2024年11月17日【マイルCS】終了時点までのデータや実際の走りをもとに、ナミュールの好走パターンを分析。

ナミュールの距離適性

ナミュールはこれまでに芝1600m~芝2400mまでの距離のレースに使われてきた。

各距離の着度数は次の通り;

  • 芝1600m(5-2-0-6)
  • 芝2000m(0-1-0-0)
  • 芝2200m(0-0-0-1)
  • 芝2400m(0-0-1-0)

良いのは千六。

ナミュールの脚質

終いを生かす競馬。

終いの脚はそれなりにキレるが、スタートが下手なので、道中は後方寄りになることが多い。

なのでレースの上りは速いよりはかかった方が良い。

目安は最低でも34秒前後。

33秒台中盤の決着となると苦しい。

なので展開も、スローのよーいドンよりは、ある程度流れた方がいい。

ただ、たまたまスタートが五分に切れて、中団あたりにポジションが取れれば、スピード決着、上りの速い展開にも対応は可能。

「マイルCS」はスローの流れを後方から一気に差し切ったが、あれはたまたまだと思う。

2023年 マイルCS(G1)のラップ分析&回顧

ナミュールのコース適正

ナミュールの競馬場ごとの着度数は次の通り;

  • 札幌(未)
  • 函館(未)
  • 福島(未)
  • 新潟(未)
  • 東京(2-2-1-3)
  • 中山(未)
  • 中京(1-0-0-0)
  • 京都(1-0-0-1)
  • 阪神(1-1-0-3)
  • 小倉(未)

ナミュールの持ち時計(ベストタイム)

ナミュールの持ち時計は次の通り;

  • 芝1600m:1.31.4 1着(-0.2差・東京)
  • 芝2000m:1.58.7 1着(-0.2差・阪神)
  • 芝2200m:2.13.7 5着(0.7差・阪神)
  • 芝2400m:2.24.3 3着(0.4差・東京)

千六の時計はまずまず。

ナミュールの重馬場適正

ナミュールの稍重も含めた道悪競馬での実績は;

  • 稍重(0-1-0-0)
  • 重(0-0-0-1)
  • 不良(未)

道悪は問題ないが、後ろからだと届かない。


ナミュールの鉄砲実績(休み明け)

ナミュールの10週(中9週)以上の休み明けでの成績は;

  • 10週以上(3-2-0-2)

叩いてからは;

  • 2戦目(1-0-0-5)
  • 3戦目(0-1-1-0)
  • 4戦目(未)
  • 5戦目~(未)

ナミュールのローテーション適正

  • 連闘(未)
  • 中1~2週(0-1-0-2)
  • 中3~5週(1-0-1-3)
  • 中6~8週(未)

ナミュールの枠順適正

ナミュールの馬番別着度数は;

  • 1~4番(1-0-0-1)
  • 5~9番(3-2-1-0)
  • 10~14番(0-0-0-4)
  • 15~18番(1-1-0-2)

ナミュールの斤量別着度数

  • 54キロ(3-0-0-2)
  • 55キロ(1-1-1-2)
  • 56キロ(1-2-0-3)

ナミュールの季節別着度数

  • 12~2月(冬):(0-1-0-1)
  • 3~5月(春):(1-0-1-3)
  • 6~8月(夏):(0-1-0-1)
  • 9~11月(秋):(4-1-0-2)

ナミュールの好走体重

3着以内の体重は;

  • 430~454キロ

ナミュールの血統背景

父はハービンジャー(ND系デインヒル)。

ハービンジャーは欧州で走り、2010年のキングジョージⅥ世&QES(G1)で勝利。主戦場は芝のクラシックディスタンス。

母の父はダイワメジャー(サンデー系/皐月賞、秋天、マイルCS連覇、安田記念)。

母方の8代前まで遡るとクインナルビーがいて、この牝系はあのオグリキャップを出した牝系。

またその後もこの牝系はオグリローマンキョウエイマーチといった桜花賞馬を輩出している。

ナミュールの曾祖母がキョウエイマーチ。

ナミュールのここまでの走り

21/9/11 2歳新馬(牝)

中京 芝1600m 良

着順:1着(1.39.0・-0.3差)

騎手:川田将雅(54キロ)

4枠4番から道中は2番手。

道中は超スローの展開で、4角も2番手で直線に向くと、直線は坂の上りで先頭に立つと、そこからステッキを2、3発入れるとまたビュンッと加速して後続を突き放した。

上がりの脚は33.3秒。

流れが遅すぎて、この競馬だけではなんとも言えない。

21/11/21 赤松賞(2歳1勝C)

東京 芝1600m 良

着順:1着(1.33.8・-0.3差)

騎手:三浦皇成(54キロ)

スタート出遅れて、道中は中位のやや後ろ、5番手の外を追走。

4角も5番手の外で直線に向くと、直線は馬群の外目から、4~5馬身先の逃げ粘るパーソナルハイを追う。

坂の上りで差を縮め、残り200mでは射程圏。

残り100mあたりで先頭を交わすと、あとは余裕綽々でゴール。

上りの脚は33.0秒。

瞬発力の高さを示した。

21/12/12 阪神JF(G1)

阪神 芝1600m(外)良

着順:4着(1.34.0・0.2差)

騎手:C・デムーロ(54キロ)

スタートで大きく出遅れて最後方からの競馬になった。

すぐに二の脚を使って後方に何とか取りついて、道中は17番手の内。

4角も17番手の内で直線に向くと、直線は馬場の最内、内ラチ沿いを懸命に追って来るが4着まで。

しかし大きく出遅れて序盤でリカバリーの脚も使い、直線は馬場の悪い最内を通って追い上げてきて、3着のウォーターナビレラにクビ差の4着。

出遅れが響いたことは言うまでもないが、力のあるところは十分に示した。

2021年 阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)のラップ分析&回顧

22/3/5 チューリップ賞(G2)

阪神 芝1600m(外)良

着順:1着(1.33.2・-0.2差)

騎手:横山武史(54キロ)

ゲートは五分に出て、道中は中団7番手。

4角は8番手で直線に向くが、完全に馬群に包まれている。

なかなか出すところがない中で、残り300mあたりで外にスペースが出来た。

進路を外に取ってからは一完歩ずつ先頭に詰め寄って行き、ゴール前では一気に突き抜けた。

鞍上のコメントにもあった通り、馬の能力で勝ち取った勝利。

やはりこの馬の末脚はハンパない。

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22/4/10 桜花賞(G1)

阪神 芝1600m(外)良

着順:10着(1.33.2・0.3差)

騎手:横山武史(55キロ)

大外18番からスタート少し出遅れて、道中は中団の後ろ、13番手の外。

3~4角で徐々に進出を開始して、4角は12番手の大外で直線に向く。

直線は馬群の大外から追い上げに入るが、0.3差の10着が精一杯だった。

1番人気ということもあり、3~4角では早めに動いていったのだろうが、それが外々を回るハメになって、最後の脚にも響いた感じ。

終始外々を回って、4角も大外。

この日の馬場では仕方のない結果かもしれないが、同じような位置にいたサークルオブライフはそれでも4着に入っている。

この馬の末脚をちょっと過大評価しすぎたか?

2022年 桜花賞(G1)のラップ分析&回顧

22/5/22 優駿牝馬(G1)

東京 芝2400m 良

着順:3着(2.24.3・0.4差)

騎手:横山武史(55キロ)

【レース前寸評】

前走でその末脚が「ズ抜けた瞬発力」ではないことは分かった。

併せてこの馬の血統が牝系も含めて、東京2400mの距離にちょっと弱いように感じる。

ここは評価を落としてみる手もある。

【結果】

スタートは若干あおったが、まずまずのスタートは切れた。

道中は中団馬群の真ん中、8番手の最内を追走。

4角も8番手の内で直線に向くと、直線は馬場の3分どころから追い上げに入り、良い伸び脚で追い上げてはくるが3着まで。

最後の伸びは、馬場の内と外で差があったのかもしれないが、道中最短コースを通っているアドバンテージもあったはず。

力でもぎ取った3着、という感じはしない。

2022年 優駿牝馬(オークス・G1)のラップ分析&回顧

22/10/16 秋華賞(G1)

阪神 芝2000m(内)良

着順:2着(1.58.7・0.1差)

騎手:横山武史(55キロ)

【レース前寸評】

軽視もできないが、あまり期待もできない馬になってしまった。

ただ、ハービンジャー産駒だけに、初めての阪神内回りがどう作用するかは興味深い。

【結果】

道中は中団馬群の外、9番手を追走。

4角は9番手の大外を回して直線に向き、直線は馬群の外目から追い上げてはくるが、半馬身届かずの2着。

4角でかなり外に膨れた距離ロスが痛かった。

勝ち馬とはコース取りの違いもあるので、力負けということではないだろう。

2022年 秋華賞(G1)のラップ分析&回顧

22/11/13 エリザベス女王杯(G1)

阪神 芝2200m(内)重

着順:5着(2.13.7・0.7差)

騎手:横山武史(54キロ)

【レース前寸評】

前走の好走はあったものの、良いのはマイルだと思う。

古馬混合のここでは、上りがかかって、良くて3着、という見立て。

【結果】

道中は中団10番手あたりだが、位置取りはしっかり外目を通っていた。

4角も11番手の外目を回して直線に向き、そこそこの脚で伸びてはくるが、5着まで。

道中外目を通ったことで直線での失速は免れた感じ。

しかしこの馬、本質的にはマイラーと思うが・・・。

2022年 エリザベス女王杯(G1)のラップ分析&回顧

23/2/5 東京新聞杯(G3)

東京 芝1600m 良

着順:2着(1.31.8・アタマ差)

騎手:横山武史(56キロ)

外枠15番から道中は中団の前、5番手を追走。

4角も5番手で直線に向き、直線は馬群の真ん中から追い上げに入り、良い脚で追い上げてはくるが、アタマ差届かずの2着。

枠順の不利と、内有利の馬場、そして牝馬の56キロを考慮に入れれば、この馬もよく走ってはいる。

やはりこの馬、いいのは千六。

明け4歳の初戦で、この先にも期待が持てるレースとなった。

2023年 東京新聞杯(G3)のラップ分析&回顧

23/5/14 ヴィクトリアマイル(G1)

東京 芝1600m 良

着順:7着(1.32.8・0.6差)

騎手:横山武史(56キロ)

スタート直後、ソダシの斜行により、両脇から挟まれる感じでポジションを下げて、道中は中団の後ろ、10番手の外を追走。

4角は9番手の外目で直線に向き、直線は馬群の外目から追い上げに入るが、それほど良い脚は繰り出せなかった。

スタート直後の不利でポジションを下げたのは痛かったが、この馬も、どちらかと言えば、速い上りは苦手。

2023年 ヴィクトリアマイル(G1)のラップ分析&回顧

23/6/4 安田記念(G1)

東京 芝1600m 良

着順:16着(1.33.3・1.9差)

騎手:横山武史(56キロ)

スタート出遅れて道中は後方15番手を追走。

4角も15番手の外で直線に向き、直線は馬群の外目から追い上げを計るが、その途中で挟まれてしまって完全にブレーキを踏んだ感じ。

まあ、不利がなくても展開的にあの位置からだと上位入線は難しかっただろう。

それにしても不利が続く。

2023年 安田記念(G1)のラップ分析&回顧

23/10/21 富士S(G2)

東京 芝1600m 良

着順:1着(1.31.4・-0.2差)

騎手:モレイラ(55キロ)

道中は中団の後ろ、8番手の内を追走。

4角は8番手の内から外へ進路を取って、直線は馬群の中ほどからの追い上げに入り、坂の途中で先頭を射程圏に捉えると、坂を上り切って先頭、あとは外から追い込んできたレッドモンレーヴの追撃を1馬身1/4しのいでゴール。

こういう流れになるとこの馬は強い。

「チューリップ賞」以来の戴冠。

2023年 富士S(G2)のラップ分析&回顧

23/11/19 マイルCS(G1)

京都 芝1600m(外)良

着順:1着(1.32.5・クビ差)

騎手:藤岡康太(56キロ)

大外16番からスタート出遅れて、道中は後方14番手。

4角も後方15番手で直線に向いて、直線は馬群の中ほどから外目にかけて追い上げに入り、ゴール前、上り最速33秒の脚で前を交わしてゴール。

この馬にとってはちょっと上りの速い展開。

本来なら届かずの2、3着というところだが、色んな事情が重なって1着を獲ることができた感じ。

この勝利でこの馬が「一皮むけた」と考えるのは時期尚早だと思う。

2023年 マイルCS(G1)のラップ分析&回顧

24/5/12 ヴィクトリアM(G1)

東京 芝1600m 良

着順:8着(1.32.3・0.5差)

騎手:武豊(56キロ)

スタートで出遅れて道中は後方13番手。

4角も13番手の内目で直線に向き、直線は馬群の外目に進路を取って追い上げに入り、それなりの脚で追いこんではくるが0.5差の8着まで。

昨年1.31.4のタイムで勝ち切った「富士S(G2)」くらいの脚は出しているが、その時のポジションは中団。

この馬向きの展開にはなったが、スタートがすべてだろう。

2024年 ヴィクトリアマイル(G1)のラップ分析&回顧

24/6/2 安田記念(G1)

東京 芝1600m 稍重

着順:2着(1.32.4・0.1差)

騎手:武豊(56キロ)

スタート少し出遅れるが、二の脚で盛り返して、道中は中団の後ろ、13番手の外目。

4角も13番手の外目で直線に向くと、直線は進路を馬群の大外に取って追い上げに入り、坂の上りでグングンと伸びて、先に抜け出した勝ち馬を追い上げるが、ゴール前、半馬身及ばずの2着。

出遅れがなければ際どかったかもしれないが、出遅れも含めてのナミュールだけに仕方ない。

この馬も、馬場を味方につけた口だろう。

2024年 安田記念(G1)のラップ分析&回顧

24/11/17 マイルCS(G1)

京都 芝1600m(外)良

着順:17着(1.37.8・5.8差)

騎手:C・デムーロ(56キロ)

レース序盤は10番手あたりだったが、そこから馬場の一番荒れた最内を通ってレース中盤では中団の前6番手あたり。

4角も6番手の内で直線に向くが、直線ではみるみるうちに失速。

残り200mあたりからは、鞍上も追うのをやめた感じ。

道中馬場の最内を通ったのがかなり堪えたのだろう。

これだけの馬が直線で走る気をなくすくらい、道中の内目の馬場は荒れていたということか?

2024年 マイルCS(G1)のラップ分析&回顧