2020年5月3日【天皇賞(秋)】終了時点までのデータをもとに、フィエールマンの好走パターンを分析。
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フィエールマンの距離適性
フィエールマンはこれまでに芝1800m~芝3200mまでの距離のレースに使われてきた。
各距離の着度数は次の通り;
- 芝1800m(2-1-0-0)
- 芝2000m(0-1-1-0)
- 芝2200m(0-1-0-0)
- 芝2400m(0-0-0-1)
- 芝2500m(0-0-0-1)
- 芝3000m(1-0-0-0)
- 芝3200m(2-0-0-0)
長距離砲であることは間違いないが、中距離はどうか?
1800mの成績は全て3歳戦。
古馬になってからは3000m以下では勝ち鞍がない。
しかし、勝ち鞍はないが馬券圏内には来ているので、まったく走らないとも言い切れない。
フィエールマンの場合、距離そのものよりも展開ではないか?(後述)
フィエールマンの脚質
基本的に、中団あたりで脚を溜めて、直線で「差す」競馬。
連対したレースのほとんどが、上り3Fメンバー最速。
長距離を走り切るスタミナと瞬発力を併せ持つ。
フィエールマンのコース適正
フィエールマンの競馬場ごとの着度数は次の通り;
- 札幌(0-0-1-0)
- 福島(0-1-0-0)
- 東京(1-1-0-0)
- 中山(1-1-0-1)
- 京都(3-0-0-0)
- ロンシャン(0-0-0-1)
競馬場による得意、不得意は特に認められない。
フィエールマンの持ち時計(ベストタイム)
フィエールマンの持ち時計は次の通り;
- 芝1800m:1.46.2 2着(福島)
- 芝2000m:1.57.9 2着(東京)
- 芝2200m:2.13.7 2着(中山)
- 芝2400m:2.41.7 12着(ロンシャン)
- 芝2500m:2.31.6 4着(中山)
- 芝3000m:3.06.1 1着(京都)
- 芝3200m:3.15.0 1着(京都)
3000m以上の長距離戦も含めて、フィエールマンの持ち時計は決して速くはない。
フィエールマンの重馬場適正
フィエールマンの稍重も含めた道悪競馬での実績は;
- 重(0-0-0-1)
道悪は「凱旋門賞」での成績のみ。
国内では、洋芝の札幌での「札幌記念(G2)」で0.2差の3着。
フィエールマンはパワーの要する道悪競馬は、あまり得意ではないのかもしれない。
フィエールマンの鉄砲実績(休み明け)
フィエールマンの10週(中9週)以上の休み明けでの成績は;
- 10週以上(4-3-1-1)
フィエールマンはそのレースのほとんどすべてを中10週以上を置いて使ってきている。
なので休み明け云々と言う概念はあまり当てはまらない。
フィエールマンの枠順適正
フィエールマンの枠番別着度数は;
- 1~4番(0-1-0-0)
- 5~9番(1-2-1-2)
- 10~14番(3-0-0-0)
- 15~18番(1-0-0-0)
フィエールマンの季節別着度数
- 12~2月(冬):(1-1-0-1)
- 3~5月(春):(3-0-0-0)
- 6~8月(夏):(0-1-1-0)
- 9~11月(秋):(1-1-0-1)
フィエールマンの斤量別着度数
- 54キロ(0-1-0-0)
- 56キロ(2-0-0-0)
- 57キロ(1-1-1-1)
- 58キロ(2-1-0-0)
- 59.5キロ(0-0-0-1)※凱旋門賞
フィエールマンの好走体重
3着以内の体重は;
- 476~490キロ
フィエールマンの血統背景
父はディープインパクト(サンデー系)。
母の父はグリーンチューン(ND系ニジンスキー)。
グリーンチューンは欧州で走り、G1を2勝。主戦場は芝の1600~2000m。
フィエールマンの評価
「菊花賞」と「天皇賞(春)」を勝っているのだから、強い馬であることは疑う余地はないが、スタミナとパワーを総動員する底力に関しては、少し物足りない印象がある。
2018年の「菊花賞」と2019年、2020年の「天皇賞(春)」はどちらも道中緩いペースからの終い勝負。
一方で、重馬場で行われた2019年の「凱旋門賞」では殿負け。道中かなりのハイペースとなった2019年の「有馬記念」では4着ではあるが1.1秒はなされている。
「有馬記念」は直線では一旦先頭に立って4着に粘ったのだから、好走と言う見方もできるが、最後にバテたことには変わりはない。
「底力」と「道悪」に若干の不安要素。
まだまだデータが少ないので、断定することはできないが、これまでのキャリアだけをみると、そんな印象を持つ。
フィエールマンの近走
19/8/18 札幌記念(G2)
札幌 芝2000m 良 14頭
着順:3着(2.00.3・0.2差)
騎手:ルメール(57キロ)
道中は中団のやや後ろにポジションを取る。
3~4角では押して押して進出を開始して、4角大外から直線に向く。
直線は馬場の外目から伸びてくるが、ペルシアンナイトとワグネリアンを交わすのが精一杯。
馬場は前日の昼まで稍重で、札幌記念当日も時計は少しかかっていた。
19/10/6 凱旋門賞(G1)
ロンシャン 芝2400m 重 12頭
着順:12着(2.41.7・大差)
騎手:ルメール(59.5キロ)
2番ゲートからスタート良く道中は2~3番手。
しかしフォルスストレートの終わりでエネイブルに交わされると、そこからはズルズルと失速。
そして最後の直線では殿を走る悲しい姿。
ロンシャン競馬場の重馬場では、まったく力を発揮できなかった。
19/12/22 有馬記念(G1)
中山 芝2500m 良 16頭
着順:4着(2.31.6・1.1差)
騎手:池添謙一(57キロ)
3枠5番から道中は中団。
3角を回って進出を開始して、4角は9番手の外から直線。
直線は早々に抜け出して一瞬先頭に立ったと思われたが、
そこからリスグラシュー、サートゥルナーリアの強襲を受け、さらにゴール前では後方待機のワールドプレミアにも差されて4着。
せめて3着は死守して欲しかったが・・・。
20/5/3 天皇賞(春)(G1)
京都 芝3200m 良
着順:1着(3.16.5・ハナ)
騎手:ルメール(58キロ)
道中は中団。
キセキの大逃げはあったが、全体としてはスローペース。
フィエールマンの得意の展開だったが、着差はハナ差。
緩すぎて、前にいたスティッフェリオに残られる寸前での差し切り勝ち。
レースのレベルとしてはどうか?
20/11/1 天皇賞(秋)
東京 芝2000m 良
着順:3着(1.57.9・0.1差)
騎手:北村友一(56キロ)
道中は中団馬群の後ろ。
スタート後の不利は悔やまれるが、力はしっかり出し切った。
もともとスローの瞬発力勝負はこの馬の十八番。
2000mの距離がどうかと思ったが、スローのヨーイドンなら関係なかった感じ。
フィエールマンの次走
次走は12月27日(日)、中山競馬場 芝2500mで行われる「有馬記念(G1)」。
昨年は4着だが、このレースの質自体、この馬には合っていない気がする。
上位争いはしてきても、勝ち負けはどうか?