2020年12月27日【有馬記念】終了時点までのデータをもとに、ラヴズオンリーユーの好走パターンを分析。
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ラヴズオンリーユーの距離適性
ラヴズオンリーユーはこれまでに芝1600m~芝2500mまでの距離のレースに使われてきた。
各距離の着度数は次の通り;
- 芝1600m(1-0-0-1)
- 芝1800m(1-0-0-1)
- 芝2000m(2-1-0-0)
- 芝2200m(1-0-2-0)
- 芝2400m(1-0-1-0)※2410mを含む
- 芝2500m(0-0-0-1)
適距離としては2000m以上、距離はそこそこ伸びてもこなせそう。
逆に1600m近辺は少し忙しいのではないか?
ラヴズオンリーユーの脚質
締まったペースでもそのスピードを最後まで持続し続けるスピード持続力を生かした競馬が持ち味。
ペースが緩んで瞬発力勝負になると、後手を踏むことも。
軽い芝のスピード持続型。
ラヴズオンリーユーのコース適正
ラヴズオンリーユーの競馬場ごとの着度数は次の通り;
- 東京(1-0-0-2)
- 中山(0-0-0-1)
- 京都(2-0-1-0)
- 阪神(2-1-1-0)
- 海外(1-0-1-0)
コース相性としては軽い芝のコースに向いている。
中山より東京、阪神より京都、と言った感じだが、大きく苦手にしている印象はない。
ラヴズオンリーユーの持ち時計(ベストタイム)
ラヴズオンリーユーの持ち時計は次の通り;
- 芝1600m:1.31.8 7着(東京)
- 芝1800m:1.49.3 5着(東京)
- 芝2000m:2.00.1 2着(阪神)
- 芝2200m:2.10.4 1着(阪神)
- 芝2400m:2.22.8 1着(東京)
- 芝2500m:2.35.9 10着(中山)
「オークス」で計時した2.22.8は文句なしに速い。
ラヴズオンリーユーの重馬場適正
ラヴズオンリーユーの稍重も含めた道悪競馬での実績は;
- 稍重(未)
- 重(0-0-0-1)
- 不良(未)
まったくダメなわけではないが、良馬場の方が良いのは確か。
ラヴズオンリーユーの鉄砲実績(休み明け)
ラヴズオンリーユーの10週(中9週)以上の休み明けでの成績は;
- 10週以上(1-0-1-2)
叩いてからは;
- 2戦目(1-1-1-0)
- 3戦目(0-0-0-1)
- 4戦目(1-0-0-0)
- 5戦目~(1-0-1-0)
半年ぶりの競馬となった2019年の「エリザベス女王杯」の3着は、展開が不向きだったこともあるが、休み明けの影響も少なからずあったとは思う。
2020年の「ヴィクトリアマイル」は約半年の休み明けで1.2差の7着。
叩き良化タイプか。
ラヴズオンリーユーの枠順適正
ラヴズオンリーユーの枠番別着度数は;
- 1~4番(2-0-0-2)
- 5~9番(3-1-1-1)
- 10~14番(1-0-2-0)
ラヴズオンリーユーの季節別着度数
- 12~2月(冬):(1-0-0-1)
- 3~5月(春):(3-0-1-1)
- 6~8月(夏):(0-1-0-0)
- 9~11月(秋):(2-0-2-1)
ラヴズオンリーユーの斤量別着度数
- 54キロ(4-1-1-0)
- 55キロ(1-0-1-3)
- 55.5キロ(1-0-0-0)
- 56キロ(0-0-1-0)
ラヴズオンリーユーの好走体重
3着以内の馬体重は;
- 452~486キロ
ラヴズオンリーユーの血統背景
父はディープインパクト(サンデー系)。
母の父はストームキャット(ND系ストームキャット)。
ストームキャットは米国で走り、ダートの6F~8.5Fで活躍。G1は1勝しただけだが、種牡馬としては多くのG1ウイナーを排出した名種牡馬。代表産駒ジャイアンツコーズウェイも種牡馬として高い名声を誇る。
日本では母の父として、キズナ、ロードカナロアなど、多くのG1ウイナーが出ている。
ラヴズオンリーユーは全兄に2015年の「共同通信杯(G3)」、2016年の「ドバイターフ(G1)」、2017年の「毎日王冠(G2)」を勝ったリアルスティールがいる。
ラヴズオンリーユーの近走
19/5/19 優駿牝馬(G1)
東京 芝2400m 良 18頭
着順:1着(2.22.8・クビ差)
騎手:M・デムーロ(55キロ)
道中は中団あたりにポジションを取る。
先頭との差は7~8馬身。
前半1000mが59.1秒、逃げるジョディーがやや速めのラップを刻んで行く。
ラヴズオンリーユーは4角で位置取りを外目に出して、直線も馬場の外目を追い込んで来る。
坂を上り切ると先頭との差をみるみる詰めて、先に抜け出していたカレンブーケドールをゴール前差し切って勝利。
走破タイムは堂々のオークスレコード。
19/11/10 エリザベス女王杯(G1)
京都 芝2200m(外)良 18頭
着順:3着(2.14.3・0.2差)
騎手:M・デムーロ(54キロ)
道中はクロコスミアが離して逃げる展開だが、そのペースは前半1000mが62.8秒と明らかにスロー。
ラヴズオンリーユーはそんなクロコスミアから5~6馬身離れた2番手。
4角でその差を若干つめるもまだ先頭とは3~4馬身。
直線懸命に追い上げるが、クロコスミアも粘る。
そうこうしているうちに、内からラッキーライラックがもの凄い脚で2頭を交わしてゴール。
ラヴズオンリーユーは結局、クロコスミアを捉えることも出来ずに3着。
ペースがペースだけに、直線ではクロコスミアを楽に捉えて抜け出して、最後はラッキーライラックとの一騎打ち。
と言う展開が理想だったはず。
休み明けの影響もあるだろうが、瞬発力勝負での若干の不安を露呈したレースとなった。
20/5/17 ヴィクトリアマイル(G1)
東京 芝1600m 良
着順:7着(1.31.8・1.2差)
騎手:M・デムーロ(55キロ)
道中は中団馬群の内。
この日の馬場傾向としては、これ以上位置取りが後ろになると勝ち負けは難しいギリギリの位置。
しかしラヴズオンリーユーは直線に入っても良い脚は出せずじまい。
- マイルの距離が忙しいと言うことか?
- ドバイでの一頓挫でまだベストの状態ではなかったか?
叩き2走目に期待するしかない。
20/6/6 鳴尾記念(G3)
阪神 芝2000m 良
着順:2着(2.00.1・ハナ差)
騎手:M・デムーロ(54キロ)
道中は中団の前目あたり。
直線では勝ったパフォーマプロミスと馬体を併せての追い比べ。
ゴール前は微妙だったが、わずかにハナ差及ばずの2着。
牡馬の中に紅一点、牝馬はラヴズオンリーユーただ一頭。
この消耗戦をハナ差の2着は、やはり力がある証拠。
馬場が少し特殊だっただけに、普通の良馬場なら、楽に勝っていたように思う。
20/10/17 府中牝馬S(G2)
東京 芝1800m 重
着順:5着(1.49.3・0.8差)
騎手:M・デムーロ(55キロ)
後方組の一番前だったが、直線では伸びを欠いた。
道悪競馬は初めてだったが、上りのかかるタフな展開で、一頭だけ55キロの斤量と言うのも微妙に応えたと思う。
馬体重も休み明けの+12キロ。
叩いてからか。
20/11/15 エリザべス女王杯(G1)
阪神 芝2200m 良
着順:3着(2.10.4・0.1差)
騎手:M・デムーロ(56キロ)
道中は中団で、ルメール騎手にマークされ、勝負どころでは先に動かれてしまった。
阪神内回りコースは、こういう駆け引きがかなり大きなウェイトを占めるコースだと思う。
力があるところは示したが、サラキアに交わされてはダメ。
20/12/27 有馬記念(G1)
中山 芝2500m 良
着順:10着(2.35.9・0.9差)
騎手:M・デムーロ(55キロ)
道中は中団のやや後ろ。
3~4角では外目を回して進出を計り、4角は9番手で直線。
しかし直線では良い脚は出せず。
良馬場だが、少し重めの馬場状態。
こういう馬場はやはり向かない。
21/2/14 京都記念(G2)
阪神 芝2200m(内)良
着順:1着(2.10.4・-0.2差)
騎手:川田将雅(54キロ)
道中は4番手、4角は3番手で直線に向くと、先に抜け出していたステイフーリッシュをゴール前できっちり捉えてゴール。
走破時計はくしくも昨年このコースで行われた「エリザベス女王杯」で2着に入ったときと同じ2.10.4。
あのときよりも、よりスピード持続傾向に振れた今回のレース。
展開と面子を考えても、ここは力量通りの勝利だろう。
21/3/27 ドバイシーマクラシック(G1)
メイダン 芝2410m 良 9頭
着順:3着(クビ-クビ差)
騎手:マーフィー(55キロ)
道中は中団のうしろ。
中団を走るクロノジェネシスの直後あたりを追走。
4角は6番手あたりで直線に向き、馬群をこじ開けるように進出すると、すぐさまクロノジェネシスとの併せ馬の状態で直線を伸びてくる。
残り200mからは外から追い上げて来たミシュリフとクロノ、そしてラヴズオンリーユーの三つ巴の争いになり、残り100mでもほぼ横一線。
しかしゴール前では少し甘くなってクビ、クビ差の3着。
道中はスローの流れだったようで、最後は切れ負けした格好か。
21/4/25 クイーンエリザベス2世カップ(G1)
沙田 芝2000m 良 7頭
着順:1着(2.01.2・-0.1差)
騎手:ホー(55.5キロ)
道中は中団4番手。
4角は先頭との差を縮めて、1~2馬身差の3番手で直線。
直線は馬群の外目から追い上げを見せ、内で伸びるデアリングタクトとの叩き合い。
残り150mを過ぎて先頭に立つと、そのまま抜け出してゴール。
オークス以来のG1勝利となったが、面子に恵まれた感もある。
次走、札幌記念 (G2)に向けて
次走は8月22日(日)、札幌競馬場 芝2000mで行われる「札幌記念(G2)」。
洋芝の札幌は初参戦だが、香港の沙田競馬場でも走っているので問題はないだろう。
このメンバーなら実力上位なのは明らかだが、4ヵ月ぶりの競馬がどうかだけ。
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