2020年3月1日【中山記念】終了時点までのデータをもとに、ウインブライトの好走パターンを分析。

ウインブライトの距離適性

ウインブライトはこれまでに、芝1600m~芝2400mまでの距離に使われてきた。

各距離の着度数は次の通り;

  • 芝1600m(0-1-0-2)
  • 芝1800m(5-0-0-4)
  • 芝2000m(4-1-0-3)
  • 芝2200m(0-0-0-1)
  • 芝2400m(0-0-0-1)

芝1600m(0-1-0-2)

2歳時の「ひいらぎ賞(500万下・中山)」で0.2差の2着。

それ以降は4歳時;

  • 富士S(G3)10着(0.8差)東京
  • マイルCS(G1)9着(0.4差)京都

と、イマイチ。

ただ、ウインブライトは大の中山巧者なので、中山で行われるマイル重賞なら激走する可能性も少なくはない。

芝1800m(5-0-0-4)

未勝利戦でこの距離を東京競馬場で勝って以降、この距離で重賞(G2)を3勝している。

ただ、全5勝のうち4勝が中山競馬場。3敗すべてが中山以外の競馬場と、かなり偏った成績になっている。

なので、この馬の場合、距離適性は合致しても、コース適正がダメなら、全く走らない可能性が高い、と言うことだけは忘れてはならない。

芝2000m(4-1-0-3)

中山競馬場で唯一3着以内を外しているのがこの距離。

しかし同時に、初めてG1(クイーンエリザベスⅡ世カップ・香港)を獲ったのもこの距離、それもレコード。

中山での8着は3歳クラシック初戦の「皐月賞(G1)」。

このレースは外枠17番からの発走で終始外々を回る競馬。

然しもの中山巧者のウインブライトも、これでは0.5差が精一杯。

一方「クイーンエリザベスⅡ世カップ」は1番ゲートスタートで終始内々。最後は坂のない沙田競馬場の直線に入り、満を持して追い出して差し切った。

これらのレースを見るに、ウインブライトにとって2000mの距離はギリギリのような印象を受ける。

相手関係が手薄なら問題はないが、上のクラスになるとやはり、外枠スタートで外々を回る展開だと苦しくなる。

ただ上のクラスでも、内枠スタートで内々を回る展開だと嵌れば飛んでくる。

芝2200~2400m(0-0-0-2)

2200mは「オールカマー(G2)」で1.5差の9着。

2400mは『日本ダービー(G1)」に出走して1.5差の15着。

どちらの距離もこの馬にとって長いと考えていいだろう。

ウインブライトの脚質

ウインブライトの好走時の脚質は、「先行策」と中団馬群からの「差し」。

内枠に入ると先行するパターンが多く、その場合好走する確率も高くなる。

中団馬群からだと、「切れる脚」自体はないので、展開の助けが必要になる。

基本的にウインブライトは長く良い脚を使うスピード持続型の競馬。瞬発力勝負では苦戦を強いられる。

なので展開としては、前目につけてそのまま押し切るのが理想のかたち。

中山競馬場を得意とし、東京競馬場を苦手とするのもそのためだろう。

ウインブライトの持ち時計(ベストタイム)

ウインブライトの各距離でのベストタイムは次の通り;

  • 芝1600m:1.32.5 10着(東京)
  • 芝1800m:1.45.5 1着(中山)
  • 芝2000m:1.57.3 8着(東京)
  • 芝2200m:2.13.5 9着(中山)
  • 芝2400m:2.28.4 15着(東京)

各距離のベストタイムを見ただけでも、芝1800mが適距離で、芝2000mになるとちょっと長い(ギリギリ)というのが良く分かる。

「中山記念(G2・中山芝1800m)」で出した1.45.5は評価できる時計。

高速馬場も中山限定なら十分に対応できる。

ウインブライトのコース適正

ウインブライトの競馬場ごとの着度数は次の通り;

  • 福島(1-0-0-1)
  • 東京(1-0-0-5)
  • 中山(5-2-0-3)
  • 京都(0-0-0-1)
  • 阪神(0-0-0-1)
  • 海外(2-0-0-0)

中山巧者というのは良く分かる。

瞬発力が要求されることが多い東京競馬場を苦手としていることも良く分かる。

また、左回りは(1-0-0-5)で、東京コース以外では左回りの出走はないことから、「左回り」自体を苦手としている可能性もある。

ちなみに東京での1勝は「未勝利戦」でのもの。

その他の競馬場は出走数自体が少ないので、ローカル開催などで、芝1800~2000mの重賞で内枠に入った場合などは、そこそこ走ってくるような気はする。

ウインブライトの枠順適正

ウインブライトの枠番別着度数は;

  • 1~4番(4-1-0-1)
  • 5~9番(2-1-0-3)
  • 10~14番(3-0-0-4)
  • 15~18番(0-0-0-3)

ウインブライトは何と言っても、前目の競馬での好走が目立つ。

なので、スタートしてすんなり前に取り付ける内枠は重要。

外枠からでも競馬はできるが、特にギリギリの距離と考えられる2000mの距離では、やはり内枠は必須だと思う。


ウインブライトの重馬場適正

ウインブライトのこれまでの道悪競馬の実績はなく、稍重馬場では未勝利戦で勝利している。

ウインブライトはどちらかと言えばパワーに秀でた競走馬なので、血統背景を考慮に入れても、道悪は走ってくるとは思うが・・・。

ウインブライトの鉄砲実績(休み明け)

ウインブライトの10週(中9週)以上の休み明けでの成績は;

  • 10週以上(1-0-0-4)

叩いてからは;

  • 2戦目(1-1-0-2)
  • 3戦目(3-1-0-0)
  • 4戦目(3-0-0-0)
  • 5戦目~(1-0-0-3)

明らかに叩き良化型。

ウインブライトの季節別着度数

  • 12~2月(冬):(5-2-0-0)
  • 3~5月(春):(2-0-0-4)
  • 6~8月(夏):(0-0-0-2)
  • 9~11月(秋):(2-0-0-5)

ウインブライトの斤量別着度数

  • 54キロ(1-0-0-2)
  • 55キロ(1-1-0-1)
  • 56キロ(3-1-0-0)
  • 57キロ(3-0-0-4)
  • 58キロ(1-0-0-4)

ウインブライトの好走体重

3着以内の体重は;

  • 460~492キロ

ウインブライトの血統背景

父はステイゴールド(サンデー系)。

母の父はアドマイヤコジーン(ナスルーラ系グレイソヴリン)。

アドマイヤコジーンは、1998年の「朝日杯3歳S(G1・芝1600m)」、2002年の「安田記念(G1・芝1600m)」を勝っている。

ウインブライトの近走

19/1/5 中山金杯(G3)中山芝2000m

着順:1着(-0.1差)騎手:松岡正海(58キロ)

11番ゲートからのスタートでポジションは中団馬群。

残り600mから仕掛けに行って、直線残り200mではまだ5~6番手。

しかし坂を上ってグイグイ伸びて、ゴール前では先団をまとめて差し切ってゴール。

トップハンデ58キロでも、中山でこのクラスならまだまだ格上。

19/2/24 中山記念(G2)中山芝1800m

着順:1着(クビ差)騎手:松岡正海(57キロ)

離して逃げたマルターズアポジーとそれを追うラッキーライラックで1000m通過が58.2秒。

4番手でそれを追ったウインブライトは、直線の坂でジワジワ差を詰め、ゴール前で見事に差し切る。

ベストの距離、ベストの競馬場で最内1番ゲートとくれば、G1馬が多数参戦してきたG2クラスでも存在感を示した。

19/4/28 QE2世カップ(G1)沙田芝2000m

着順:1着(-0.1差)騎手:松岡正海(57キロ)

馬番は4番だがゲートは1番ゲート。

終始内々でレースを運び。最後は坂のない沙田競馬場の直線、満を持して追い出して差し切った。

初のG1戴冠。5歳になってさらなる飛躍か。

19/9/22 オールカマー(G2)中山芝2200m

着順:9着(1.5差)騎手:松岡正海(57キロ)

得意の中山競馬場。

好位をキープして競馬を進め、ペースも緩く、この馬にとっては最高の展開だったが、直線残り200mで急激な失速。

鞍上の松岡騎手も「距離が長い」と距離不安を認めている。

19/10/27 天皇賞(秋)(G1)

東京 芝2000m 良

着順:8着(1.57.3・1.1差)

騎手:松岡正海(58キロ)

秋天では適正条件が違い過ぎる。

8着ならよく走った方だと思う。

19/12/8 香港カップ(G1)

シャティン競馬場 芝2000m 良

着順:1着(2.00.5・ハナ差)

騎手:松岡正海(57キロ)

外枠に入ったが、テンでしっかり先団に取り付いて、直線もきっちり抜け出した。

得意コースではめっぽう強いウインブライトだが、シャティン競馬場の芝2000mも得意コースの一つになった感じ。

20/3/1 中山記念(G2)

中山 芝1800m 良

着順:7着(1.47.2・0.9差)

騎手:ミナリク(58キロ)

道中は中団、終いも良い脚は出せずに終わる。

そこそこの強豪がそろう中、トップハンデの58キロ。

休み明けも良くない馬なので、いくら得意のレースと言ってもこんなものだろう。

2020年 中山記念(G2)のラップ分析&回顧

ウインブライトの次走

次走は11月1日(日)、東京競馬場 芝2000mで行われる「天皇賞(秋)(G1)」。

およそ8ヵ月ぶりとなる競馬はこの馬としては最長。

強調材料がまったくない。

12月の香港には予備登録済み。

ここは明らかにウォーミングアップ。

 

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