2020年3月7日【オーシャンS】終了時点までのデータをもとに、ナックビーナスの好走パターンを分析。(ダートは除く)
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ナックビーナスの距離適性
ナックビーナスはこれまでに、芝1000m~芝1600mまでの距離に使われてきた。
各距離の着度数は次の通り;
- 芝1000m(0-1-0-0)
- 芝1200m(6-8-3-8)
- 芝1400m(1-0-0-1)
- 芝1600m(0-1-2-1)
出走数が圧倒的に多い芝1200mに適性がありそうだが、詳細はどうか。
芝1000m
これまでに新潟1000直のOP特別に一度だけ参戦して、0.1差の3着。
適正はありそうなので、出走数を増やせば、勝ち鞍が増える可能性はありそうだ。
芝1200m
G1高松宮記念記念で3着が1回。その他G3のレースでは1着が1回、2着が4回、3着が2回と、上のクラスで安定的な成績を残している。
適正能力はそうとう高そう。
芝1400~1600m
芝1400mは、OP特別を軽ハンデで1勝。あとはG3のレースで7着が1回。
芝1600mは下級条件で2着が1回、3着が2回。
陣営があまり使っていないところを見ても、適正があるとは言えないだろう。
ナックビーナスの脚質
ナックビーナスの好走時の脚質は、「逃げ」「先行」が多い。
基本的に切れる脚はないので、前目の位置にポジションを取って、粘り込むのが必勝パターンと思われる。
一旦先手を取れば、少々のハイペースではへこたれないスピード持続力を持っている。
ナックビーナスのペース適正
先ほども触れたが、ナックビーナスはハイペースに強い。
これは、ハイペースで先団がバテたところを後方から強襲するという競馬ではなく、自らがハイペースで逃げる、もしくは先団に位置し、そのまま粘り込むという強い競馬だ。
ナックビーナスはこの競馬ができるので、ペースに順位を左右されることは少なく、芝1200mでは、負けても僅差の競馬が多い。
ハイペースの展開で前目の位置にいれば、得意の競馬場(後述)なら勝ち負けの可能性は高い。
ナックビーナスのコース適正
ナックビーナスの各競馬場における成績は次の通り、芝1200mの成績だけを抜き出している;
- 札幌(1-0-1-2)
- 函館(0-0-1-0)
- 福島(1-0-0-0)
- 新潟(0-1-0-0)
- 中山(3-6-1-1)
- 中京(0-0-1-2)
- 京都(1-0-0-3)
- 阪神(0-1-0-0)
- 香港(0-0-0-1)
中山競馬場での好走が目立つ。
これは、ナックビーナスに急坂を苦にしないパワーが備わっているからだと見る。
ナックビーナスの持ち時計(ベストタイム)
ナックビーナスの芝1200mでベストタイムは;
- カーバンクルS(OP)中山芝1200:1.07.2 2着(0.2差)
かなり優秀な時計で、このレースもハイペースの2番手追走から粘り込んでいる。
しかもこのレースでは牝馬ながら58キロの斤量を背負っての2着で価値がある。
ただ、ナックビーナスが1分7秒台の時計を出せるのは、どういうわけか中山競馬場だけ。
その他の競馬場では、3歳時に走って勝った「葵S(OP・京都芝1200m)」の1.07.9が最高。
それ以外はすべて1分8秒台、1分9秒台。
ナックビーナスの重馬場適正
ナックビーナスの稍重も含めた道悪競馬での実績は;
- 稍重(2-1-0-5)
- 重(0-1-0-0)
基本的には苦にしないと見る。
ナックビーナスの枠順適正
ナックビーナスは前目の脚質なので、やはり枠順は内目の枠が欲しいところ。
データ的には外枠で好走しているレースもあるが、やはり大事なレースでは中枠以内にとどめたい。
ナックビーナスのリピート性
ナックビーナスの特長として挙げられるのがリピート性。
一度好走したレースは再度好走する確率が高い。
ラピスラズリS(OP)中山芝1200m
- 2016年 2着
- 2017年 2着
- 2019年 1着
カーバンクルS(OP)中山芝1200m
- 2017年 1着
- 2018年 1着
- 2019年 2着
オーシャンS(G3)中山芝1200m
- 2017年 2着
- 2018年 2着
- 2019年 2着
- 2020年 2着
キーンランドC(G3)札幌芝1200m
- 2017年 3着
- 2018年 1着
- 2019年 5着
ナックビーナスの近走診断
19/8/25 キーンランドC(G3)
札幌 芝1200m 稍重 16頭
着順:5着(1.09.6・0.4差)
騎手:岩田康誠(55キロ)
1枠1番からハナに立つが、同じく逃げ脚質のライオンボスに外ピッタリにつけられる。
そのためペースが上がって前半3Fは33.2秒。
直線も残り100mまでは軽快ににげたが、ゴール前すんでのところで後続に呑み込まれた。
ハイペース巧者のナックビーナスでも、札幌コースでこのペースはちょっと速すぎだろう。
最後の1Fも12.5秒を要した。
19/12/1 ラピスラズリS(L)
中山 芝1200m 良 9頭
着順:1着(1.08.5・0.4差)
騎手:田辺裕信(58キロ)
7枠7番からハナに立ち、前半3Fは35.1秒のスロー。
このクラスでこのペースなら、直線楽に抜け出して、後続に2馬身半つける圧勝。
別定重量58キロを背負っていたが、関係なし。
19/12/1 タンザナイトS(ハンデ)
阪神 芝1200m(内)良 16頭
着順:2着(1.08.7・0.1差)
騎手:武豊(56キロ)
5枠9番からハナに立ち、前半3Fを34.1秒のマイペースで逃げる。
残り200mで後続を突き放したかのように見えたが、大外から飛んできたジョイフルの33.5秒の末脚に屈する。
ハンデ差はあったが、ジョイフルの末脚を褒めるしかない。
20/3/7 オーシャンS(G3・ハンデ)
阪神 芝1200m(内)良 16頭
着順:2着(1.07.6・0.2差)
騎手:横山典弘(54キロ)
5枠10番から、内でハナを主張するエンゲルヘンにハナを譲って2番手で追走。
前半3Fは33.1秒と締まったラップ。
ナックビーナスは4角を回って直線に向くと、すぐさま抜け出して先頭に立ち、残り100mあたりまではなんとか粘るが、ゴール前はダノンスマッシュの末脚にあっさり屈し、このレース4年連続の2着。
ここはやはり力の差、仕方ない。
ナックビーナスの次走
次走は中京競馬場 芝1200mで行われる「高松宮記念(G1)」。
2018年にはこのレースで3着に入っているが、得意の好走リピートは出来ていない。
しかし前走も3着のタワーオブロンドンには3馬身つけており、まだまだ力は衰えていない。
なにかのはずみで上位に食い込んで来るチャンスは十分にある。