるだろうが、どちらがベストかはまだ分からない。
サートゥルナーリアの脚質
終いを生かす競馬。
瞬発力勝負では相当強いが、持久力を問われる展開になると不安な面もある。
サートゥルナーリアのコース適正
サートゥルナーリアの競馬場ごとの着度数は次の通り;
- 東京(0-0-0-2)
- 中山(2-1-0-0)
- 中京(1-0-0-0)
- 京都(1-0-0-0)
- 阪神(2-0-0-0)
東京コースで好走歴がないのは意外だが、別に東京コースが苦手と言うわけではないだろう。
サートゥルナーリアの持ち時計(ベストタイム)
サートゥルナーリアの持ち時計は次の通り;
- 芝1600m:1.37.2 1着(阪神)
- 芝1800m:1.49.6 1着(京都)
- 芝2000m:1.57.1 6着(東京)
- 芝2400m:2.23.1 4着(東京)
- 芝2500m:2.31.3 2着(中山)
2500m以外は、時計的にはあまり良い内容ではない。
スローの瞬発力勝負では無類の強さを発揮するが、締まったペースのスピード勝負には脆いのか?
サートゥルナーリアの重馬場適正
サートゥルナーリアの稍重も含めた道悪競馬の経験はまだない。
サートゥルナーリアの鉄砲実績(休み明け)
サートゥルナーリアの10週(中9週)以上の休み明けでの成績は;
- 10週以上(4-0-0-0)
パーフェクト。
サートゥルナーリアのラップ分析
18/10/27 萩ステークス(2歳オープン)京都芝1800m
着順:1着(-0.3差)騎手:M・デムーロ(55キロ)
ラップタイム
1着タイム | 上り3F | Lap1 | Lap2 | Lap3 | Lap4 | Lap5 | Lap6 | Lap7 | Lap8 | Lap9 | |
今走 | 1.49.6 | 35.5 | 13 | 11.8 | 11.8 | 12.2 | 12.8 | 12.5 | 12.4 | 11.4 | 11.7 |
過去平均 | 1.48.3 | 34.6 | 12.9 | 11.6 | 11.9 | 12.4 | 12.7 | 12.4 | 11.6 | 11.4 | 11.6 |
(※過去平均=同コース同レースの良馬場平均(過去6走))
序盤はやや遅いものの、ほぼ平均的なラップを刻んでいるが、それにしては上りがかかっている。
これは馬場の影響で、前夜から朝にかけて雨が降り、当日は6Rまで稍重馬場でレースが行われていた。
サートゥルナーリアは直線好位から抜け出し、ほとんど追わずノーステッキ。
鞍上のデムーロ騎手が左右に首を振り他馬の様子窺うなど余裕の競馬。
自身の上りは35.1秒だが、本気で追っていればこんなものではないことは確か。
レース内容自体は平均的だが、サートゥルナーリアの強さが際立った。
18/12/28 ホープフルS(2歳G1)中山芝2000m
着順:1着(-0.2差)騎手:M・デムーロ(55キロ)
ラップタイム
1着タイム | 上り3F | Lap1 | Lap2 | Lap3 | Lap4 | Lap5 | Lap6 | Lap7 | Lap8 | Lap9 | Lap10 | |
今走 | 2.01.6 | 35.5 | 12.8 | 12 | 13 | 12.5 | 12.2 | 11.8 | 11.8 | 12.2 | 11.5 | 11.8 |
過去平均 | 2.01.6 | 36.2 | 12.6 | 11 | 12.5 | 12.4 | 12.5 | 12.1 | 12.5 | 12.4 | 11.8 | 12.1 |
(※過去平均=同コース同レースの良馬場平均(過去4走))
前半がかなりゆっくりで、ほぼ後半だけの競馬になっている。
サートゥルナーリアは道中2~3番手。
内ラチぴったりの経済コースで直線も内。
しかし前がなかなか開かず、少し開いた隙間を強引にこじ開けて先頭に立つと、そのまま追わずに余裕のゴール。
瞬発力では同世代の馬たちを大きく上回っている印象。
ここも強い競馬で勝ち上がるが、前走、今走ともレースの内容自体は平凡。
19/4/14 皐月賞(G1)中山芝2000m
着順:1着(アタマ差)騎手:ルメール(57キロ)
ラップタイム
1着タイム | 上り3F | Lap1 | Lap2 | Lap3 | Lap4 | Lap5 | Lap6 | Lap7 | Lap8 | Lap9 | Lap10 | |
今走 | 1.58.1 | 34.7 | 12.3 | 10.5 | 12 | 11.8 | 12.5 | 12.1 | 12.2 | 11.7 | 11.6 | 11.4 |
過去平均 | 1.58.4 | 35 | 12.2 | 10.9 | 11.9 | 11.8 | 12.4 | 12.1 | 12.1 | 11.7 | 11.5 | 11.8 |
(※過去平均=同コース同レースの良馬場平均(過去4走))
序盤はここ5年と比べても2番目の速さ。その分中盤で少しだけ緩むが、レースの上りは34.7秒。
全体的に締まった流れ。スピード持続力が勝敗のカギ。
サートゥルナーリアは中団から、3~4角は外目を回って直線を向くと、残り200mでヴェロックスとの追い比べ。最内からはダノンキングリーも脚を伸ばしており、三つ巴の追い比べ。
この追い比べを制したのはサートゥルナーリア。
ヴェロックスをアタマ差しのいでゴール。
これまで抜けたレースを続けていたサートゥルナーリアだが、タフなペースとなった世代の頂上決戦ではアタマ差。
持続力勝負に持ち込まれると、他との差はさほど顕著ではない。
19/5/26 日本ダービー(G1)東京芝2400m
着順:4着(0.5差)騎手:ルメール(57キロ)
ラップタイム
1着タイム | 上り3F | Lap1 | Lap2 | Lap3 | Lap4 | Lap5 | Lap6 | Lap7 | Lap8 | Lap9 | Lap10 | Lap11 | Lap12 | |
今走 | 2.22.6 | 35.9 | 12.7 | 10.7 | 11.4 | 11.4 | 11.6 | 12 | 12.3 | 12.4 | 12.2 | 12 | 11.9 | 12 |
過去平均 | 2.24.7 | 34.5 | 12.7 | 10.9 | 12.1 | 12.3 | 12.5 | 12.4 | 12.6 | 12.5 | 12.2 | 11.6 | 11.2 | 11.8 |
(※過去平均=同コース同レースの良馬場平均(過去8走))
リオンリオンの大逃げで、2番手以降も速い流れとなった。
最後は持続力、底力の勝負。
サートゥルナーリアは出遅れてしまい、後方からの競馬を余儀なくされる。
4角では外を回して差を詰めにかかったが、その分直線では今一歩伸びを欠き、0.5差の4着。
ダノンキングリー、ヴェロックスが2、3着にきている分、サートゥルナーリアがまともに出ていればどうなっていたかが興味深い。
19/9/22 神戸新聞杯(G2)阪神芝2400m
着順:4着(0.5差)騎手:ルメール(57キロ)
ラップタイム
1着タイム | 上り3F | Lap1 | Lap2 | Lap3 | Lap4 | Lap5 | Lap6 | Lap7 | Lap8 | Lap9 | Lap10 | Lap11 | Lap12 | |
今走 | 2.26.8 | 32.3 | 12.9 | 11.3 | 12.9 | 13.1 | 13.2 | 13.5 | 13.3 | 12.5 | 11.8 | 10.8 | 10.2 | 11.3 |
過去平均 | 2.25.7 | 34.5 | 12.8 | 11.3 | 12.5 | 12.6 | 12.5 | 12.7 | 12.6 | 12.4 | 11.8 | 11.3 | 11.2 | 12.0 |
(※過去平均=同コース同レースの良馬場平均(過去9走))
圧倒的なスローぺース。
序盤で1.0秒、中盤で2.4秒も平均より遅い流れ。
このような瞬発力勝負になればサートゥルナーリアは1強。
道中2番手で競馬をすすめていたサートゥルナーリアは、直線入口で抜け出して、ノーステッキで後続を突き放し、3馬身つけて圧勝。
末脚勝負では、同世代ではこの馬とまともに勝負できる馬はいないだろう。
19/10/27 天皇賞(秋)(G1)
東京 芝2000m 良 16頭
着順:6着(1.57.1 0.9差)
騎手:スミヨン(56キロ)
ラップタイム
1着タイム | 上り3F | Lap1 | Lap2 | Lap3 | Lap4 | Lap5 | Lap6 | Lap7 | Lap8 | Lap9 | Lap10 |
1.56.2 | 34.3 | 12.8 | 11.4 | 11.5 | 11.6 | 11.7 | 11.6 | 11.3 | 11.1 | 11.3 | 11.9 |
1.57.9 | 35.0 | 12.8 | 11.5 | 11.4 | 11.6 | 11.8 | 11.9 | 11.8 | 11.5 | 11.6 | 11.9 |
(※過去平均=同コース同レースの良馬場平均(過去7走))
中盤の早い段階、1000m(Lap5)を過ぎるとすでに加速が始まっている。
それにも関わらず、上りは過去平均よりも速い上り。
スピード持続力と瞬発力を同時に求められたようなレースになった。
サートゥルナーリアは2~3番手の内側で道中を追走。
4角も3番手の内で直線に入り、直線は残り200mまでは踏ん張って見せるが、そこからはズルズルと順位を下げた。
道中の追走速度は、今までのキャリアでは一番速かったと思う。
初の古馬G1なので、0.9差の6着なら大健闘と言ってもいいかもしれないが、正直ちょっと物足りない内容。
瞬発力勝負ではかなり強いが、持続力勝負になればこんなものなのか?
19/12/22 有馬記念(G1)
中山 芝2500m 良
着順:2着(2.31.3 0.8差)
騎手:スミヨン(55キロ)
ラップタイム(4分割)
1着タイム | 序盤 | 中盤 | 後半 | 上り3F | |
今走 | 2.30.5 | 29.4 | 47.4 | 36.1 | 37.6 |
過去平均 | 2.33.4 | 30.5 | 51.0 | 36.6 | 35.3 |
(※過去平均=同コース同レースの良馬場平均(過去8走))
一目瞭然のかなり締まったハイペースだが、これは大逃げを打ったアエロリットの刻んだラップ。
2番手以降はおそらく平均ペースか、それよりやや速いくらいのペースで追走していたものと思われる。
今回サートゥルナーリアは、スタートは5分に出たが、控えて後方13番手からの競馬。
おそらく追走もスムーズに行われていたのではないか?
サートゥルナーリアは3角を過ぎると徐々に順位を上げて行き、4角は7番手の外から直線へ。
直線は残り200mあたりで先頭に立つものの、大外からのリスグラシューの強襲にはついて行けず、5馬身離されての2着。
展開的には上位の馬はほとんどが後ろからの追い込み勢。
瞬発力勝負の色合いが濃いレースとなった。
瞬発力勝負では引けを取らないサートゥルナーリアは2着に食い込んだが、5馬身ちぎられたこの結果をどう見るか?
20/3/15 金鯱賞(G2)
中京 芝2000m 良 12頭
着順:1着(2.01.6・0.3差)
騎手:ルメール(58キロ)
1着タイム | 後3F | Lap1 | Lap2 | Lap3 | Lap4 | Lap5 | Lap6 | Lap7 | Lap8 | Lap9 | Lap10 | |
今走 | 2.01.6 | 33.8 | 12.9 | 11.8 | 13.2 | 13.0 | 12.7 | 12.4 | 11.8 | 11.2 | 11.1 | 11.5 |
過去平均 | 1.59.4 | 35.1 | 12.7 | 11.0 | 12.5 | 12.2 | 12.0 | 12.0 | 11.9 | 11.8 | 11.4 | 11.9 |
差 | -1.3 | 0.3 | 0.8 | 0.7 | 0.8 | 0.7 | 0.4 | -0.1 | -0.6 | -0.3 | -0.4 |
(※過去平均=同コース同レースの良馬場平均(過去6走))
見ての通りの超超スロー。
サートゥルナーリアは中団の前あたりを楽に追走し、直線ではほぼ馬なりで先頭に並びかけると、少し気合を入れただけでスッと抜け出して余裕のゴール。
この馬が一番得意とする展開だが、レースのレベルとしては、走破時計の2.01.6は、中京競馬場の改修後では、2018年に稍重馬場で行われた「第54回金鯱賞」と並ぶワーストタイム。
内容はあまりない。
サートゥルナーリアの次走
次走は阪神競馬場 芝2200m(内)で行われる「宝塚記念(G1)」。
「大阪杯」の回避で3ヵ月ぶりの競馬となるが、休み明けは気にならない馬。
しかし「金鯱賞」の圧勝で今回も人気になるのなら、ちょっと危ない気もする。
特段に抜けた存在とは思えないが・・・。