ファントムシーフのキャリアはまだ浅いので、近走のみを振り返る。
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ファントムシーフの近走
22/12/28 ホープフルS(G1)
中山 芝2000m 良
着順:4着(2.01.7・0.2差)
騎手:福永祐一(55キロ)
スタート出遅れるも、1番ゲートを利して、道中は中団7番手の最内。
4角も6番手の最内で直線に向き、直線は馬群の中ほどを突いて伸びてはくるが、0.2差の4着まで。
出遅れて位置取りを下げたのが痛かった。
23/2/12 共同通信杯(G3)
東京 芝1800m 良
着順:1着(1.47.0・-0.2差)
騎手:ルメール(56キロ)
スタートよく飛び出して、内からハナを主張するキョウエイブリッサを制して先頭に立つ。
しかしその外からかかり気味にタッチウッドが追い抜いて行き、ファントムシーフは控えて2番手追走。
4角も2番手で直線に向き、直線は逃げ粘るタッチウッドを1馬身差でしっかりと追走。
坂を上って残り200m、ゴール前でタッチウッドがやや甘くなったところをしっかり交わしてゴール。
中盤で少し緩んだものの、残り600mはほぼ11.3秒のラップで押し通していたのではないか?
序盤の速いラップを考慮に入れても、SPの持続力とスタミナに秀でていそうな走り。
23/4/16 皐月賞(G1)
中山 芝2000m(内)重
着順:3着(2.01.1・0.5差)
騎手:ルメール(57キロ)
道中は控える競馬を選択。ポジションは中団10番手の外目。
4角も10番手の大外で直線に向き、ビュンとは伸びないものの、ジワジワと伸びてきて3着は確保。
この馬の場合、ポジションはもう少し前の方が力は出せそう。
ただ、向正面で後ろ脚を落鉄していたようで、それが走りに影響した可能性はある。
地力のあるところは十分に見せた。
23/5/28 日本ダービー(G1)
東京 芝2400m 良
着順:8着(2.25.6・8差)
騎手:武豊(57キロ)
道中は中団の後ろ、10番手あたりを追走。
4角は9番手の大外で直線に向き、直線は馬群の外目から追い上げを計るが、伸びずバテずの8着。
展開も向かなかったが、この馬は後ろから追い上げる馬ではないと思う。
「皐月賞」では展開がはまったが、基本的には前々から持続力を生かす馬ではないか?
⇒2023年 東京優駿(日本ダービー・G1)のラップ分析&回顧
23/9/24 神戸新聞杯(G2)
阪神 芝2400m(外)良
着順:2着(2.23.5・アタマ差)
騎手:武豊(56キロ)
5枠7番からハナへ。
前半1000m通過は61.2秒。
良好な馬場状態ということで、馬の体感的にはスローのマイペースだろう。
しかしその分残り1000mから徐々にペースを上げて、残り600mからは10.7-10.9の脚で後続を引き離しにかかるが、後続もまだまだ脚が残っていた感じ。
結果、坂の上りで脚が上がってしまった格好だが、基本的にスローの末脚勝負には向かない馬だと思うので、残り1000mからのスパートは大正解。
馬場がもう少し力のいる馬場だったなら、粘り切っていた可能性もある。
23/10/22 菊花賞(G1)
京都 芝3000m(外)良
着順:9着(3.04.3・1.2差)
騎手:武豊(57キロ)
外枠15番から、道中は中団の前、6番手を追走。
4角は5番手の外で直線に向き、直線は馬群の外目から追い上げに入るが、直線では伸びを欠いた。
良い感じで直線には向いたが、直線で失速。
距離が長そう。
ファントムシーフの脚質
「ホープフルS」では出遅れたが、基本的にはスタートは速く、容易に前々のポジションは取れる。
SPの持続力とスタミナはかなりありそうなので、先行できれば好走する確率は高い。
反面、スローの瞬発力勝負になったときに、キレる末脚はなさそう。
ファントムシーフの血統背景
父はハービンジャー(ND系デインヒル)。
ハービンジャーは欧州で走り、2010年のキングジョージⅥ世&QES(G1)で勝利。主戦場は芝のクラシックディスタンス。
母の父はメダグリアドロ(ND系エルプラド)。
メダグリアドロは米国、ドバイで走り、ダートG1を3勝。主要距離はダートの中距離。
母方の5代前のSookera(スーケラ)を祖とする牝系は、欧米で多くの重賞ウイナーを輩出している名門牝系。
ファントムシーフの父の父であるダンシリの牝系もこのスーケラの一族。
全体的にスタミナ、パワー、SPの持続力がみなぎる血統背景だが、キレ味勝負には一抹の不安。