2022年8月21日【札幌記念】終了時点までのデータをもとに、グローリーヴェイズの好走パターンを分析。

グローリーヴェイズの距離適性

グローリーヴェイズはこれまでに、芝1600m~芝3200mまでの距離のレースに使われてきた。

各距離の着度数は次の通り;

  • 芝1600m(0-1-0-0)
  • 芝1800m(1-1-0-0)
  • 芝2000m(1-1-0-2)
  • 芝2200m(0-0-1-2)
  • 芝2400m(4-0-0-3)
  • 芝3000m(0-0-0-1)
  • 芝3200m(0-1-0-0)

マイルから中距離、長距離と、どんな距離でも一通りこなすが、おそらく適距離は2400m前後。

グローリーヴェイズの脚質

マイルから中距離、長距離と、どんな距離でも一通りこなしてしまうグローリーヴェイズだが、連対したレースでは基本的に、4角は先団に取り付いている。

スタートから先団にポジションを取るもよし、スタートは中団からでも、3角あたりから押し上げて4角で先団に取り付くのもよし。

直線で切れ味を見せるのではなく、一定のスピードを持続する競馬が、この馬にとってのベストのかたち。

上りがかかる展開でも、スタミナで押し切る力はあるが、速い時計、速い上りなどでは後手を踏む印象。

グローリーヴェイズの持ち時計(ベストタイム)

グローリーヴェイズの各距離でのベストタイムは次の通り;

  • 芝1600m:1.37.8 2着(アタマ差・中京)
  • 芝1800m:1.48.8 2着(ハナ差・京都)
  • 芝2000m:1.56.6 1着(-0.2差・新潟)
  • 芝2200m:2.11.4 4着(0.4差・京都)
  • 芝2400m:2.23.3 5着(0.3差・東京)
  • 芝3000m:3.06.6 5着(0.5差・京都)
  • 芝3200m:3.15.0 2着(クビ差・京都)

芝1600m~1800mは、2歳もしくは3歳の早い時期に出走したレースで、時計的には平凡なもの。

しかし、3歳夏に計時した、芝2000mの1.56.6はかなり速い時計。但しこれは開幕週初日の新潟コースで、しかもハンデ戦で斤量は54キロ。

2200m以上に目を向けると、自己ベストでの着準はあまりよくない。

時計が速くなりすぎると苦しくなると言うデータ。

グローリーヴェイズの重馬場適正

グローリーヴェイズの稍重も含めた道悪競馬での実績は;

  • 稍重(0-0-0-1)
  • 重(0-0-0-1)
  • 不良(未)

稍重の「宝塚記念」は大敗だが、重馬場の「金鯱賞」は0.1差の4着。

ポイントは「宝塚記念」が開催8日目なのに対して、「金鯱賞」は開催2日目。

綺麗な馬場なら多少渋っても問題ないが、荒れた道悪は苦手、と言う推論。


グローリーヴェイズのコース適正

グローリーヴェイズの競馬場ごとの着度数は次の通り;

  • 札幌(0-0-0-1)
  • 新潟(1-0-0-0)
  • 東京(0-0-0-1)
  • 中山(1-0-1-0)
  • 中京(0-1-0-1)
  • 京都(2-2-0-3)
  • 阪神(0-0-0-1)
  • 香港(2-1-0-0)
  • ドバイ(0-0-0-1)

グローリーヴェイズは美浦厩舎の所属馬だが、どういうわけか京都競馬場への出走数が群を抜いて多い。

阪神ではなく京都を選んでいるあたり、偶然なのか?それとも急坂に不安があるのか?

しかし直線急坂のある中山、中京では良績を残している。

ただ、中山、中京のレースは、相手関係が手薄な2歳条件戦でのもので、走破時計も平凡以下。

その後のデビュー2戦目以降は、8戦連続で直線平坦の競馬場。

そして9戦目は阪神競馬場での「宝塚記念」。

5.3差の17着と大敗しているが、これは道悪が影響している可能性も高いが、急坂も?

単純に、直線平坦、直線坂有り、に分けると(OPクラス);

  • 平坦:(4-3-0-5)
  • 坂:(0-0-1-3)

まあ、そういうことだろう。

グローリーヴェイズの枠順適正

グローリーヴェイズの枠番別着度数は;

  • 1~4番(2-1-0-3)
  • 5~9番(3-3-0-2)
  • 10~14番(1-0-1-0)
  • 15~18番(0-0-0-3)

「脚質」の項でも触れたが、グローリーヴェイズは前目にポジションを取っての持続力勝負に秀でていると思われる。

なので、先団に取り付くのに要らない脚を必要とする外目の枠は、基本的にはNGだと思う。

グローリーヴェイズの鉄砲実績(休み明け)

グローリーヴェイズの10週(中9週)以上の休み明けでの成績は;

  • 10週以上(4-2-1-7)

叩いてからは;

  • 2戦目(1-2-0-1)
  • 3戦目(未)
  • 4戦目(未)
  • 5戦目~(未)

グローリーヴェイズの斤量別着度数

  • 54キロ(2-0-0-0)
  • 55キロ(1-1-0-0)
  • 56キロ(0-1-0-1)
  • 57キロ(2-1-1-6)
  • 58キロ(1-1-0-1)

グローリーヴェイズの連対体重

  • 432~464キロ

グローリーヴェイズの血統背景

父はディープインパクト(サンデー系)。

母は短距離で準OPまで勝ち上がったメジロツボネ

母の父はスウェプトオーヴァーボード(ミスプロ系フォーティーナイナー)。

スウェプトオーヴァーボードは米国で走り、ダート1200m、ダート1600mのG1をそれぞれレコード勝ちで勝利。

グローリーヴェイズの近走

18/10/21 菊花賞(G1) 京都芝3000m

着順:5着(0.5差)騎手:福永祐一(57キロ)

前目のポジションで競馬を進めたいグローリーヴェイズにとって、大外18ゲートからのスタートはやっぱり痛かった。

せめてもうあと少し内目の枠なら、0.5差も違った結果になっていただろう。

19/1/13 日経新春杯(G2)京都芝2400m

着順:1着(-0.1差)騎手:M・デムーロ(55キロ)

ハイペースの展開を中団につけて、終始内々の経済コース。

4角も内から直線を向いて、残り200mから抜け出して、後続を寄せ付ず快勝。

レースの上りは37.7秒。

内枠の利もあったが、スタミナを生かした強い競馬で重賞初勝利。

19/4/28 天皇賞・春(G1)京都芝3200m

着順:2着(クビ差)騎手:戸崎圭太(58キロ)

「菊花賞」とは打って変わって内目の7番ゲートから、スタートを決めて中団に控える。

1番人気フィエールマンを前に見るかたちで競馬を進め、向正面でフィエールマンが動くと、同じように後に続く。

3角過ぎてフィエールマンが先団へ進出するとグローリーヴェイズもその後へ。

4角過ぎて直線に向くと、フィエールマンとグローリーヴェイズが並んで追い比べ。

ゴール前まで続いた追い比べを制したのはフィエールマン。菊花賞馬の意地を見せる。

クビ差で2着のグローリーヴェイズも大健闘。

19/10/6 京都大賞典(G2)

京都 芝2400m 良 17頭

着順:6着(2.24.3・0.8差)

騎手:M・デムーロ(57キロ)

8枠16番から果敢に先団に取り付いて行く。

道中は3~4番手で追走、4角も先団5~6番手で直線。

しかし直線では早々に失速。

休み明けで外枠からのスタートが応えたか。

19/12/8 香港ヴァーズ(G1)

シャティン競馬場 芝2400m 良

着順:1着(2.24.7・-0.6差)

騎手:モレイラ(57キロ)

道中は中団。

3~4角で順位を上げて、直線入口では内に切れ込んで伸びた。

香港のレースなのでペースなどは分からないが、2着のラッキーライラックに3馬身半つける圧勝。

天皇賞でクビ差の2着はダテではない。

20/6/28 宝塚記念(G1)

阪神 芝2200m 稍重

着順:17着(2.18.8・5.3差)

騎手:レーン(58キロ)

2枠3番からの発走も、スタート遅れて先手は取れずに後方から。

3角を過ぎて順位を上げて行き、4角は8番手の外で直線に向くが、直線ではバッタリ。

稍重発表だが、かなり重たい馬場になっていた当日の馬場も応えたと思うが、体重もプラス14キロで、やはりドバイでの一頓挫が影響していた様子。

参考外で良いのではないか。

2020年 宝塚記念(G1)のラップ分析&回顧

20/10/11 京都大賞典(G2)

京都 芝2400m 稍重

着順:1着(2.25.6・-0.1差)

騎手:川田将雅(58キロ)

道中は先団4~5番手。

4角5番手で直線に向くと、直線は馬場の外目をしっかりと追い上げ、キセキの追撃を3/4馬身交わしてゴール。

斤量58キロで、道中は好位からの横綱相撲。

得意の京都で、このクラスでは力は上。

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20/11/29 ジャパンカップ(G1)

東京 芝2400m 良

着順:5着(2.23.3・0.3差)

騎手:川田将雅(57キロ)

道中は先団につけ、直線も早めに抜け出して勝ちに行ったが、ゴール前で甘くなった。

上位5頭の中でこの馬だけが大外の15番ゲート。あとはみんな6番以内。

着差を考えるとこの差も大きいような気もするが、ともかくこの馬も力は出し切った。

現時点では最高の競馬だっただろう。

2020年 ジャパンカップ(G1)のラップ分析&回顧

21/3/14 金鯱賞(G2)

中京 芝2000m 重

着順:4着(2.01.9・0.1差)

騎手:川田将雅(57キロ)

道中は前目の3番手。

直線はポタジェと一緒に伸びて来るが、ゴール前ハナ差競り負けての4着。

「香港ヴァーズ」を勝っているG1ホースとしては、たとえ斤量が1キロ重くても、ポタジェに競り負けてはダメ。

この敗戦の敗因は「馬場」なのか「斤量」なのか、「休み明け」なのか?

「直線急坂」と言う線も大いにあるとは思う。

2021年 金鯱賞(G2)のラップ分析&回顧

21/4/25 クイーンエリザベス2世カップ(G1)

シャティン競馬場 芝2000m 良

着順:2着(2.01.3・0.1差)

騎手:ティータ(57キロ)

小頭数7頭立ての競馬。

スタートは少し出遅れた感じで、道中は後方6番手。

4角は一団となった6番手の外。

直線は馬群の外からグイグイと追い込んで、ゴール前デアリングタクトは交わしたが、ラヴズオンリーユーには約1馬身及ばずの2着。

外枠から出遅れたのが痛かったか?

55.5キロのラヴズオンリーユーを交わせなかったのはちょっと物足りない。

やはりこの馬はもう少し距離があった方が良いのかも。

21/9/26 オールカマー(G2)

中山 芝2200m 良

着順:3着(2.12.2・0.3差)

騎手:M・デムーロ(57キロ)

【レース前寸評】

当然このメンバーなら実力上位なのだろうが、中山コースと言うのがイマイチ信用ならない。

上位に食い込んではきても、取りこぼしがあるかもしれない。

【結果】

スタートで出遅れて道中は後方、15番手から。

しかし3角手前、馬群の外からかなり早めの進出を見せ、3角4番手、4角は3番手で直線。

直線は先に抜け出していたレイパパレを坂の途中で捉えたが、それと同時にウインマリリンに内をすくわれ、外からはウインキートスに交わされて3着。

出遅れはしたが、早め進出から見せ場は作った。

坂でウインの2頭に交わされたのは、早仕掛けのためか? それとも以前から指摘している急坂の不安か?

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21/12/12 香港ヴァーズ(G1)

沙田 芝2400m 良

着順:1着(2.27.0・0.2差)

騎手:モレイラ(57キロ)

序盤は最後方の最内、中盤からは一頭交わして7番手の最内を追走。

4角は後方7番手から外に進路を取って直線。

直線は馬群の大外から追い上げに入り、ジワジワと先頭との差を詰めて行って、残り100mで並びかけると、そのまま交わしてゴール。

後方一気が見事に決まったかたちだが、レースのレベル的には?がつくのではないか。

いずれにしてもこの馬、沙田コースは得意そう。

22/3/26 ドバイシーマクラシック(G1)

メイダン 芝2410m 良

着順:8着

騎手;スミヨン(57キロ)

道中は中団のやや後ろ、9番手あたりの最内を追走。

4角も同じような位置取りで直線に向き、直線は馬場の内目から追い上げに入り、残り200mあたりでは先頭集団を捉えようかという勢いはあったが、残り100mあたりで伸びを欠いて8着どまり。

コメントを見てみると、道中はかなり緩い流れだったようす。

最後は切れ負けしたのかもしれない。

2022/8/21 札幌記念(G2)

札幌 芝2000m 良

着順:6着(2.01.8・0.6差)

騎手:ルメール(57キロ)

【レース前寸評】

札幌コースは初参戦だが、洋芝の平坦コースは得意なはず。良い勝負になりそう。

【結果】

道中は中団8番手あたりを追走。

4角は7番手で直線に向き、直線は馬群の外目から追い上げに入るが、伸びずバテずの6着まで。

敗因は距離、休み明けなど、いろいろ考えられるが、個人的にはこのタフな馬場が走り辛かったのだろうと思う。

この馬、「宝塚記念」の大敗でも分かるように、タフな馬場は苦手。

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