2020年3月28日【日経賞】終了時点までのデータをもとに、エタリオウの好走パターンを分析していきます。

エタリオウの距離適性

エタリオウはこれまでに、芝2000m~芝3200mの距離のレースに使われてきた。

各距離の着度数は次の通り;

  • 芝2000m(1-1-0-1)
  • 芝2200m(0-0-0-1)
  • 芝2400m(0-4-0-3)
  • 芝2500m(0-1-0-2)
  • 芝3000m(0-1-0-0)
  • 芝3200m(0-0-0-1)

芝2000m(1-1-0-1)

この距離は、2歳500万条件のレースに使われて以降出走機会はない。

とにかくエンジンのかかりが遅い馬なので、この距離はちょっと短いのかもしれない。

芝2200m(0-0-0-1)

宝塚記念(G1)に走って1.8差の9着。

ジョッキーは天皇賞の激走が影響している可能性を挙げているが、阪神内回りコースもこの馬には不向きな印象。

2200mの距離自体もまだ少し短いのではないか。

芝2400m(0-4-0-3)

エタリオウが本領を発揮しはじめるのは、やはりこれくらいの距離からだろう。

4着の「日本ダービー(G1)」も着差は0.2差。

このレース鞍上のボウマン騎手は「内枠なら勝ち負けできたと思う」とのコメントを残している。

芝2500m(0-1-0-2)

2019年の「日経賞(G2)」で0.2差の2着。

十分に力は示しているが、1番ゲートから出たメイショウテッコンにマイペースの逃げを許した。追い上げに使った脚も裏目に。

2着が多いエタリオウだが、「ワンパンチ足りない」と言うよりも、「ツキがない」と言った方がしっくりする感じ。

芝3000m~3200m(0-1-0-1)

「菊花賞(G1)」のハナ差の2着と、「天皇賞・春(G1)」の1.0差の4着。

「天皇賞」は完敗としても、「菊花賞」はハナ差。

まさにその差は馬場の内を通ったか外を通ったかの違いくらい。

ここも「力が足りなかった」というよりは「ツキがなかった」と言える敗戦。

「最強の1勝馬」と呼ばれるエタリオウだが、展開やペース、それにツキさえ合致すれば、2勝目はあっさりと転がり込んで来るようにも思う。

エタリオウの脚質

中団~先団でスピードを生かして粘り込む競馬や、後方から一気に追い込んでくる競馬。

2着続きなので、どちらが合っているとは言い難いが、この馬の場合は要は気性。

真面目に走ると強いのだが、どうすれば真面目に走るのかが課題ではないか?

悪く言えば「ムラ馬」で、いつ走るのか分からない。


エタリオウのコース適正

エタリオウの競馬場ごとの着度数は次の通り;

  • 東京(0-1-0-2)
  • 中山(内)(0-1-0-2)
  • 京都(内)(1-0-0-0)
  • 京都(外)(0-2-0-2)
  • 阪神(内)(0-1-0-2)
  • 阪神(外)(0-2-0-0)

あえて内外を分けてみたが、表面的には特出した違いは見られない。

けれど、エンジンのかかりが遅いエタリオウにとって、小回りで直線の短いコースはやはり不向きだと思う。

次に勝つ時が来るとするなら、東京コースか、直線が長い外回りコースだと思うのだが・・・どうだろう?

エタリオウの持ち時計(ベストタイム)

エタリオウの各距離でのベストタイムは次の通り;

  • 芝2000m:2.01.2 1着(京都)
  • 芝2200m:2.12.6 9着(阪神)
  • 芝2400m:2.23.8 4着(東京)
  • 芝2500m:2.32.4 10着(中山)
  • 芝3000m:3.06.1 2着(京都)
  • 芝3200m:3.16.0 4着(京都)

芝2400mは「日本ダービー(G1)」での時計。

過去10年のダービーの走破時計と比較しても、そこそこ速い。

速い芝の高速決着でも普通に対応は出来そう。


エタリオウの近走診断

19/3/23 日経賞(G2)中山芝2500m 稍重

着順:2着(0.2差)騎手:M・デムーロ(55キロ)

これだけ実績のあるエタリオウが、G2の別定戦では斤量が55キロ。

2着続きの恩恵を一番発揮できる舞台設定だったが、メイショウテッコンの、というか武豊騎手の絶妙の逃げに0.2秒屈した。

メイショウテッコンが1番ゲートでさえなければ、結果もまた違っていたと思う。

19/4/28 天皇賞・春(G1)京都芝3200m

着順:4着(1.0差)騎手:M・デムーロ(58キロ)

このレースは完敗。

2番ゲートからなのに、折り合いを気にしてか? 最後方からの競馬。

ずっと最後方待機から、3角手前からスパートを開始して、4角では5番手に取り付くが、直線では伸びきれず4着。

折り合いを気にしてこんな競馬をするくらいなら、引っかかり覚悟で積極的に前々でレースを進めるべきだと思うが。

19/6/23 宝塚記念(G1)阪神芝2200m

着順:9着(1.8差)騎手:横山典弘(58キロ)

距離、コース共に、エタリオウには合っていないと思う。

重ねて天皇賞での疲れも影響した様子。

19/10/6 京都大賞典(G2)

京都 芝2400m

着順:5着(0.6差)騎手:横山典弘(56キロ)

スタートが一息で後方からの競馬。

4角大外を回して追い込んでくるが0.6差まで詰めるのがやっと。

近走はずっと後ろからの競馬だが、位置を取りにいく競馬はできないものか?

19/11/24 ジャパンカップ(G1)

東京 芝2400m 重 15頭

着順:7着(2.26.9・1.0差)

騎手:横山典弘(57キロ)

重馬場の中、ガチガチの消耗戦。

7着に粘ったのはさすがと言うべきか? 離され過ぎと見るべきか?

19/12/22 有馬記念(G1)

中山 芝2500m 良 16頭

着順:10着(2.32.4・1.9差)

騎手:横山典弘(57キロ)

今回も良馬場ではあるが、ハイペースの消耗戦。

こんなレースこそ脚を溜めて終いを生かせば、もう少し着順は上がったかもだが、これだけは結果論。

20/3/28 日経賞(G2)

中山 芝2500m 良 14頭

着順:6着(2.33.5・0.6差)

騎手:岩田康誠(56キロ)

道中は中団の5~6番手あたり。

3角を過ぎて早めの進出、4角では2番手で直線に向くが、坂下あたりから伸びを欠く。

見せ場は作ったが、これでは好走と言うにはほど遠い。

エタリオウの次走

次走は京都競馬場 芝3200mで行われる「天皇賞・春(G1)」。

現状だと、大きな期待はできない。