2020年2月22日【ダイヤモンドS】終了時点のデータをもとに、ポポカテペトルの好走パターンを分析していきます。
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ポポカテペトルの適正距離
ポポカテペトルは現状、芝2000m~3000mの距離のレースに出走している。
各距離の競争実績は次の通り;
- 芝2000m(1-0-0-4)
- 芝2200m(2-1-0-1)
- 芝2400m(2-0-0-2)
- 芝2500m(0-0-0-4)
- 芝3000m(0-0-1-0)
- 芝3400m(0-0-0-1)
芝2000mでの1勝は、新馬戦によるもの。
相手関係が手薄な新馬戦以外は、500万条件、三歳G3、そして1000万条件で敗れている。
ということは、ポポカテペトルにてっと芝2000mという距離は、少し忙しいのかもしれない。
そして芝3000m。
これは京都の芝3000m、菊花賞での成績。
2017年の菊花賞は不良馬場での開催で、不良馬場での芝3000mという、ちょっと特殊なレース設定ということで、ここでは言及は避けることにする。
では、芝3000mで3着に好走している馬が、芝の2500mではさっぱりなのはなぜか?
これは、このあとにも触れるポポカテペトルのレースペース適正と大きく関係している。
詳細はあとで述べるとして、ここでは、ポポカテペトルは2500mという距離自体は、別段適性がないというわけではない、ということだけ記しておくこととする。
というわけで、ポポカテペトルの芝での適正距離は、2200~2500mとしておく。
ポポカテペトルの好走パターン
ポポカテペトルの適正距離、芝の2200~2500mでの脚質は、ほとんどが4角4番手以内。つまり比較的前目につけて押し切る競馬だ。
ではポポカテペトルは、どのような展開で好走しているのか?
レースペース
ポポカテペトルが芝の2200~2500mで3着以内に好走したレースの、前後半1000mのレースペースを調べてみた。
着順 | 前1000m | 後1000m | 前後半差 ペース | |
---|---|---|---|---|
ゆきやなぎ賞(500万) | 1着 | 64.7秒 | 58.9秒 | -5.8秒 超スロー |
阿賀野川T(1000万) | 1着 | 60.6 | 59.0 | -1.6 スロー |
尼崎S(1600万) | 2着 | 63.2 | 58.4 | -4.8 超スロー |
烏丸S(1600万) | 1着 | 62.5 | 58.2 | -4.3 超スロー |
日本海S(1600万) | 1着 | 63.3 | 58.3 | -5.0 超スロー |
このように、ポポカテペトルの好走条件は、スロー、それも超スローのレースに集中している。
では、3着以下に敗れたレースのペースはどうなのか?
着順 | 前1000m | 後1000m | 前後半差 ペース | |
---|---|---|---|---|
青葉賞(3歳G2) | 4着 | 59.7秒 | 59.2秒 | -0.5秒 ミドル |
木曽川T(1000万) | 5着 | 60.9 | 59.8 | -1.1 スロー |
グレイトフルS(1600万) | 14着 | 61.3 | 60.8 | -0.5 ミドル |
早春S(1600万) | 5着 | 62.2 | 59.5 | -2.7 スロー |
目黒記念(G2) | 4着 | 61.3 | 58.3 | -3.0 スロー |
目黒記念(G2) | 12着 | 59.4 | 59.1 | -0.3 ミドル |
アルゼンチン共和国杯(G2) | 6着 | 62.2 | 57.9 | マイナス4.3 スロー |
7戦中3戦がミドルペース。
あとの4戦はどれもスローだが、着順は僅差(それぞれ上から0.2秒差、0.3秒差、0.2秒差、0.4秒差)となっている。
やはりこの馬は、ペースが遅ければ遅いほど着順を上げているということになる。
そして面白いことに、この芝の2200~2500mでスローペースにも関わらず3着以下に敗れたレース、その走ったコースの内訳は;
東京競馬場:2戦
中京競馬場:1戦
となっている。
左回りが苦手? というわけではない。
それでは?
ここからはポポカテペトルのコース適正について記していく。
コース
ポポカテペトルは左回りが苦手なわけではない。この馬は新潟競馬場でもすでに2勝を上げている。
それではさっき示した芝2200~2500mで3着以下に敗れたレースとそのコースにはどのような因果関係があるのか?
これは、芝2200~2500mで3着以内に入ったレースとそのコースを見れば分かりやすい。
新潟内回り:2戦(直線距離:359m)
京都外回り:1戦(399m)
阪神内回り:1戦(357m)
阪神外回り:1戦(474m)
この中の阪神外回りでの1勝は、3歳500万下の1戦で、相手関係が手薄だったと考えると、ポポカテペトルの好走したコースのほとんどが、最後の直線が400m以下のコースということになる。
ポポカテペトルが芝2200~2500mでスローぺスにも関わらず3着以下に敗れたレース、その走ったコースの内訳をもう一度;
東京競馬場:2戦(直線距離:526m)
中京競馬場:1戦(412.5m)
まあ、中京コースは微妙だが、ポポカテペトルが苦手とするコース形態の輪郭はつかめたと思う。
- 適正距離は2200~2500m
- ペースは遅ければ遅い方が良い。速くなるとミドルペースでも失速の可能性。
- 最後の直線は、どちらかと言えば短い方がベター
これが現状でのポポカテペトルの好走条件と考える。
ポポカテペトルの近走診断
2018年5月 目黒記念(G2) 4着(0.2差)
当サイトが不向きと定義した直線の長い東京芝2500mだが、前後半1000mのペースバランスが-3.0のスローぺスだったこともあり、0.2差の4着に健闘。
1600万下から昇格してきた勢いにまだ衰えはないだろう。
2018年8月 日本海S(1600万下) 1着
降級初戦をきっちりと勝ちきる。
新潟内回りの芝2200m。前後半1000mのペースバランスは-5.0の超スロー。ポポカテペトルにとってはおあつらえ向きの勝ちパターン。
好調は維持。
2019年5月 目黒記念(G2) 12着(5.2差)
およそ9ヵ月の休み明け。
4角過ぎまで良い手応えも、直線に入ってバッタリ。というか、鞍上のデムーロジョッキーも全く追う素振りを見せない。
「道中かかってしまって直線では力が出せなかった」みたいなコメントが陣営からは出ているが、それにしては負け方が悪すぎる。
2019/7/14 函館記念(G3)函館芝2000m
着順:10着(1.4差) 騎手:岩田康誠(55キロ)
位置取りがこの馬にしては後ろになった。
併せてペースも少し流れる展開。
2000mは大して得意な距離でもないだけに、ここまで不利な条件が揃えば、この着順もやむなし。
19/11/3 アルゼンチン共和国杯(G2・ハンデ)
東京 芝2500m 良 13頭
着順:6着(2.31.9・0.4差)
騎手:北村宏司(55キロ)
道中は5番手、レース中盤はペースが緩んでこの馬向き。
4角7番手で直線に向くき、先頭に迫る見せ場も作るが、ゴールまであと少しのところで失速。
展開自体はこの馬向きだったが、東京の直線はこの馬にとってはやはり長い。
20/2/22 ダイヤモンドS(G3・ハンデ)
東京 芝3400m 良 16頭
着順:11着(3.34.2・3.0差)
騎手:北村宏司(55キロ)
このレースにしては珍しく、中盤からペースが急激に速くなった。
道中は中団の前で追走していたポポカテペトルだが、やはりこの激流では息がもたない。
直線では早々に一杯になった模様。
ポポカテペトルの次走
次走は東京競馬場 芝2500mで行われる「目黒記念(G2・ハンデ)」。
ペースが緩むと前々で粘り込む力はあるが、それにしても東京コースでは難しいだろう。