2022年11月27日【ジャパンカップ】終了時点までのデータや実際の走りをもとに、デアリングタクトの好走パターンを分析。
Contents
- 1 デアリングタクトの距離適性
- 2 デアリングタクトの脚質
- 3 デアリングタクトのコース適正
- 4 デアリングタクトの持ち時計(ベストタイム)
- 5 デアリングタクトの重馬場適正
- 6 デアリングタクトの鉄砲実績(休み明け)
- 7 デアリングタクトの枠順適正
- 8 デアリングタクトの季節別着度数
- 9 デアリングタクトの斤量別着度数
- 10 デアリングタクトの好走体重
- 11 デアリングタクトの血統背景
- 12 デアリングタクトのここまでの走り
- 12.1 19/11/16 2歳新馬 11頭立て
- 12.2 20/2/8 エルフィンS(2歳OP・L)12頭立て
- 12.3 2020/4/12 桜花賞(G1)
- 12.4 20/5/24 オークス(G1)
- 12.5 20/10/18 秋華賞(G1)
- 12.6 20/11/29 ジャパンカップ(G1)
- 12.7 21/3/14 金鯱賞(G2)
- 12.8 21/4/25 クイーンエリザベス2世カップ(G1)
- 12.9 22/5/15 ヴィクトリアマイル(G1)
- 12.10 22/6/26 宝塚記念(G1)
- 12.11 22/9/25 オールカマー(G2)
- 12.12 22/11/13 エリザベス女王杯(G1)
- 12.13 22/11/27 ジャパンカップ(G1)
デアリングタクトの距離適性
デアリングタクトはこれまでに芝1600m~芝2400mまでの距離のレースに使われてきた。
各距離の着度数は次の通り;
- 芝1600m(3-0-0-1)
- 芝2000m(1-1-1-0)
- 芝2200m(0-0-1-2)
- 芝2400m(1-0-1-1)
マイルも走るが、ベストは2000~2400mあたりか?
デアリングタクトの脚質
中団、もしくは後方からの強烈な末脚が武器。
瞬発戦にも強いが、上り時計を要する底力勝負にもしっかり対応すしてくる。
ただ、「三冠牝馬」の印象が強い分、抜けた力がありそうな雰囲気を醸し出しているが、そこら辺は怪しい。
道中流れて、上りもきっちり34秒台前後が出るような持続力勝負でどこまでやれるか?
デアリングタクトのコース適正
デアリングタクトの競馬場ごとの着度数は次の通り;
- 東京(1-0-0-2)
- 中山(0-0-0-1)
- 中京(0-1-0-0)
- 京都(3-0-0-0)
- 阪神(1-0-1-1)
- 香港(0-0-1-0)
デアリングタクトの持ち時計(ベストタイム)
デアリングタクトの持ち時計は次の通り;
- 芝1600m:1.32.7 6着(0.5差・東京)
- 芝2000m:2.00.6 1着(0.4差・新潟)
- 芝2200m:2.10.3 3着(0.6差・阪神)
- 芝2400m:2.23.2 3着(0.2差・東京)
レコード結着の「宝塚記念」で3着に入ったが、その差は0.6差。
ワンターンのバリバリの高速決着は、G1などの頂上決戦になると不安。
デアリングタクトの重馬場適正
デアリングタクトの稍重も含めた道悪競馬での実績は;
- 稍重(1-0-0-0)
- 重(1-1-0-1)
- 不良(未)
道悪を切り裂いてくるパワーもある。
デアリングタクトの鉄砲実績(休み明け)
デアリングタクトの10週(中9週)以上の休み明けでの成績は;
- 10週以上(2-1-0-2)
叩いてからは;
- 2戦目(1-0-3-1)
- 3戦目(1-0-0-1)
デアリングタクトの枠順適正
デアリングタクトの枠番別着度数は;
- 1~4番(2-1-1-2)
- 5~9番(2-0-2-2)
- 10~14番(1-0-0-0)
- 15~18番(未)
デアリングタクトの季節別着度数
- 12~2月(冬):(1-0-0-0)
- 3~5月(春):(2-1-1-1)
- 6~8月(夏):(0-0-1-0)
- 9~11月(秋):(2-0-1-3)
デアリングタクトの斤量別着度数
- 53キロ(0-0-1-0)
- 54キロ(2-0-0-1)
- 55キロ(3-1-0-2)
- 55.5キロ(0-0-1-0)
- 56キロ(0-0-1-1)
デアリングタクトの好走体重
3着以内の体重は;
- 464~480キロ
デアリングタクトの血統背景
父は2013年の「菊花賞」、2014年の「JC」を勝ったエピファネイア(ロベルト系)。
母の父はキングカメハメハ(ミスプロ系キングマンボ)。
近親にデアリングハート(クイーンC、府中牝馬S連覇、NHKマイルC2着)。
デアリングタクトのここまでの走り
19/11/16 2歳新馬 11頭立て
京都 芝1600m 良(内)
着順:1着(1.37.7 -0.2差)
騎手:松山弘平(54キロ)
五分のスタートで中団からの競馬。
直線は残り200mまで前が開かずに追い出しを待たされるが、前が開くと一気に抜け出して余裕のゴール。
ペースはスローだが、一瞬の脚、切れ味が光ったレース。
20/2/8 エルフィンS(2歳OP・L)12頭立て
京都 芝1600m 良(外)
着順:1着(1.33.6 -0.7差)
騎手:松山弘平(54キロ)
少し出遅れがあって後方からの競馬。
レースのラップは例年の同レースの良馬場平均を大きく上回るタフな展開。
4角も10番手の大外を回して直線へ。
直線を向くと大外から一気に追い込んで、残り200mを過ぎると後続を4馬身近く放して余裕のゴール。
ラップ的には残り3Fまでは同コースの古馬OPのラップ平均と遜色ない。
上りは35.1秒かかっていて、古馬OPのそれとは0.8秒ほど遅れるが、ゴール前はかなりの余裕があり、メイチで追っていればまだまだ上り時計は速かった可能性は高い。
デアリングタクト自身の上りは34.0秒。
展開が向いたとか、外差しが効いたとか、おそらくそんなレベルではない気がする。
ちょっと凄いのが出てきたんじゃないか?
2020/4/12 桜花賞(G1)
阪神 芝1600m(外)重 18頭
着順:1着(1.36.1・-0.2差)
騎手:松山弘平(55キロ)
道中は中団のやや後ろで脚を溜める。
直線で外に持ち出すと、前でやり合うスマイルカナとレシステンシアを猛追。
ゴール前、抜け出たレシステンシアを外から差し切ってゴール。
レースの上りが38.1秒なので、展開が向いたと言えないことはないが、それでもこの重馬場で後方から差し切ってくるのだから「豪脚」であることに間違いはない。
20/5/24 オークス(G1)
東京 芝2400m 良
着順:1着(2.24.4・-0.1差)
騎手:松山弘平(55キロ)
2枠4番から、道中は中団の後ろ寄りのイン。
レースのペースは中だるみのスロー。
4角を13番手で直線に向き、外へと進路を取ろうとするが、なかなか出せない。
そんな折、内でぽっかりと進路が開くと、反応よくスッと抜け出す。
あとは追って追って、前で粘り込みを計るウインマイティー、ウインマリリンを豪快に差し切ってゴール。
デアリングタクトの末脚は上りメンバー最速の33.1。
前に行った馬が有利な展開で、一瞬の反応、豪快な末脚で2冠達成。
やはりモノが違う。
20/10/18 秋華賞(G1)
京都 芝2000m(内)良
着順:1着(2.00.6・-0.2差)
騎手:松山弘平(55キロ)
序盤は中団の後ろあたり。
内に包まれないようにかなり馬場の外目を追走していた。
そして向正面からジワジワと順位を上げて行き、3角では8番手、4角では5番手の外で先団をすでに射程圏に入れていた。
あとはもう、外差しの効く馬場の外目を颯爽と駆け抜けただけ。
まさに安全運転の好騎乗。
20/11/29 ジャパンカップ(G1)
東京 芝2400m 良
着順:3着(2.23.2・0.2差)
騎手:松山弘平(53キロ)
道中は中団の前。
4角は7番手で、各馬一斉に逃げるキセキめがけて追い出しにかかる。
デアリングタクトも上り3Fはコントレイルに次ぐ2番時計で追い上げたが、3着まで。
ひとまず、しっかり自身の力は出し切った。
21/3/14 金鯱賞(G2)
中京 芝2000m 重
着順:2着(2.01.8・クビ差)
騎手:松山弘平(55キロ)
道中は中団の外目。
4角は6番手の外で直線に向き、直線は馬群の外目を追い上げてくるが、ギベオンの粘りにクビ差届かず2着。
斤量的に不利があったかもしれないが、そこは3冠馬、このような展開ならきっちり差し切っておきたかった。
ここは完敗と言っていいだろう。
今後の戦いにおいて、必ずしも抜けた存在ではないことは心得ておきたい。
21/4/25 クイーンエリザベス2世カップ(G1)
沙田 芝2000m 良
着順:3着(2.01.4・0.2差)
騎手:松山弘平(55.5キロ)
7頭立ての小頭数。
1番枠から道中は中位のイン、3番手を追走。
先頭との差は2~3馬身。
4角も3番手で直線に向き、直線入口では先頭との差は1.5馬身ほど。
残り200mで逃げ粘るタイムワープを捉えたところで、外から追い込んで来たラヴズオンリーユーに交わされる。
しかしそのあとも必死に食い下がって行くが、ゴール前甘くなったところをグローリーヴェイズにも交わされて3着。
おそらくこれが今の実力。
(※ このあと右前脚の体部繋靱帯炎を発症し、全治9ヵ月の診断。)
22/5/15 ヴィクトリアマイル(G1)
東京 芝1600m
着順:6着(1.32.7・0.5差)
騎手:松山弘平(55キロ)
1枠1番から道中は中団の前目、ソダシの直後6番手の最内。
4角もソダシの直後、6番手の最内で直線に向くと、直線は馬場の内目から追い上げに入り、前に食らいつく格好で坂を上ってくる。
残り100mあたりまでは3着争いに加われてはいたが、ゴール前甘くなって6着まで。
当日の馬場は内が伸びず、このレースでも最後の直線は各馬内を開けて走っていた。
それらのことを考慮に入れれば、およそ1年ぶりの競馬としては、まずまずの走りではなかったか。
22/6/26 宝塚記念(G1)
阪神 芝2200m(内)良
着順:3着(2.10.3・0.6差)
騎手:松山弘平(58キロ)
道中は中団のやや後ろ、10番手の外を追走。
3角あたりから順位を上げて、4角は8番手の外で直線。
直線は馬群の外目から追い上げに入り、坂の上りではまだ6番手あたりだったが、残り100mで急追し、前で粘るディープボンドをハナ差交わしてゴール。
道中外々を回りながら、4角も外目。
それでいてこの末脚はやはり3冠馬牝馬、大したもの。
レースの上り36.3秒の消耗戦もこの馬には向いた。
22/9/25 オールカマー(G2)
中山 芝2200m(外)良
着順:6着(2.13.7・1.0差)
騎手:松山弘平(54キロ)
【レース前寸評】
中山コースは初参戦だが、適正は合っていると思う。
このクラスなら勝ち切りたいところだが、今回、なかなか骨っぽい面子が揃った。
格の違いを示せるか?
【結果】
道中は中団の後ろ、11番手あたりを追走。
3角を過ぎて外を回して動きはじめ、4角は8番手の大外で直線に向き、直線は馬群の大外から追い上げを計るが、1.0差の6着まで。
外を回したのでは勝てない天候のコンディション。
ちょっと敗けすぎの感は否めないが、ノーカウントにしてもいいような気もする。
22/11/13 エリザベス女王杯(G1)
阪神 芝2200m(内)重
着順:6着(2.14.0・1.0差)
騎手:松山弘平(56キロ)
【レース前寸評】
阪神の2200mは「宝塚記念」3着の舞台なので、合っていることは確か。
ただ、抜けた存在ではないことも確か。
勝ち負けは必至、とまでは言えない。
【結果】
内枠4番から道中は中団8番手だが、位置取りは内外に分けると内側だった。
3~4角も内に閉じ込められた感じで、4角は9番手で直線に向き、直線は進路を外に取って追い上げを計り、ナミュールと一緒に伸びてはくるが、坂の途中で甘くなって6着。
道中内目を走った馬では最先着。
元来道悪は得意な馬だが、その馬をしてもこの着順が精一杯。
今回は力負けではないだろう。
22/11/27 ジャパンカップ(G1)
東京 芝2400m 良
着順:着(2.23.7・0.2差)
騎手:マーカン(55キロ)
【レース前寸評】
前走は1.0差の6着だが、道中内目を走った馬では最先着。過酷な馬場で力は出し切っていたと思う。
そこからの中1週はどうか?
昨年のこのレース3着も、3歳牝馬53キロの恩恵があったが今年は55キロ。
全体的に見て不安材料が多い。
【結果】
道中は中団の内目、14番手あたりを追走。
4角は14番手の位置取りは中ほどで直線に向き、直線も馬群の中ほどから虎視眈々と進路をうかがい、坂の上りで前が開くと一気の追い上げ。
しかし坂を上りきったあたりでシャフリヤールと進路が被り、一旦引いて外に出す不利。
再度立て直して追い上げてはくるが、4着まで。
不利がなければシャフリヤールとの2着争いがあったかも。
しかしそれでも、中1週で良い内容。
スローの瞬発戦の展開も合ったのだろうが、長期休養明けからの今年の1年、回復の兆しは確実に窺える。