2019年6月2日【安田記念】終了時点までのデータをもとに、サングレーザーの好走パターンを分析していきます。

サングレーザーの距離適性

サングレーザーはこれまでに芝1400m~芝2000mの距離のレースに使われてきた。

各距離の着度数は次の通り;

  • 芝1400m(3-0-1-0)
  • 芝1600m(1-1-3-3)
  • 芝1800m(1-0-0-0)
  • 芝2000m(1-1-0-3)

距離適性はマイルまでか? それとも2000mまで伸びるのか?

詳しく見てみる。

芝1400m

3勝、3着1回の内容の中には、G2「スワンS」での1勝、G2「阪神カップ」での3着が含まれる。

他、500万条件戦での1勝、1600万条件戦での勝ち上がりと、底を見せていない距離だけに、その適正を疑う必要はないだろう。

芝1600m

G2「マイラーズカップ」での1勝はレコード勝ち。G1「マイルCS」は0.1差の3着。

他にG1「安田記念」では、2年連続の0.2差の5着。特に2018年の5着は、枠がもう少し内目なら、勝ち負けできた内容だと思う。

当然距離適性は十分にあると考える。

芝1800m~2000m

芝1800mは未勝利戦に1度使われただけ。

内容は快勝だったが、同じ年の12月にG2「ホープフルS(中山芝2000m)」で0.5差の5着に負けた。

この時の負けで「折り合い」の課題が浮き彫りになったため、その後長く、1800mと2000mは使われなかったのだろう。

しかし1400m、1600mで結果を残したあと、満を持してのG2「札幌記念(札幌芝2000m)」を快勝し、その後G1「天皇賞・秋(東京芝2000m」でも0.2差の2着に入った。

古馬になって、折り合いの問題が解消されて、これらの距離でも問題はなくなったのだろう。

サングレーザーの脚質

サングレーザーの好走時の決め手は中団からの差し」と「後方からの追い込み」だ。

そこそこ流れた展開でも、ラスト3Fは33秒台前半の脚を繰り出すほどの「鬼脚」の持ち主。

サングレーザーのコース適正

サングレーザーの競馬場ごとの着度数は次の通り;

  • 札幌(3-0-0-0)
  • 東京(0-1-0-2)
  • 中山(0-0-0-1)
  • 中京(0-0-1-0)
  • 京都(3-0-2-1)
  • 阪神(1-1-1-1)

(※国内レース限定)

左回りのコースにあまり使われていない印象だが、「天皇賞(秋)」2着に、安田記念の0.2差の5着を見る限り、苦手意識があるとは思えない。

一つ気になる点は、「急坂」

急坂のあるコース(中山、阪神、中京)では、6回走ってまだ1度しか勝っていない「仲秋S・1600万下(阪神芝1400m)」。

東京コースの坂はなだらかなので、「急坂」には分類していないが、そんな東京でもまだ、惜しい競馬はあるが、勝ち鞍自体はない。

これまでの全7勝のうち、坂のあるコースで勝ち鞍があるのは、前出の「仲秋S・1600万下(阪神芝1400m)」だけだ。

これは単なる偶然だろうか?


サングレーザーのペース適正

「脚質」の項でも触れたが、サングレーザーはそこそこ流れた展開でも、33秒台の末脚でゴール前差し込んでくる。

前後半1000mのペースバランスが+2.9秒とハイペースだった2018年の「札幌記念」でも、一旦先頭に立ったマカヒキを差し返して勝利を収めている。

このように、速い流れでの好走が多いサングレーザーだが、スローペースはどうなのか?

実際、サングレーザーはスローペースのレース自体、あまり経験がないのも事実だが、0.2差の2着と好走した「天皇賞・秋」はスローペース。

どちらかと言うと後ろ目にポジションを取ることが多いサングレーザーだが、ペースが緩いレースでは、ポジショニングもいつもより前目になることが多いようだ。

スローになりやすいレースでも、さほど心配は要らないと思う。

サングレーザーの持ち時計(ベストタイム)

サングレーザーの各距離でのベストタイムは次の通り;

  • 芝1400m:1.19.7 3着(0.2差・阪神)
  • 芝1600m:1.31.1 5着(0.2差・東京)
  • 芝1800m:1.51.6 1着(0.2差・札幌)
  • 芝2000m:1.57.0 2着(0.2差・東京)

未勝利戦で1度走っただけの1800mは別として、その他の距離ではタイムも優秀で着差も僅差だ。

時計が速くなりやすい馬場状態でも、サングレーザーに不安はないだろう。

サングレーザーの重馬場適正

サングレーザーの道悪実績は次の通り;

  • 稍重(2-0-1-0)
  • 重(1-1-0-0)
  • 不良(0-0-1-0)

全く問題はないだろう。


サングレーザーの枠順適正

サングレーザーの脚質自体、先団に取り付く必要もないので、枠順は内でも外でもさほど気にする必要はないだろう。

ただ、ギリギリの頂上決戦では、やはり極端な外枠はマイナス要因にしかならない。

2018年の安田記念は15番ゲートからの出走。

鞍上の福永騎手も、外枠からの発走で序盤脚を使ったことが最後の切れに響いた旨のコメントを出している。

サングレーザーの近走診断

18/12/9 香港カップ(G1)沙田芝2000m

着順:4着(0.4差)騎手:モレイラ(57キロ)

中団から競馬を進めたサングレーザー。

1000mの通過が61秒くらいなので、そんなに速いペースではない。

直線に向いて4番手の外。先頭とは3~4馬身くらいか。

しかしそこからなかなか伸びず、先頭との差が縮まらず、1頭交わすのがやっとの状態。

結果、外からもう一頭に交わされて着順は4着。

走破時計は2.02.1。

まあいずれにしても、海外で結果を残すのはそう簡単なことじゃない。

19/3/31 大阪杯(G1)阪神芝2000m

着順:12着(1.1差)騎手:ミナリク(57キロ)

最後方からの競馬で、最後まで見せ場なし。

前有利の展開で、しかも4角付近でスリップしたらしいが、それにしても敗けすぎ。

19/6/2 安田記念(G1)東京芝1600m

着順:5着(0.2差)騎手:岩田康誠(58キロ)

中団からの競馬になったが、道中かなり行きたがっているような動き。

岩田騎手が必死に抑えている動作が映像からも分かった。

直線は内を突いて出てくるが、もうひと伸びがなかったのは、前半力んでしまった分か。