2022年10月30日【天皇賞(秋)】終了時点までのデータをもとに、カデナの好走パターンを分析。(ダート競争は除く)

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カデナの距離適性

カデナはこれまでに、芝1600m~芝2400mの距離に使われてきた。

各距離の着度数は次の通り;

  • 芝1600m(0-1-0-3)
  • 芝1800m(2-0-2-5)
  • 芝2000m(2-2-2-15)
  • 芝2200m(0-0-0-2)
  • 芝2400m(0-0-0-2)

適正は中距離あたりか?

芝1600m

2着に入ったのは新馬戦。OPクラスでは重賞に2度使われているが、どちらも大敗。

この距離には適性はなさそう。

芝1800m

2020年の「小倉大賞典(G3)」をトップハンデ57キロで制した。

他にもOP特別の「巴賞」の3着(0.1差)もある。

この距離は、条件さえ整えば(後述)走ってくる。

芝2000m

「京都2歳S(G3)」と「弥生賞(G2)」に勝利している。

古馬になってからも、「小倉記念(G3)」「新潟記念(G3)」で3着以内があることから、適正は十分にあると考える。

芝2200~2400m

3歳時の「ダービー(G1)」と、菊花賞TRの「神戸新聞杯(G2)」で共に大敗。

古馬になってからは2020年、2021年の「宝塚記念」で大敗。

この距離はちょっと長そう。

神戸新聞杯のレース後には、鞍上の福永騎手も「距離は2000mまでなのかなという印象」とコメントを残している。

カデナの脚質

カデナは何と言ってもスタートが遅い。

それゆえ位置取りは多くのレースで後方からとなっている。

しかし、確かな末脚があるので、好走パターンは後方からの「追い込み」となる。

  • 直線の長い競馬場で後ろから
  • タフな展開で上りがかかったときに後ろから

この2パターンで好走する。

カデナのコース適正

カデナの競馬場ごとの着度数は次の通り;

  • 函館(0-0-1-1)
  • 福島(0-0-1-0)
  • 新潟(0-0-1-1)
  • 東京(0-1-0-10)
  • 中山(1-0-0-4)
  • 京都(1-0-0-2)
  • 阪神(1-1-0-6)
  • 小倉(1-1-1-3)

長い直線を一杯に使って追い込める新潟、東京は得意のはず。

戦績がイマイチなのは、距離やレースのグレードなど、他に理由がある。

カデナの持ち時計(ベストタイム)

カデナのベスト距離と考えられる芝1800m、2000mでのカデナの持ち時計はどうか?

  • 芝1800m:1.45.8 10着(1.0差・東京)
  • 芝2000m:1.57.8 3着(0.3差・新潟)

時計が速くなりすぎると苦しい。

カデナの休み明け

カデナの10週(中9週)以上の休み明けでの成績は;

  • 10週以上(1-0-1-11)

休み明けはあまり良いとは言えないが、叩いてからだと;

  • 2戦目(1-1-2-5)
  • 3戦目(0-0-1-3)
  • 4戦目(0-0-0-2)
  • 5戦目~(0-0-0-6)

カデナのローテーション適正

  • 連闘(未)
  • 中1~2週(2-0-0-4)
  • 中3~5週(0-2-3-7)
  • 中6~8週(1-0-0-5)

中2週で結果が出ているのは2歳戦。

カデナの重馬場適正

カデナの稍重も含めた道悪競馬での実績は;

  • 稍重(1-0-2-2)
  • 重(0-0-0-1)
  • 不良(0-0-0-1)

末脚を削がれる道悪はマイナス要因だが、道悪自体は苦にせず走る。

OP特別、G3あたりなら、上がりのかかる展開になれば食い込める。

カデナと枠順

カデナの枠番別着度数は;

  • 1~4番(2-2-0-7)
  • 5~9番(0-1-3-3)
  • 10~14番(1-0-1-12)
  • 15~18番(1-0-0-5)

スタートが遅いだけに、極端な外枠は致命的なロスになる可能性が高い。

カデナの斤量別着度数

  • 54キロ(0-1-0-0)
  • 55キロ(2-1-0-0)
  • 56キロ(1-1-2-10)
  • 57キロ(1-0-1-5)
  • 57.5キロ(0-0-1-2)
  • 58キロ(0-0-0-10)

57.5キロの3着は、走破時計、上り時計ともにかなりかかった特異なレース。

基本的には57キロまでではないか?

カデナの連対体重

  • 454~484キロ

カデナの血統背景

父はディープインパクト(サンデー系/牡馬三冠、天皇賞(春)、宝塚記念、ジャパンカップ、有馬記念)。

母の父はフレンチデピュティ(ND系ヴァイスリージェント)。

フレンチデピュティは米国で走りダートの短距離~8F(約1600m)で活躍。引退後は日本に輸入され、多くの重賞勝ち馬を輩出。

カデナの半兄には2009年の「京王杯スプリングC(G2・東京芝1400m)」を勝ったスズカコーズウェイがいる。

カデナの評価

終いの脚はそこそこの破壊力はある。

ただし一線級と当たって対等に勝負できるほどではない。

重賞での戦績は(芝のみ);

  • G1(0-0-0-12)
  • G2(1-0-0-4)
  • G3(2-1-2-9)

G2の勝利は3歳時の皐月賞トライアル「弥生賞」。

古馬重賞では、グレードはG3くらいまでだが、最近では斤量を背負うようになったので、G3でも極端な展開にならないと厳しそう。

カデナの近走

19/4/14 福島民報杯(OP)福島芝2000m

着順:3着(0.2差) 騎手:鮫島克駿(56キロ)

前半1000mが57.4秒のハイペース。

上位3頭はいずれも後方から。

3角手前で動いた1、2着馬に対して、カデナは仕掛けが1歩遅れた感じ。

いずれにしても展開に恵まれたレース。

19/6/30 巴賞(OP)函館芝1800m(稍重)

着順:3着(0.1差) 騎手:藤岡祐介(56キロ)

このレースもペースは速く、上位5頭中4頭までが後方からの「追い込み」組。

馬自体の調子は良さそうだが、2戦連続で展開に恵まれた感のあるレース。

19/8/04 小倉記念(G3)小倉芝2000m

着順:2着(クビ差) 騎手:北村友一(56キロ)

1000mを過ぎたレース後半から一気にペースが上がったハイレベルの消耗戦。

いつものように後方から追走していたカデナだが、ペースが上がって他馬が追い出すところ、カデナは持ったままで手応えは十分。

直線は外から追い出しにかかってメールドグラースにクビ差の2着。

後半1000mでレースが大きく動いたことがカデナには幸いした感じ。

19/9/1 新潟記念(G3)新潟芝2000m

着順:3着(0.3差) 騎手:武藤雅(57キロ)

今回もいつものように後ろから。

ペースもそこそこ流れてくれたので、659mの新潟の直線がカデナの脚を引き出してくれた。

しかし、このような競馬が通用するのはこれくらいのクラスまでだろう。

19/10/27 天皇賞・秋(G1)東京芝2000m

着順:13着(2.2差) 騎手:藤岡祐介(58キロ)

出遅れもあっていつものように後方からの競馬。

このクラスではこんなものだろう。

中間の雨もあって馬場は比較的緩い状態。これもカデナ向きではなかった。

20/1/5 中山金杯(G3・ハンデ)

中山 芝2000m 良 17頭立て

着順:11着(2.00.1・0.6差) 

騎手:鮫島克駿(57キロ)

いつものように出遅れて離れた最後方から。

4角も15番手で直線を向くが、思うように伸びずに11着。

それでも0.6秒差まで迫っているのは凄い。

20/2/23 小倉大賞典(G3・ハンデ)

小倉 芝1800m 良 14頭

着順:1着(1.48.3・-0.3差)

騎手:鮫島克駿(57キロ)

いつものように出遅れて後方からの競馬だが、この日の小倉の馬場は最終週で傷みが目立った。

道中前に行った馬、最後の直線で内を通った馬にはキツい展開。

4角は9番手で、直線はうまく馬場の傷んでいない外へ出して上り最速35.1秒の脚で差し切った。

適距離で直線平坦の小倉、展開も後押ししたことはあるが、トップハンデの57キロで勝ち切ったことは評価できる。

しかし、相手関係はちょっと手薄だった。

20/4/5 大阪杯(G1)

阪神 芝2000m(内)12頭

着順:4着(1.58.6・0.2差)

騎手:鮫島克駿(57キロ)

道中は後方のインで脚を溜める。

4角も最後方ながら内ピッタリで回って来て、直線も最内をつく戦法。

急坂も苦にせずスルスルと伸びては来るが、4着までが精一杯。

かなり戦略的な意図が窺える騎乗だが、それでも0.2差が精一杯。

20/6/28 宝塚記念(G1)

阪神 芝2200m 稍重

着順:12着(2.16.8・3.3差)

騎手:鮫島克駿(58キロ)

距離もコースも馬場状態も、この馬にとってはきつい条件。

20/9/6 新潟記念(G3・ハンデ)

新潟 芝2000m 良

着順:6着(2.00.2・0.3差)

騎手:柴田大知(58キロ)

道中はいつものように後方から。

直線は馬場の大外から追い込んで来るが0.3差の6着まで。

しかし斤量はトップハンデの58キロ。

0.3差ならまずまずか。

2020年 新潟記念(G3)のラップ分析&回顧

20/10/11 毎日王冠(G2)

東京 芝1800m 稍重

着順:4着(1.46.1・0.6差)

騎手:三浦皇成(56キロ)

まずまずのスタートから、道中は中団の後ろあたり。

4角7番手で直線に向き、懸命に追い込んで来るが4着まで。

まあ、そこそこは走れている。

このクラスではこんなもの。

2020年 毎日王冠(G2)のラップ分析&回顧

20/11/1 天皇賞(秋)(G1)

東京 芝2000m 良

着順:8着(1.59.2・1.4差)

騎手:田辺裕信(58キロ)

道中は後方から。

4角11番手で直線。

直線はこの馬なりに脚は出しているが、このクラスでは通用しない。

2020年 天皇賞(秋)(G1)のラップ分析&回顧

21/1/5 中山金杯(G3・ハンデ)

中山 芝2000m 良

着順:11着(2.01.8・0.9差)

騎手:三浦皇成(58キロ)

道中は最後方。

3角を過ぎて進出を開始し、4角は13番手、大外を回して直線。

しかし直線では良い脚は出せず。

緩い流れで前々の決着、トップハンデの58キロもキツかっただろう。

2021年 中山金杯(G3)のラップ分析&回顧

21/2/21 小倉大賞典(G3・ハンデ)

小倉 芝1800m 良

着順:6着(1.46.0・0.5差)

騎手:菅原明良(58キロ)

道中は後方から。

3角を過ぎてスパートしてくるが、6着までが精一杯。

トップハンデの58キロも堪えているが、この馬にとっては時計も速すぎた。

2021年 小倉大賞典(G3)のラップ分析&回顧

21/4/4 大阪杯(G1)

阪神 芝2000m(内)重

着順:6着(2.03.0・1.4差)

騎手:鮫島克駿(57キロ)

いつものように道中は後方から。

4角も後方11番手で直線に向くが、直線では伸びないまでも、馬群の真ん中をそこそこの脚で突っ込んできた。

レースの上りが36.8秒かかっており、この馬の得意な展開になっただけに、G1でも6着に食い込めた。

2021年 大阪杯(G1)のラップ分析&回顧

21/6/6 安田記念(G1)

東京 芝1600m 良

着順:6着(1.32.2・0.5差)

騎手:武豊(58キロ)

道中は後方13番手。

4角は最後方で直線に向き、直線は馬場の内目をスルスルと伸びてはくるが、この日は内は伸びない馬場。

0.5差の6着だが、自分の競馬に徹して持ち味は示した。

2021年 安田記念(G1)のラップ分析&回顧

21/6/27 宝塚記念(G1)

阪神 芝2200m 良

着順:7着(2.12.2・1.3差)

騎手:浜中俊(58キロ)

道中は最後方で脚を溜める。

3~4角から進出を開始して、4角は10番手の外で直線。

直線は馬群の外目から追い上げてくるが、2~3頭交わしたところがゴール。

道中のペースも緩く、カデナの位置取りからではノーチャンス。

2021年 宝塚記念(G1)のラップ分析&回顧

21/10/10 毎日王冠(G2)

東京 芝1800m 良

着順:10着(1.45.8・1.0差)

騎手:田辺裕信(56キロ)

スタートで出遅れて、道中は最後方13番手を追走。

4角も最後方で直線に向くが、3頭交わしたのみ。

このクラス、このレース条件では力は出せない。

2021年 毎日王冠(G2)のラップ分析&回顧

21/10/31 天皇賞(秋)(G1)

東京 芝2000m 良

着順:16着(1.59.7・1.8差)

騎手:田辺裕信(58キロ)

出遅れて道中は後方から。

4角も後方16番手で直線に向くが、まったく良い脚は出せずに殿負け。

まあこんなもの。気にする必要はない。

2021年 天皇賞(秋)(G1)のラップ分析&回顧

 

※(このあとダート競争「東海S(G2・ダ1800m)」に出走して、0.5差の5着)

 

22/2/20 小倉大賞典(G3・ハンデ)

小倉 芝1800m 稍重

着順:3着(1.49.5・0.3差)

騎手:泉谷楓真(57.5キロ)

道中は最後方を追走。

4角もほぼ最後方から、この馬は勝ったアリーヴォよりもさらに一頭分外、まさに馬群の大外から追い上げに入り、強烈な末脚で追い込んで来るが、あの位置からだと3着が精一杯。

この馬の最も得意な展開となったが、勝利した一昨年は、位置取りがもう少し前だった。

2022年 小倉大賞典(G3)のラップ分析&回顧

22/7/24 中京記念(G3・ハンデ)

小倉 芝1800m 良

着順:6着(1.46.3・0.4差)

騎手:今村聖奈(57.5キロ)

【レース前寸評】

今年の冬の「小倉大賞典」では57.5キロのハンデで3着に食い込んだが、走破時計は1.49.5。

展開がはまれば飛んで来る可能性もなくはないだろうが、良馬場では厳しそう。

【結果】

いつものようにスタート出遅れて後方からの競馬。

4角13番手の大外から直線勝負に出るが0.4差の6着まで。

適条件ではない中、トップハンデを背負ってよく走ってはいる。

2022年 中京記念(G3)のラップ分析&回顧

22/8/14 小倉記念(G3・ハンデ)

小倉 芝2000m 良

着順:7着(1.58.7・1.3差)

騎手:今村聖奈(57.5キロ)

【レース前寸評】

引き続きトップハンデを背負う。

上りがかかってこないと厳しいだろう。

【結果】

道中は最後方の15番手を追走。

3~4角の残り600mで馬群の大外を回して進出を開始するが、4角出口で大きく外に膨らんでしまう。

それでも直線は馬群の大外から果敢に追い上げを見せるが7着まで。

4角でのロスは馬か?騎手か?

まあいずれにせよ、今回の条件では厳しかった。

2022年 小倉記念(G3)のラップ分析&回顧

22/10/30 天皇賞(秋)(G1)

東京 芝2000m 良

着順:12着(1.58.4・0.9差)

騎手:三浦皇成(58キロ)

【レース前寸評】

このクラスではどう転んでも厳しい。

【結果】

出遅れて道中は最後方から、4角も後方14番手で直線に向くが、直線でも見せ場なし。

このクラスでは厳しい。

2022年 天皇賞(秋)(G1)のラップ分析&回顧