ソールオリエンスのキャリアはまだ浅いので、近走のみを振り返る。

ソールオリエンスの前走

23/1/15 京成杯(G3)

中山 芝2000m(内)良

着順:1着(2.02.2・-0.4差)

騎手:横山武史(56キロ)

道中は中位の5番手の外目を追走。

4角も5番手で回ってはくるが、外に大きく膨れてしまう。

そのあと立て直して、直線は坂の上りで先頭に立つと、あとは突き抜けてゴール。

4角で膨れる場面はあったが、最後の伸び脚は力強かった。

まだ粗削りながら、素質を秘めた一頭。

ただ、道中のペースがペースだけに、この末脚も鵜呑みにはできない。

2023年 京成杯(G3)のラップ分析&回顧

23/4/16 皐月賞(G1)

中山 芝2000m(内)重

着順:1着(2.00.6・-0.2差)

騎手:横山武史(57キロ)

スタート五分も、まったく行く気なく、後方に控えるかたち。

道中も後方15番手の外目、いつでも動けるポジションでの追走。

3角を過ぎても進出の気配なく、4角を17番手の大外で直線に向く。

直線は馬群の大外から追い上げに入り、坂下ではまだ先頭との差は4~5馬身はあっただろうか?

それを坂の上りで一気に交わして突き抜けてのゴール。

もの凄い脚でクラシック一冠目をものにした。

ただ、通ったところは馬群の大外、馬場もほぼ傷んでいない部分からの追い込み。

それに、レースの上りは37.2秒を要しており、完全に後ろ有利の展開だったことも事実。

坂の上りでの強烈な伸びを見ても、脚力があることは間違いないが、そうは言っても上り3Fは35.5秒の脚。

これまでにまだ高速決着の経験もないだけに、速い時計、軽い芝でどれだけやれるのかはまだ未知数ではある。

現時点で、あまり過大評価しすぎるのも考え物だとは思う。

2023年 皐月賞(G1)のラップ分析&回顧

23/5/28 日本ダービー(G1)

東京 芝2400m 良

着順:2着(2.25.2・クビ差)

騎手:横山武史(57キロ)

道中は中団の前、6番手の内目を追走。

4角も6番手で直線に向き、直線は馬群の中ほどから追い上げを計るが、坂の上りで先にビュンと加速した勝ち馬に比べて、この馬はややもたついている感じ。

坂を上り切って残り200mから先頭との差を詰めては行くが、結局クビ差の2着に終わる。

鞍上としては、坂の頂上で射程圏に捉え、残り200mで先頭を交わす腹積もりだったのか?

何とか2着を死守して「皐月賞馬」の面目は保ったが、良馬場の「キレ」に関しては課題を残したのではないか?

2023年 東京優駿(日本ダービー・G1)のラップ分析&回顧

23/9/18 セントライト記念(G2)

中山 芝2200m(外)良

着順:2着(2.11.7・0.3差)

騎手:横山武史(56キロ)

外枠14番から、道中は中団9~10番手の外を追走。

3~4角で外に振られる不利があり、4角は大きく膨れて、9番手の大外で直線。

直線は馬群の大外から追い上げを計り、懸命に先頭を追うが、0.3差届かずの2着。

4角で外に振られて大きく膨らんだのは痛かった。

道中もほぼ外目を通っており、勝ち馬と比べて距離ロスは顕著。

ただそれでも、しっかり2着を確保するあたり、同世代では力のあるところは示した格好。

2023年 セントライト記念(G2)のラップ分析&回顧

23/10/22 菊花賞(G1)

京都 芝3000m(外)良

着順:3着(3.04.0・0.9差)

騎手:横山武史(57キロ)

道中は中団の後ろ、12番手あたりを追走。

2周目の3角では15番手あたりまで順位を落とすが、下り坂から進出を開始して、4角は8番手の大外で直線。

直線は馬群の大外から追い上げを計り、良い脚で伸びてはくるが3着まで。

やはりこの馬は、終いの脚がそれほど切れる馬ではないと思う。

世代間の戦いでは上位に来れたが、古馬に混じってどうか?

2023年 菊花賞(G1)のラップ分析&回顧

23/12/24 有馬記念(G1)

中山 芝2500m(内)良

着順:8着(2.31.6・0.7差)

騎手:川田将雅(56キロ)

1枠1番から序盤は中団の後ろ、10番手の最内。

向正面では最内を嫌ってやや外に出そうとするが馬群に囲まれるかたちで動きにくそう。

4角は後方寄りの12番手の馬群の中で直線に向いて、直線は内目に進路を取って追い上げを計るが、途中進路が狭くなったりで、スムーズさを欠いて8着まで。

スムーズな競馬ができなかったことは事実だが、良馬場の高速決着、持続力勝負で古馬勢に通用するか否かはちょっと懐疑的なまま。

2023年 有馬記念(G1)のラップ分析&回顧

24/2/25 中山記念(G2)

中山 芝1800m(内)稍重

着順:4着(1.48.6・0.5差)

騎手:田辺裕信(58キロ)

道中は中団の後ろ、12番手あたりを追走。

4角は12番手の大外を回して直線に入り、直線は馬群の大外から追い上げを計り、良い脚で伸びてはくるが0.5差の4着まで。

「皐月賞」はこんな展開を大外からまとめて交わして行ったが、今回は道中のペースも速く、終いの脚も36秒台。

いずれにしてもこの位置取りから、終いの脚もそこまで切れないとなると、勝ち切るにはどうしても展開の助けが必要になってくる。

2024年 中山記念(G2)のラップ分析&回顧

24/3/31 大阪杯(G1)

阪神 芝2000m(内)良

着順:7着(1.58.7・0.5差)

騎手:横山武史(58キロ)

序盤は中団の後ろ10番手の外。

向正面でローシャムパークが動いて行ったところでこの馬もあとを追って進出を開始し、3角4番手、4角も4番手の外で直線に向くが、直線では脚が残っていなかった様子。

いつもとは違った競馬を試みたが、長く良い脚は使えなかった。

2024年 大阪杯(G1)のラップ分析&回顧


ソールオリエンスの脚質

現状では先行策、中団~後方からの追い込みがメインの脚。

しかし後方からスパッと切れる脚があるわけではなさそうなので、あまり後ろからになると差し届かないどころか、馬券圏外に飛ぶ。

なので道中の位置取りは最低でも中団あたりが欲しいところだが、近走をみるに、スタートからの行き脚があまりよくない。

そうなるとどうして展開の助けが必要になってくる。

上りがかかって良いタイプであることは確か。

2023年の「皐月賞馬」だが、古馬になってどうか?


ソールオリエンスの血統背景

父はキタサンブラック(サンデー系ブラックタイド/菊花賞、春天連覇、秋天、JC、大阪杯、有馬記念)。

スキアは、フランスの芝の重賞(2100m)を勝っている。

母の父はモティヴェーター(ND系サドラーズウェルズ)。

モティヴェーターは欧州で走り「英ダービー」など、芝のG1を2勝。主要距離はマイルから2000mあたりまで。

ソールオリエンスは半兄にヴァンドギャルド(富士S、ドバイターフ2着)。

「皐月賞」で見せた豪快な末脚から、この馬も、同じキタサンブラック産駒のイクイノックス並みの末脚があるかのように論じられている節があるが、イクイノックスの母父は同じノーザンダンサー系でもリファール系。一方のソールオリエンスの母父はノーザンダンサー系のサドラーズウェルズ系。

キタサンブラック自身は決してキレる馬ではなかったので、そのキレを母方に求めるならば、この違いは意外に大きいと思うが、どうか?