2022年12月24日【阪神カップ】終了時点までのデータをもとに、ダイアトニックの好走パターンを分析。

ダイアトニックの距離適性

ダイアトニックはこれまでに、芝1200m~芝1600mまでの距離のレースに使われてきた。

各距離の着度数は次の通り;

  • 芝1200m(1-0-1-5)
  • 芝1400m(8-2-0-0)
  • 芝1600m(1-2-1-5)

芝1200m(1-0-1-5)

2020年の「高松宮記念」では初距離ながら、ハナ、ハナ、頭差で4着(1着馬降着で繰り上がりの3着)に入った。

これは不利がなければ勝てていた可能性が高いレース。

適正はある。

芝1400m(8-2-0-0)

明らかにこの馬の適距離。

未だに底を見せず、中団~前目のポジションをキープすれば、どんな展開でも大崩れはない。

芝1600m(1-2-1-5)

おそらくこの距離はギリギリ。

内枠に入って道中距離のロスなく運べれば力は出せる。

しかし、外枠だったり、道中外々を回る位置取りを強いられたりすると、最後の直線で伸びを欠く。

ダイアトニックの脚質

先行して押し切る競馬で強さを発揮。

スピード持続型。

一方で、上りがかかって底力を要する展開は苦手。

同じく終いのキレを要求されるスローの上り勝負も苦手。

ダイアトニックのコース適正

ダイアトニックの競馬場ごとの着度数は次の通り;

  • 札幌(0-0-0-2)
  • 函館(1-0-0-0)
  • 新潟(0-1-0-0)
  • 東京(0-1-0-2)
  • 中山(0-0-1-3)
  • 中京(0-0-1-2)
  • 京都(5-1-0-1)
  • 阪神(4-0-1-0)

京都コースでの良績が目立つ。

京都コースは得手不得手が出やすいコースなので、京都に出てきたときには期待が持てる。

その他、関東圏での勝ち鞍がないが、それは長距離輸送云々の話ではないと思う。

適正条件さえ整えば、関東圏でも好走は可能だろう。

左回りは(0-2-1-3)と勝ち切れていないが、すべて僅差なので、問題はないだろう(「高松宮記念」は不利がなければ勝っていた可能性が高い)。

ダイアトニックの持ち時計(ベストタイム)

ダイアトニックの各距離ごとのベストタイムは次の通り;

  • 芝1200m:1.07.5 1着(-0.3差・函館)
  • 芝1400m:1.19.6 1着(クビ差・京都)
  • 芝1600m:1.31.9 4着(0.2差・中山)

時計的には際立ったものはないが、速い時計にはそこそこ対応できそう。


ダイアトニックの枠順

ダイアトニックの枠番別着度数は;

  • 1~4番(2-0-2-3)
  • 5~9番(3-3-1-2)
  • 10~14番(3-0-0-4)
  • 15~18番(2-0-0-1)

19年の「ダービー卿CT(G3)」は、16頭立ての14番ゲートからのスタートになったが、その時の着順が4着(0.2差)。

レース後鞍上の北村騎手は;

「ストライドの小さな馬なので、外々を回る競馬はしたくありませんでした。立ち回りとしてはこの枠なりには良かったと思いますが、枠は内の方が良かったです」(※ラジオNIKKEIより)

というコメントを残している。

1400mまでなら外枠でもそれなりの走りはするが、理想は内目の枠

ダイアトニックの重馬場適正

ダイアトニックの稍重も含めた道悪競馬での実績は;

  • 重(0-0-1-2)
  • 稍重(1-0-0-0)

重馬場の2020年の「高松宮記念」では着差なしの4着(繰り上がりで3着)。稍重馬場での2019年の「スワンS(G2)」では快勝。

一方、2020年の「キーンランドC]は札幌競馬場の重馬場と言うタフなケースで大敗。

道悪自体は苦にしないが、上りがかかるタフな競馬になると苦しくなる。

ダイアトニックの休み明け(鉄砲実績)

ダイアトニックの10週以上の休み明けでの成績は;

  • (4-0-0-5)

叩いてからは;

  • 2戦目(3-1-0-2)
  • 3戦目(1-1-1-2)
  • 4戦目(1-2-0-0)
  • 5戦目~(0-0-0-1)

ダイアトニックの季節別着度数

  • 12~2月(冬):(5-1-0-2)
  • 3~5月(春):(2-0-2-2)
  • 6~8月(夏):(1-1-0-3)
  • 9~11月(秋):(2-1-1-3)

ダイアトニックの斤量別着度数

  • 54キロ(1-1-0-1)
  • 55キロ(1-0-1-0)
  • 56キロ(5-1-0-1)
  • 57キロ(2-1-2-3)
  • 57.5キロ(0-0-0-1)
  • 58キロ(1-0-0-2)

斤量にはあまり動じないタイプ。


ダイアトニックの連対体重

  • 468~484キロ

ダイアトニックの血統背景

父はロードカナロア(ミスプロ系キングマンボ/スプリンターズS連覇、高松宮記念、安田記念、香港スプリント連覇)。

母の父はサンデーサイレンス

母母父にリボー系のアレミロード。

8代の血統表にはリボーのクロス(6+8×5)もあり、どこかで大きな仕事をしそうな雰囲気はある。

ダイアトニックの近走

19/2/17 斑鳩S(1600万下)京都芝1400m

着順:1着(クビ差)騎手:北村友一(57キロ)

7頭立ての小頭数で中団をキープ。

直線ではレインボーブラックとの追い比べ、絶対に抜かせない勝負根性が垣間見れた。

得意コース、得意の距離で完勝。

19/3/30 ダービー卿CT(G3)中山芝1600m

着順:4着(0.2差)騎手:北村友一(54キロ)

16頭立ての14番ゲートから出遅れて後方からの競馬。

ペースが流れて消耗戦となった直線、外から強襲するがわずかに届かず。

上りはメンバー最速の33.4秒。

出遅れが響いたが、枠順もきつかった。

19/5/26 安土城S(L)京都芝1400m

着順:1着(クビ差)騎手:北村友一(54キロ)

中団につけて、直線では馬場の真ん中から抜け出してきて、リバティハイツとの追い比べを制してゴール。

着差は僅差だが、この馬の絶対に抜かせようとしない勝負根性はかなりのものがあると思う。

19/10/26 スワンS(G2)京都芝1400m 稍重

着順:1着(ハナ差)騎手:北村友一(56キロ)

外枠の17番から、無理せず中団後ろで脚を溜める。

直線はちょっと届かないかな? と思った位置からもきっちり届いて重賞初制覇。

京都での4連勝は、ハナ、クビ、クビ、ハナ、とすべて僅差を制している。

並んだら抜かせない勝負根性はかなりのもの。

19/11/17 マイルCS(G1)

京都 芝1600m 良 17頭

着順:10着(1.33.8・0.8差)

騎手:スミヨン(57キロ)

8枠15番からのスタートで位置取りは後方。

4角は外を回して直線を向いたが、残り200mで脚色が怪しくなる。

ギリギリの距離。

この枠番では厳しかった。

20/1/5 京都金杯(G3)

京都 芝1600m 良 18頭

着順:2着(1.34.2・0.2差)

騎手:北村友一(57キロ)

今度は内枠6番をゲット。

五分のスタートで中団にポジションを取ると、終始ラチ沿いの経済コースを通って直線を向く。

これなら弾ける。上り最速の34.3秒。

1着のサウンドキアラは53キロの軽ハンデ。

これは仕方ない。

20/3/1 阪急杯(G3)

阪神 芝1400m 良 18頭

着順:3着(2着降着)(1.20.3・クビ差)

騎手:北村友一(57キロ)

2枠3番から好位の4番手。

直線は狭い進路をこじ開けて抜け出すが、ゴール前ベストアクターにクビ差交わされて2着。

しかし狭い進路が開いた際に斜向して飛び込んだとしてペナルティー。

勝ったベストアクターとは1キロの斤量差があったとは言え、ここは勝っておきたかったろころ。

20/3/29 高松宮記念(G1)

中京 芝1200m 重 18頭

着順:3着(1.08.7・着差なし)

※(1着馬の降着で4着が繰り上がりの3着)

騎手:北村友一(57キロ)

2枠3番から先行力を生かして4番手追走。

直線も内を突いて伸びて来るが、ゴール前クリノガウディーに外から寄られて騎手は思わずブレーキ。

スピードに乗っていたところだったので、この不利がなければ勝っていた可能性は高い。

20/6/21 函館スプリントS(G3)

函館 芝1200m 良

着順:1着(1.07.5・-0.3差)

騎手:武豊(58キロ)

道中は2番手追走から逃げるダイメイフジをぴったりマーク。

直線ではいつでも先頭を交わせそうな雰囲気を漂わせながら、残り150mで一発ムチが入ると、すぐさま反応して突き抜けた。

完璧な走り。

2020年 函館スプリントS(G3)のラップ分析&回顧

20/8/30 キーンランドC(G3)

札幌 芝1200m 重

着順:15着(1.12.9・2.3差)

騎手:武豊(58キロ)

道中は中団。

4角は後方12番手で直線も見せ場なし。

道悪とトップハンデで行き脚もつかず、中団馬群の真ん中揉まれた。

札幌の重馬場と言うタフな状況では、1枠で58キロのトップハンデはかなり応えたのではないか?

参考外としても良いようなレース。

2020年 キーンランドカップ(G3)のラップ分析&回顧

20/10/4 スプリンターズS(G1)

中山 芝1200m 良

着順:13着(1.09.7・1.4差)

騎手:横山典弘(57キロ)

道中は中団のやや後ろ、位置取りは外目を追走。

4角も10番手の外目で直線を向き、直線は馬群の外目を追い上げてくるが、良い脚は出せずに13着。

直線では前が塞がる不利はあったが、着順に劇的な影響を与えるほどではなかった印象。

前走から、ちょっと歯車が狂い始めている感じ。

2020年 スプリンターズS(G1)のラップ分析&回顧

 

(※ このあと骨折が判明し、長期休養を余儀なくされる)

 

21/8/29 キーンランドC(G3)

札幌 芝1200m 良

着順:14着(1.10.0・0.9差)

騎手:池添謙一(57キロ)

骨折明け、約10ヵ月ぶりの競馬。

道中は先団4番手の外。

4角は5番手で直線に向くが、直線では粘りが効かずに14着。

まあ、久々の競馬としてはま0.9差、ずまずではないか?

2021年 キーンランドカップ(G3)のラップ分析&回顧

22/1/5 京都金杯(G3・ハンデ)

中京 芝1600m 良

着順:4着(1.33.0・0.1差)

騎手:岩田康誠(57.5キロ)

道中は中団の後ろ、9番手の内ぴったり。

4角も9番手の内で直線に向き、直線は馬群の内目をスルスルと伸びてきて、坂を上りきってからは先頭に立とうかという勢いではあったが、ゴール前少し甘くなって0.1差の4着。

1、2着馬も57.5キロなので斤量のことは言えない。

しかし道中内々の最短コースで、直線も馬場の内目をしっかりと伸びて来た。

1600mでこの走り、完全に復調したと見ていいのでは。

2022年 京都金杯(G3)のラップ分析&回顧

22/2/27 阪急杯(G3)

阪神 芝1400m(内)良

着順:1着(1.19.9・-0.1差)

騎手:岩田康誠(56キロ)

スタート良く、序盤はハナを切る勢いだったが、外からモントライゼが主張したので控えるかたち。

しかし道中は手綱をグッと抑える格好で先団3番手の内。

4角も3番手の内で直線に向き、直線は逃げ粘るモントライゼの内の狭いところをこじ開ける感じで抜け出すと、そのままトゥラヴェスーラの追撃をクビ差凌いでゴール。

当日は馬場の内目が伸びる馬場。

得意の1400mで、道中は内ラチ沿いの最短コース。

一分のロスのない競馬が勝ちにつながったが、最後の直線、モントライゼの内をこじ開ける騎乗は、岩田Jならでは。

2022年 阪急杯(G3)のラップ分析&回顧

22/3/27 高松宮記念(G1)

中京 芝1200m 重

着順:14着(1.08.9・0.6差)

騎手:岩田康誠(57キロ)

スタートで出遅れてしまい最後方からの競馬になる。

4角も最後方の内で直線に向き、直線は馬場の最内から追い上げに入るが、良い脚は出せずに14着。

出遅れが響いた。

2022年 高松宮記念(G1)のラップ分析&回顧

22/6/5 安田記念(G1)

東京 芝1600m 良

着順:着(1.32.3・クビ差)

騎手:(58キロ)

【レース前寸評】

前走は出遅れがすべて。

千六はギリギリの距離だが、道中最短コースを通れれば、騎手の手腕も込みで、上位に食い込める力はある。

【結果】

外枠12番から道中は3番手追走。

4角も3番手の内で直線に向いて、坂の上りまではなんとかかんとか粘っていたが、残り200mで一杯気味。

外枠から終始中に入れることができなかった。

内の馬場が荒れていて、各馬内を開けて走っていたのもキツかったのだろう。

ギリギリの距離でこれではしんどい。

2022年 安田記念(G1)のラップ分析&回顧

22/10/2 スプリンターズS(G1)

中山 芝1200m(外)良

着順:4着(1.08.0・0.2差)

騎手:岩田康誠(57キロ)

【レース前寸評】

内にもぐり込んでの粘り腰はまだまだ不気味。

勝ち切るのは難しいにしても、軽視は怖い。

【結果】

道中は中団の前、5番手の内目を追走。

4角は6番手の内目で直線に向くと、直線は馬場の内目から追い上げに入り、しっかりと先頭集団に食らいついて行ったが、ゴール前で少し甘くなって4着まで。

枠順、コース取りに恵まれれば、まだこれくらいは走れる馬。

今回はちょっとペースが速かった感じ。

2022年 スプリンターズS(G1)のラップ分析&回顧

22/10/29 スワンS(G2)

阪神 芝1400m(内)良

着順:1着(1.19.8・-0.2差)

騎手:岩田康誠(56キロ)

【レース前寸評】

得意の内差しが決まってくれば上位食い込みもあるが、不発なら大敗もある。

【結果】

道中は先団5番手の内目を追走。

4角も5番手の内目から、直線はスッと外へ進路を取って追い上げに入り、先団の馬を一気に交わすと今度はスッと内へ移動。

あとは逃げ粘るヴァトレニを交わすと、そのまま押し切ってゴール。

これで1400mは(7-2-0-0)。

1400mは強い。

2022年 スワンS(G2)のラップ分析&回顧

22/12/24 阪神カップ(G2)

阪神 芝1400(内)良

着順:1着(1.20.2・ハナ差)

騎手:岩田康誠(57キロ)

外枠14番から道中は先団4~5番手を追走。

4角は4番手て直線に向き、直線は馬場の3分どころから追い上げに入り、坂の上りでは外から追い込んできたグレナディアガーズとの叩き合い。

坂の途中ではグレナディアガーズに一旦交わされたものの、ゴール前そこからまた差し返してハナ差のゴール。

苦手にしていた消耗戦だが、相手関係がやや手薄だったので、なんとか勝ちをもぎ取ることができた。

それにしても最後に差し返してきた勝負根性は評価できる。

まだまだやれそうだがこれで引退。

来年からはオーストラリアで種牡馬となる。

2021年 阪神カップ(G2)のラップ分析&回顧