2021年12月26日【有馬記念】終了時点までのデータをもとに、クロノジェネシスの好走パターンを分析。
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クロノジェネシスの距離適性
クロノジェネシスはこれまでに芝1600m~芝2400mまでの距離のレースに使われてきた。
各距離の着度数は次の通り;
- 芝1600m(1-1-1-0)
- 芝1800m(2-0-0-0)
- 芝2000m(1-1-1-0)
- 芝2200m(3-0-0-1)
- 芝2400m(0-1-1-1)※2410mを含む
- 芝2500m(1-0-1-0)
中距離から2500m前後は問題なさそう。
クロノジェネシスの脚質
先団、もしくは中団の前、一貫したペースで押し切るスピード持続型の競馬で持ち味を発揮する。
瞬発力もないわけではないが、一線級の馬相手ではどうしても切れ負けする印象。
緩いペースよりも締まったペースの方が戦いやすい。
スタミナ、パワーを要する道悪、消耗戦にも強い。
クロノジェネシスのコース適正
クロノジェネシスの競馬場ごとの着度数は次の通り;
- 東京(2-0-2-0)
- 中山(1-0-1-0)
- 京都(2-0-0-1)
- 阪神(2-2-1-0)
- 小倉(1-0-0-0)
- ドバイ(0-1-0-0)
- ロンシャン(0-0-0-1)
総じて、コースによる得手不得手はなさそうだが、東京コースでキレッキレの瞬発力を求められた場合にはやや劣勢かもしれない。
クロノジェネシスの持ち時計(ベストタイム)
クロノジェネシスの持ち時計は次の通り;
- 芝1600m:1.33.1 3着(阪神)
- 芝1800m:1.48.6 1着(東京)
- 芝2000m:1.57.9 3着(阪神)
- 芝2200m:2.10.9 1着(阪神)
- 芝2400m:2.23.2 3着(東京)
- 芝2500m:2.32.2 3着(中山)
ベストタイムの計時でも、そこそこの走りは見せているが、キレ味を求められる高速決着ではやや劣勢か?
クロノジェネシスの重馬場適正
クロノジェネシスの稍重も含めた道悪競馬での実績は;
- 稍重(3-0-0-0)
- 重(1-0-0-1)
道悪では更に強くなる。(重馬場での負けは凱旋門賞)
クロノジェネシスの枠順適正
クロノジェネシスの枠番別着度数は;
- 1~4番(2-0-2-0)
- 5~9番(5-2-2-1)
- 10~14番(0-1-0-1)
- 15~18番(1-0-0-0)
クロノジェネシスは先団、もしくは中団の前につけて持ち味を発揮する馬なので、枠順は内目が欲しいところ。
特に軽い馬場のスピード勝負など、クロノジェネシスが後手に回る可能性のあるレースでは、特に内枠が欲しいだろう。
クロノジェネシスの鉄砲実績(休み明け)
クロノジェネシスの10週(中9週)以上の休み明けでの成績は;
- 10週以上(4-1-2-1)
叩いてからは;
- 2戦目(1-1-0-1)
- 3戦目(未)
- 4戦目(未)
- 5戦目~(未)
クロノジェネシスのローテーション適正
- 連闘(未)
- 中1~2週(未)
- 中3~5週(0-0-1-1)
- 中6~8週(3-2-1-0)
間隔はしっかり開けて臨みたい。
クロノジェネシスの季節別着度数
- 12~2月(冬):(3-1-1-0)
- 3~5月(春):(0-2-2-0)
- 6~8月(夏):(2-0-0-0)
- 9~11月(秋):(3-0-1-2)
クロノジェネシスの斤量別着度数
- 54キロ(3-1-0-1)
- 55キロ(3-2-3-0)
- 56キロ(2-0-1-0)
- 58キロ(0-0-0-1)※凱旋門賞
クロノジェネシスの好走体重
3着以内の体重は;
- 432~478キロ
クロノジェネシスの血統背景
父はバゴ(ナスルーラ系レッドゴッド)。
バゴは欧州で走り、芝のG1を5勝。主戦場は芝の1600m~2400m。
母の父は「NHKマイルC」「ジャパンカップダート」を勝ったクロフネ(ND系ヴァイスリージェント)。
母方の7代前、Nimble Doll(ニンブルドール)から続くラインは、日本、米国で発展を遂げる名牝系。
半姉にノームコア(ヴィクトリアマイル、香港カップ)。
近親にはフサイチリシャール(朝日杯FS)、フサイチエアデール(シンザン記念、ダービー卿CT、マーメイドS、桜花賞2着)など。
クロノジェネシスの評価
3歳時は牝馬クラシック戦線を盛り上げた一頭だったが、古馬になってからは、牡馬をも蹴散らす現役最強牝馬にまで上り詰めた。
脚質はスピード持続型。
前目にポジションを取って持ち味を発揮する。
スローの末脚勝負では、一線級相手にはわずかに切れ負けする印象。
道悪は走る。
クロノジェネシスの近走
19/10/13 秋華賞(G1)京都芝2000m 稍重
着順:1着(-0.3差)騎手:北村友一(55キロ)
ラップタイム(上り:36.4)
- 12.3 – 10.7 – 11.6 – 11.8 – 11.9 – 12.7 – 12.5 – 12.0 – 12.3 – 12.1
秋華賞良馬場平均(過去6レース分)(上り平均:35.0)
- 12.1 – 10.6 – 12.1 – 12.0 – 11.9 – 12.4 – 11.9 – 11.6 – 11.6 – 11.8
稍重馬場にも関わらず、前半1000mが平均よりも0.4秒も速い展開。
1000mを超えて3角の坂を上るあたりで減速するのはいつものことだが、坂の下りに入ってもなかなか加速していかない。
上りは平均よりも1.4秒遅い36.4秒。
全体を通して、かなりの底力が問われたレースとなったが、人気どころで前目につけたダノンファンタジー、コントラチェックあたりは直線残り200mあたりで脱落。
それらの馬より2~3列後ろで脚を溜めたクロノジェネシスが、直線差し切るかたちとなった。
念願のG1初戴冠となったレース。
クロノジェネシスの最後の鮮やかな差し切りが印象的だったが、レース展開が前目につけた馬たちに与えた影響も大きく、コントラチェックなどは15番ゲートから先頭と競り合っていた。
展開と枠順のさじ加減一つで、着順もガラっと入れ替わるような印象もある。
19/11/10 エリザベス女王杯(G1)京都芝2200m
着順:5着(0.3差)騎手:北村友一(54キロ)
序盤のラップで13秒台があるほどの超スローペース。
クロノジェネシスは中団前目のポジション。
4角から直線にかけては内を突いて出てくるが、末脚にイマイチ切れがない。
やはりスローの瞬発力勝負になれば分が悪い。
20/2/16 京都記念(G2)
京都 芝2200m 重 10頭
着順:1着(2.16.4・-0.4差)
騎手:北村友一(54キロ)
アメリカズカップの大逃げ(向う正面で10馬身以上)で、2番手以降はおそらく重馬場なりの平均ペースで追走していたと思われる。
クロノジェネシスは道中は先団の3番手。
4角も3番手で直線へ入ると、前を行くステイフーリッシュ、逃げ一杯のアメリカズカップを楽に交わすと、あとはカレンブーケドールの追い上げも余裕で封じこめてゴール。
2着には2馬身半つけて圧勝。
道悪は強い。
20/4/5 大阪杯(G1)
阪神 芝2000m(内)12頭
着順:2着(1.58.4・クビ差)
騎手:北村友一(55キロ)
道中は勝ったラッキーライラックと同じような位置取りの3~4番手追走。
しかし終始ラッキーライラックは内でクロノは外。
4角ではラッキーライラックよりも先に仕掛けて抜け出しを計るが、直線では内から抜けて来たラッキーライラックにクビ差先着されて惜しい2着。
力負けではなく、枠順の差が出たレースと言えそう。
20/6/28 宝塚記念(G1)
阪神 芝2200m 稍重
着順:1着(2.13.5・-1.0差)
騎手:北村友一(56キロ)
道中は中団から、3角過ぎの勝負どころではキセキのスパートと歩調を合わせるかのように抜群の手応えで上がって行って4角先頭。
直線も残り200mですでに後続を5~6馬身突き放す圧勝劇。
当日の馬場は稍重発表ながら、かなり重たい馬場だった。
この馬は、こういう馬場には滅法強い。
20/11/1 天皇賞(秋)
東京 芝2000m 良
着順:3着(1.57.9・0.1差)
騎手:北村友一(56キロ)
スタート直後に若干の降りがあり、位置取りを少し下げて、中団馬群の後ろあたり。
直線ではアーモンドアイを追い詰めるが、ゴール前フィエールマンにクビ差交わされての3着。
もう少し前目のポジションが取れていたならどうなっていたかは大変興味深いが、キレ味勝負ではここまでか?
20/12/27 有馬記念(G1)
中山 芝2500m 良
着順:1着(2.35.0・クビ)
騎手:北村友一(55キロ)
向正面の中間点あたりまでは後方で競馬を進めていたが、緩いペースを察知したのか? そこからジョッキーは進出を開始して、3角、4角では3~4番手の外で直線に向く。
直線では先に抜け出していたフィエールマンを坂の上りで捉えると、あとはサラキアの猛追を振り切ってゴール。
上り時計はメンバー2位の36.2秒。
馬場も合っていたことは確かだろうが、前からでも後ろからでも、どこからでも勝ちに行ける自在性は頼もしいかぎり。
21/3/27 ドバイシーマクラシック(G1)
メイダン競馬場 芝2410m 良
着順:2着(2.26.6・クビ差)
騎手:北村友一(55キロ)
道中は中団馬群の真ん中、5番手あたりを追走。
3~4角でレースが動いたのに合わせて、クロノジェネシスも進出を開始。
4角は4~5番手の外で直線に向くと、直線は馬群の外目から追い上げを見せ、残り200mでは内のラヴズオンリーユーとの叩き合い。
そこに外からミシュリフも加わって三つ巴の争い。
残り100mではラヴズオンリーユーを交わしたクロノジェネシスだったが、ゴール前は外から来たミシュリフに頭差交わされての2着。
上り時計は分からないが、最後はミシュリフのキレ味に屈したか?
21/6/27 宝塚記念(G1)
阪神 芝2200m 良
着順:1着(2.10.9・-0.4差)
騎手:ルメール(56キロ)
道中は好位の3~4番手。
4角も4番手で直線に向くと、坂の上りで先に抜け出している前の2頭をしっかりと捉え、あとはその差を広げるだけ。
見事なまでの横綱相撲。
「強い」のひとこと。
21/10/3 凱旋門賞(G1)
ロンシャン:芝2400m 重
着順:7着(2.38.5・0.9差)
騎手:マーフィー(58キロ)
序盤は馬群から離れた外目を追走、位置的には先団。
スタートから1000mあたりで馬群に合流し、位置取りは2~3番手。
フォルスストレートでも先団2番手から直線。
直線は残り200mあたりまでは2番手で踏ん張ってはいたが、そこからは後続に呑み込まれるかたち。
しかし大きく失速することはなく、0.9差の7着に粘った。
ロンシャンの重馬場は日本の重馬場とはワケが違うのだろう。
斤量も初めて背負う58キロ。
大健闘だろう。
21/12/26 有馬記念(G1)
中山 芝2500m 良
着順:3着(2.32.2・0.2差)
騎手:ルメール(55キロ)
道中は中団7番手、直後にはエフフォーリアがしっかりとマークしている。
3~4角では外からエフフォーリアに被せられるかたちで動けずに、4角は8番手で直線。
直線は先を行くエフフォーリアをしっかりと追うが、その差は詰まらず3着まで。
「凱旋門賞」からのローテ、疲れがあったと言う報道もあったが、それはそうかもしれない。
しかしそれでも、最後の直線、ステラヴェローチェとの併せ馬から交わされずに3着に食い込むあたり、さすがの強さ。
このレースをもって引退。