2019年11月10日【福島記念】終了時点までのデータをもとに、フローレスマジックの好走パターンを分析していきます。
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フローレスマジックの距離適性
フローレスマジックはこれまでに芝1400m~芝2400mの距離のレースに使われてきた。
各距離の着度数は次の通り;
- 芝1400m(0-0-0-1)
- 芝1600m(2-2-1-3)
- 芝1800m(2-2-1-2)
- 芝2000m(0-0-1-2)
- 芝2400m(0-0-0-1)
良績は1600m~1800mに集中しているが、その詳細はどうか?
芝1400m
1600万条件で1度使って0.2差の4着。
大外枠から外目を回らされる展開だっただけに、0.2差の4着は、適正がないとは言い難い。
芝1600m
2勝、2着2回は「適正有り」と判断できる。
芝1800m
こちらも2勝、2着が2回。距離に不安はない様子。
芝2000m~2400m
芝2000mは3歳時に重賞で3着の実績はあるが、その後使われたのは牝馬重賞の「マーメイドS」。
結果は1.4差の13着。鞍上の石橋騎手からは距離不安を示すようなコメントが出されている。
芝2400mは「オークス」出走の1鞍のみ。
結果は0.9差の6着。超スローペースでの逃げ残りなので、この結果だけで「健闘」したと言えるかどうか?
総合的に判断して、フローレスマジックにとっての2000m以上の距離は少し長いと考える。
フローレスマジックの脚質
フローレスマジックはこれまでに、「逃げ」「先行」「中団馬群からの差し」「後方からの追い込み」を決め手に好走してきた。
実に多彩。位置取りがどこになっても競馬ができる器用さは評価できる。
ただ、連対を果たしたレースを見てみると、「先行」または「中団馬群より前目」の位置取りから抜け出しているレースが多い印象。
残り600m地点で先頭との差が0.5秒前後なら、好勝負が期待できる。
フローレスマジックのコース適正
フローレスマジックの競馬場ごとの着度数は次の通り;
- 札幌(0-1-0-0)
- 福島(0-1-0-1)
- 新潟(0-1-0-1)
- 東京(1-1-2-2)
- 中山(2-1-1-3)
- 京都(1-0-0-1)
- 阪神(0-0-0-1)
フローレスマジックは美浦の所属馬なので、東京、中山でのレースが多い傾向にある。
フローレスマジックの脚質は、前目の位置からのチョイ差しが有効と考えられるので、最後の直線の距離は長い必要はあまりない。
1000万条件以上のレースに限定して見てみると、連対を果たした競馬場は;
- 中山3、京都(外回り)1、札幌1、福島1
と、京都の外回り以外では、直線の短い競馬場が目立つ。
また、右回りと左回りの区別に関しては;
- 右回り:(3-3-1-5)
- 左回り:(1-2-2-2)
と、どちらが得意かと言えば、右回りの方が得意のような印象を、データ上からは受ける。
フローレスマジックのペース適正
前目の位置取りからのチョイ差しなら、スローペースは大歓迎だろう。
実際、連対を果たしたレースでは、スローペースが圧倒的に多くなっている。
では逆に、ハイペースの場合はどうか?
前目のポジショニングなら、ハイペースに巻き込まれると後半息が持たなくなる危険性も心配される。
- ハイペース:(0-0-0-3)
データ的にはこのような数字になるが、この中には0.2差の4着に食い込んだレースもある(フリーウェイS・1600万下)。
ハイペースのレースはわずか3鞍だけなので、このデータだけを見て、「ハイペースは苦手」と判断を下すのは早計だが、脚質的には、スローペースの方が有利であることに疑いの余地はないだろう。
フローレスマジックの持ち時計(ベストタイム)
フローレスマジックの各距離ごとにベストタイムは次の通り;
- 芝1400m:1.20.8 4着(0.2差・東京)
- 芝1600m:1.31.7 14着(1.4差・中山)
- 芝1800m:1.47.8 5着(0.1差・中山)
- 芝2000m:2.00.6 13着(1.1差・福島)
- 芝2400m:2.25.0 6着(0.9差・東京)
自身のベストタイムに対して着順がよくない。
高速馬場では苦戦を強いられそう。
フローレスマジックの重馬場適正
フローレスマジックはこれまでに、稍重も含めた道悪競馬には3鞍の出走経験がある。
- 稍重(0-1-0-1)
- 重(1-0-0-0)
重馬場での1勝は未勝利戦でのもの。
データ数が少なくてなんとも判断し難いが、走れないことはなさそう。
血統背景を見ても、母父にストームキャットが入っているので、道悪が全くダメだとは考えにくい。
フローレスマジックの枠順適正
スタート後、前目の位置にポジションを取りたいフローレスマジックにとっては、やはり、極端な外枠に入って、序盤のポジショニングに脚を使うといった展開は避けたいところ。
フローレスマジックが10番ゲートより外側に入ったときの成績は;
- (1-2-1-4)
このうち1勝と2回の2着は、比較的ペースの緩い2歳戦でのもの。
3歳戦以降になると(0-0-1-4)になるわけだから、これはあながち無視できるデータではないかもしれない。
また、フローレスマジックの外目の枠はそれだけで危険信号だが、その上に、スタート位置からコーナーまでの距離が短いコースなら、テンが速くなりやすく、この馬にとってはさらに苦戦を強いられる可能性が高くなる。
フローレスマジックの気性
フローレスマジックは気性に若干の問題があり、スタートのゲート内でも「出遅れ」ることがたびたびある。
出遅れ即凡走、というわけではないが、多少出負けしても、二の脚でそれをカバーできる内枠はやはり貴重。
外枠なら、出遅れで勝負が決してしまう可能性も少なからずある。
フローレスマジックの近走診断
19/3/9 中山牝馬S(G3) 中山芝1800m
着順:5着(0.1差) 騎手:石橋脩(53キロ)
距離、コースとも適正に合った条件。ただ枠順だけが少し外目か。
11番ゲートから少しだけ出遅れ。しかし二の脚でサッと先団へ。
道中および4角は外々を回って直線。
一旦先頭に立つものの、ゴール前で失速で5着。
スタートの出負けで、ポジションを取るために若干脚を使ったことと、道中終始外々を回ってきたことなどを加味すれば、大健闘の0.1差。状態は良い。
19/4/20 福島牝馬S(G3) 福島芝1800m
着順:2着(0.4差) 騎手:石橋脩(54キロ)
距離、コースとも適正に合った条件。
五分のスタートできっちり先団に取りつく。3角くらいからペースアップして、4角は外々を回って直線へ。バテそうでバテない粘り腰も、勝ち馬に差されて2着。
自ら動いての2着は立派。勝ったデンコウアンジュの末脚が強烈すぎた。
19/6/9 マーメイドS(G3) 阪神芝2000m
着順:13着(1.4差) 騎手:石橋脩(55キロ)
超久々の2000m。馬番12番はちょっと外目か。
五分のスタートでしっかり先団をキープしたが、道中は外々を回る。
4角も大外を回して直戦へ。
残り300mくらいでは一旦先頭に立つが、残り200mでずるずると後退。
外目の枠、久々の2000mで、おまけに終始外々。残り200mでの失速は仕方ない。
やはり2000mはギリギリか少し長い印象。
19/8/11 関谷記念(G3) 新潟芝1600m
着順:12着(0.9差) 騎手:三浦皇成(54キロ)
12番ゲートからの出走が響いたか? 位置取りが後ろになった。
久々の1600mで、ペースにも戸惑いがあったか?
加えて、超久々の左回りも微妙に影響したかもしれない。
19/9/8 京成杯オータムハンデ(G3)中山芝1600m
着順:14着(1.4差) 騎手:石橋脩(53キロ)
前半3Fが33.3秒のハイペース。
出遅れた上に、このスピードにはついて行けずに最後方からの競馬となった。
最後は上りメンバー3位の33.6秒の脚は出しているが、この位置からでは万事休す。
19/11/10 福島記念(G3)福島芝2000m
着順:13着(1.1差) 騎手:丸山元気(53キロ)
先団につけて追走するも、3~4角ですでに脱落。
距離が長い上にペースも流れた。
この馬のレースではない。