2020年11月29日【ジャパンカップ】終了時点までのデータをもとに、クレッシェンドラヴの好走パターンを分析していきます。(※芝レースのみ)
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クレッシェンドラヴの距離適性
クレッシェンドラヴはこれまでに芝2000m~芝2600mまでの距離のレースに使われてきた。
各距離の着度数は次の通り;
- 芝2000m(4-2-0-3)
- 芝2200m(2-0-1-3)
- 芝2400m(0-0-1-2)
- 芝2500m(0-1-0-1)
- 芝2600m(1-1-0-1)
芝2000m(3-2-0-3)
古馬になってからは福島記念(G3)を含む4勝、2着が2回と安定した成績を残している。
現状ではこの距離が適距離と考えて間違いないだろう。
芝2200m(2-0-1-3)
この距離で3着以内を外したのは、3歳時の菊花賞トライアル「セントライト記念(G2)」と「オールカマー(G2)」。
2勝の勝ち鞍はどちらも下級条件戦でのもの。
3着に入ったのは1600万条件。
条件さえ整えば(後述)、この距離も芝2000m同様走ってきそう。
芝2400m~2600m(0-0-1-2)
芝2400mは下級条件で3着が1回。
芝2500mは下級条件で2着が1回。
芝2600mは下級条件で1着と2着。
1600万条件、そしてOP昇格後でこれらの距離を使ったのは2020年の「ジャパンカップ」。
結果は2.3差の13着。
クレッシェンドラヴの脚質
クレッシェンドラヴの脚質は主に、中団~後方あたりで折り合いをつけて、早めの仕掛けで先団に進出。そして直線で追い上げるマクリ気味の競馬。
一瞬の切れ味勝負では分が悪いので、長く良い脚を使ったスピード持続力がこの馬の持ち味。
速い時計、高速馬場では苦戦を強いられるが、時計のかかる馬場、上りのかかる展開などでは本領を発揮する。
クレッシェンドラヴの持ち時計(ベストタイム)
- 芝2000m:1.58.7 2着(0.1差・福島)
- 芝2200m:2.12.5 5着(0.5差・中山)
- 芝2400m:2.25.3 13着(2.3差・東京)
- 芝2500m:2.32.4 4着(0.7差・中山)
- 芝2600m:2.40.3 2着(0.1差・福島)
芝2000mに関してはそこそこ速い時計で2着に入っているが、このタイムを計時したのはハンデ戦で54キロの軽ハンデをもらっていたことも考慮に入れなくてはならない。
芝2000m以外の距離になると、クラス平均にしても別段速い時計ではなく、速い時計になると着順を落としている。
これらのことから、クレッシェンドラヴに関しては、開幕週の速い馬場や高速馬場では、多少割り引いて考える必要がありそう。
クレッシェンドラヴのコース適正
クレッシェンドラヴの競馬場ごとの着度数は次の通り;
- 函館(1-0-0-1)
- 福島(2-3-0-0)
- 新潟(0-0-1-0)
- 東京(0-0-0-4)
- 中山(4-1-1-5)
中山競馬場での強さが目を惹くが、中山競馬場で3着以内を外している5鞍中4鞍は、中山競馬場が100%野芝になって高速馬場化する9月のレース。すなわち;
秋の中山、9~10月で見ると、(0-0-0-4)。
逆に冬場の中山、12~2月で見ると、(3-0-1-1)。
クレッシェンドラヴを中山競馬場で狙い撃つ際は要注意。
他には、左回りが(0-0-1-3)。
3歳の秋以降使われていないことからも、苦手なのは間違いなさそう。
あとは、関西方面への長距離輸送が全くないのは気になる。
これだけのキャリアがあって、関西への輸送がゼロと言うのは、「何か問題がある」と考える方が自然。
クレッシェンドラヴの重馬場適正
クレッシェンドラヴの道悪競馬の実績は;
- 稍重(0-1-0-2)
- 重(2-0-0-0)
重馬場で勝利したのは2020年の「七夕賞」と500万条件戦、500万条件戦は洋芝の函館競馬場。2着馬との着差は2馬身(0.3差)。
500万下のレースではあるけれど、洋芝の重馬場で、2着馬に2馬身の差をつけて勝つところに、クレッシェンドラヴの重馬場適正の高さの一端がうかがえる。
クレッシェンドラヴの鉄砲実績(休み明け)
クレッシェンドラヴの10週以上(中9週)の休み明けでの成績は次の通り;
- 10週以上(5-2-0-3)
叩いてからは;
- 2戦目(1-2-2-2)
- 3戦目(0-0-0-2)
休み明けは走る。
クレッシェンドラヴの斤量別着度数
- 54キロ(0-2-1-0)
- 55キロ(1-1-0-2)
- 56キロ(2-1-0-5)
- 57キロ(4-0-1-3)
斤量は多少重くても関係ない。
クレッシェンドラヴの枠順適正
クレッシェンドラヴの枠番別着度数は;
- 1~4番(1-2-1-3)
- 5~9番(2-1-0-5)
- 10~14番(4-0-1-3)
- 15~18番(0-1-0-0)
クレッシェンドラヴの季節別着度数
- 12~2月(冬):(3-0-1-3)
- 3~5月(春):(1-2-0-0)
- 6~8月(夏):(2-2-1-1)
- 9~11月(秋):(1-0-0-7)
クレッシェンドラヴの好走体重
3着以内の体重は;
- 484~498キロ
クレッシェンドラヴの血統背景
父はステイゴールド(サンデー系)。
母の父がサドラーズウェルズ(ノーザンダンサー系)。
5代血統内のクロスは;
- ノーザンダンサー 15.63% 5 x 3
- ヘイルトゥリーズン 9.38% 4 x 5
- アルマームード 6.25% 5 x 5
父、母方ともにちょっと重め。軽い芝が向かないのはそのためだろう。
クレッシェンドラヴの近走
19/3/24 美浦S(1600万下)中山芝2000m
着順:1着(クビ差)騎手:内田博幸(57キロ)
スタートが決まらず後方からも、3角手前から進出開始。
4角は大外を回って直線を向き、坂下からグングン伸びてゴール前できっちり捉えた。
早めの仕掛けで坂を味方にグングン伸びる。
クレッシェンドラヴの強さが凝縮された1鞍。
19/4/14 福島民報杯(OP)福島芝2000m
着順:2着(0.1差)騎手:内田博幸(54キロ)
スタート決まらず後方から。
しかし1000m付近ですでに進出を開始して、3角では4番手、4角では2番手で直線へ。
最後はレッドローゼスと併せ馬の状態から半馬身だけ先着を許した。
早めに仕掛けた分最後は差されたが、それでもこの粘り腰は評価できる。
前走に続いて強い内容。
19/7/7 七夕賞(G3)福島芝2000m
着順:2着(0.1差)騎手:内田博幸(55キロ)
いつものようにスタートは決まらず後方から。
そしてまたいつものように3角手前から早めの仕掛け。
直線を向いて先に抜け出していたミッキースワローとの差をグングン縮めて、3/4馬身まで追い詰めたところがゴール。
同じ5歳のミッキースワローとのハンデ差は2.5キロ。
まだまだ力の差はありそうだが、この競馬を続けていけば、追いつける日はそう遠くなさそう。
19/9/22 オールカマー(G2)中山芝2200m
着順:5着(0.5差)騎手:内田博幸(56キロ)
クレッシェンドラヴが苦手とする9月の野芝100%の中山で、おまけにこの週はCコースへのコース替わり。
勝ち時計自体は2.12.0とそんなに速いものではなかったが、レースの上り時計は34.0秒。
これではクレッシェンドラヴの出番はない。
19/11/10 福島記念(G3)福島芝2000m
着順:1着(-0.2差)騎手:内田博幸(55キロ)
中団からの早めのスパートで4角では3番手。
直線も芝の外目からきっちり抜け出して快勝。
福島はこれで(1-3-0-0)。
20/1/5 中山金杯(G3・ハンデ)
中山 芝2000m 良 17頭
着順:7着(1.59.9・0.4差)
騎手:内田博幸(57キロ)
出遅れたわけではないが、行き脚がつかずに後方から。
後方からでも、調子の良いときは3角手前からマクッて行くのだが、今回は鞍上も「フワフワした感じでなかなか進んで行きませんでした」とコメントしている。
直線は馬場の外を鋭く伸びてきているので、「不調」というわけではなさそうだが、「有馬記念」除外からのスライドなど、イマイチ調整が万全ではなかった可能性はある。
20/7/12 七夕賞(G3・ハンデ)
福島 芝2000m 重
着順:1着(2.02.5・-0.2差)
騎手:内田博幸(57キロ)
道中は中団の後ろ、3角を過ぎてスパート開始。
4角では先団に取り付いて、そのまま押し切る必勝パターン。
福島ではだいたいこのパターンで好走。
レースの上りが37.3秒とかかったのも良かった。
20/9/27 オールカマー(G2)
中山 芝2200m 稍重
着順:4着(2.15.8・0.3差)
騎手:内田博幸(56キロ)
小頭数の先団で追走。
しかしペースは超スロー。
上りはこの馬もしっかり脚を伸ばしているが、決め手勝負では分が悪い。
20/11/29 ジャパンカップ(G1)
東京 芝2400m 良
着順:13着(2.25.3・2.3差)
騎手:内田博幸(57キロ)
道中は先団の後ろあたり。
位置取りとしては勝ったアーモンドアイの外。
4角も4番手で直線に向くが、直線ではまったく伸びを欠いた。
コース、距離ともに不向きな条件。
クレッシェンドラヴの次走
次走は12月27日(日)、中山競馬場 芝2500mで行われる「有馬記念(G1)」。
距離は微妙だが、冬の中山は(3-0-1-1)。
おそらくまったく人気はしないだろうが、△の末席くらいになら・・・。