2022年9月25日【オールカマー】終了時点までのデータをもとに、クレッシェンドラヴの好走パターンを分析。(※ダート競争は除く)

クレッシェンドラヴの距離適性

クレッシェンドラヴはこれまでに芝2000m~芝3200mまでの距離のレースに使われてきた。

各距離の着度数は次の通り;

  • 芝2000m(4-2-0-5)
  • 芝2200m(2-0-1-5)
  • 芝2400m(0-0-1-2)
  • 芝2500m(0-1-0-3)
  • 芝2600m(1-1-0-1)
  • 芝3200m(0-0-0-1)

芝2000m(4-2-0-5)

古馬になってからは福島記念(G3)を含む4勝、2着が2回と安定した成績を残している。

現状ではこの距離が適距離と考えて間違いなさそう。

芝2200m(2-0-1-5)

条件さえ整えば(後述)、この距離も芝2000m同様走ってきそう。

芝2400m~2600m(1-2-1-6)

馬券圏内はすべて下級条件。

OPではこの距離は長そう。

芝3200m(0-0-0-1)

長い。

クレッシェンドラヴの脚質

クレッシェンドラヴの脚質は主に、中団~後方あたりで折り合いをつけて、早めの仕掛けで先団に進出。そして直線で追い上げるマクリ気味の競馬。

一瞬の切れ味勝負では分が悪いので、長く良い脚を使ったスピード持続力がこの馬の持ち味。

速い時計、高速馬場では苦戦を強いられるが、時計のかかる馬場、上りのかかる展開などでは本領を発揮する。

ただし、齢を重ねた現在では、スローの前残りくらいしか期待は持てない。

クレッシェンドラヴの持ち時計(ベストタイム)

  • 芝2000m:1.58.7 2着(0.1差・福島)
  • 芝2200m:2.12.5 5着(0.5差・中山)
  • 芝2400m:2.25.3 13着(2.3差・東京)
  • 芝2500m:2.32.4 4着(0.7差・中山)
  • 芝2600m:2.40.3 2着(0.1差・福島)
  • 芝3200m:3.21.1 14着(4.9差・阪神)

芝2000mに関しては、そこそこ速い時計で2着に入っているが、このタイムを計時したのはハンデ戦で54キロの軽ハンデ。

芝2000m以上の距離になると、クラス平均にしても別段速い時計ではなく、速い時計になると着順を落としている。

速い馬場や高速馬場では、割り引いて考える必要がありそう。

クレッシェンドラヴのコース適正

クレッシェンドラヴの競馬場ごとの着度数は次の通り;

  • 函館(1-0-0-1)
  • 福島(2-3-0-1)
  • 新潟(0-0-1-0)
  • 東京(0-0-0-4)
  • 中山(4-1-1-9)
  • 阪神(0-0-0-2)

中山競馬場での強さが目を惹くが、中山競馬場で3着以内を外している8鞍中4鞍は、中山競馬場が100%野芝になって高速馬場化する9月のレース。すなわち;

秋の中山、9~10月で見ると、(0-0-0-5)。

逆に冬場の中山、12~2月で見ると、(3-0-1-4)。

クレッシェンドラヴを中山競馬場で狙い撃つ際は要注意。

他には、左回りが(0-0-1-4)。

あまり使われていないことからも、苦手なのは間違いなさそう。

あとは、関西方面への長距離輸送が極端に少ないのは気になる。


クレッシェンドラヴの重馬場適正

クレッシェンドラヴの道悪競馬の実績は;

  • 稍重(0-1-0-5)
  • 重(2-0-0-1)

重馬場で勝利したのは2020年の「七夕賞」と500万条件戦。

500万条件戦は洋芝の函館競馬場。2着馬との着差は2馬身(0.3差)。

500万下のレースではあるけれど、洋芝の重馬場で、2着馬に2馬身の差をつけて勝つところに、クレッシェンドラヴの重馬場適正の高さの一端がうかがえる。

クレッシェンドラヴの鉄砲実績(休み明け)

クレッシェンドラヴの10週以上(中9週)の休み明けでの成績は次の通り;

  • 10週以上(5-2-0-7)

叩いてからは;

  • 2戦目(1-2-2-3)
  • 3戦目(0-0-0-4)

休み明けはそこそこ走る。

クレッシェンドラヴの斤量別着度数

  • 54キロ(0-2-1-0)
  • 55キロ(1-1-0-2)
  • 56キロ(2-1-0-8)
  • 57キロ(4-0-1-5)
  • 58キロ(0-0-0-2)

斤量は多少重くても関係ない。

クレッシェンドラヴの枠順適正

クレッシェンドラヴの枠番別着度数は;

  • 1~4番(1-2-1-5)
  • 5~9番(2-1-0-10)
  • 10~14番(4-0-1-3)
  • 15~18番(0-1-0-0)

クレッシェンドラヴの季節別着度数

  • 12~2月(冬):(3-0-1-5)
  • 3~5月(春):(1-2-0-3)
  • 6~8月(夏):(2-2-1-2)
  • 9~11月(秋):(1-0-0-8)

クレッシェンドラヴの好走体重

3着以内の体重は;

  • 484~498キロ

クレッシェンドラヴの血統背景

父はステイゴールド(サンデー系/香港ヴァーズ、春天2着、秋天2着、宝塚記念2着)。

母の父がサドラーズウェルズ(ノーザンダンサー系)

サドラーズウェルズは欧州で走り芝のG1を3勝。主戦場は芝のマイル~2400m。引退後、欧州でND系の後継種牡馬として、押しも押されぬ大種牡馬となる。

クレッシェンドラヴの近走

19/3/24 美浦S(1600万下)中山芝2000m

着順:1着(クビ差)騎手:内田博幸(57キロ)

スタートが決まらず後方からも、3角手前から進出開始。

4角は大外を回って直線を向き、坂下からグングン伸びてゴール前できっちり捉えた。

早めの仕掛けで坂を味方にグングン伸びる。

クレッシェンドラヴの強さが凝縮された1鞍。

19/4/14 福島民報杯(OP)福島芝2000m

着順:2着(0.1差)騎手:内田博幸(54キロ)

スタート決まらず後方から。

しかし1000m付近ですでに進出を開始して、3角では4番手、4角では2番手で直線へ。

最後はレッドローゼスと併せ馬の状態から半馬身だけ先着を許した。

早めに仕掛けた分最後は差されたが、それでもこの粘り腰は評価できる。

前走に続いて強い内容。

19/7/7 七夕賞(G3)福島芝2000m

着順:2着(0.1差)騎手:内田博幸(55キロ)

いつものようにスタートは決まらず後方から。

そしてまたいつものように3角手前から早めの仕掛け。

直線を向いて先に抜け出していたミッキースワローとの差をグングン縮めて、3/4馬身まで追い詰めたところがゴール。

同じ5歳のミッキースワローとのハンデ差は2.5キロ。

まだまだ力の差はありそうだが、この競馬を続けていけば、追いつける日はそう遠くなさそう。

19/9/22 オールカマー(G2)中山芝2200m

着順:5着(0.5差)騎手:内田博幸(56キロ)

クレッシェンドラヴが苦手とする9月の野芝100%の中山で、おまけにこの週はCコースへのコース替わり。

勝ち時計自体は2.12.0とそんなに速いものではなかったが、レースの上り時計は34.0秒。

これではクレッシェンドラヴの出番はない。

19/11/10 福島記念(G3)福島芝2000m

着順:1着(-0.2差)騎手:内田博幸(55キロ)

中団からの早めのスパートで4角では3番手。

直線も芝の外目からきっちり抜け出して快勝。

福島はこれで(1-3-0-0)。

20/1/5 中山金杯(G3・ハンデ)

中山 芝2000m 良 17頭

着順:7着(1.59.9・0.4差)

騎手:内田博幸(57キロ)

出遅れたわけではないが、行き脚がつかずに後方から。

後方からでも、調子の良いときは3角手前からマクッて行くのだが、今回は鞍上も「フワフワした感じでなかなか進んで行きませんでした」とコメントしている。

直線は馬場の外を鋭く伸びてきているので、「不調」というわけではなさそうだが、「有馬記念」除外からのスライドなど、イマイチ調整が万全ではなかった可能性はある。

20/7/12 七夕賞(G3・ハンデ)

福島 芝2000m 重

着順:1着(2.02.5・-0.2差)

騎手:内田博幸(57キロ)

道中は中団の後ろ、3角を過ぎてスパート開始。

4角では先団に取り付いて、そのまま押し切る必勝パターン。

福島ではだいたいこのパターンで好走。

レースの上りが37.3秒とかかったのも良かった。

2020年 七夕賞(G3)のラップ分析&回顧

20/9/27 オールカマー(G2)

中山 芝2200m 稍重

着順:4着(2.15.8・0.3差)

騎手:内田博幸(56キロ)

小頭数の先団で追走。

しかしペースは超スロー。

上りはこの馬もしっかり脚を伸ばしているが、決め手勝負では分が悪い。

2020年 オールカマー(G2)のラップ分析&回顧

20/11/29 ジャパンカップ(G1)

東京 芝2400m 良

着順:13着(2.25.3・2.3差)

騎手:内田博幸(57キロ)

道中は先団の後ろあたり。

位置取りとしては勝ったアーモンドアイの外。

4角も4番手で直線に向くが、直線ではまったく伸びを欠いた。

コース、距離ともに不向きな条件。

2020年 ジャパンカップ(G1)のラップ分析&回顧

20/12/27 有馬記念(G1)

中山 芝2500m 良

着順:8着(2.35.8・0.8差)

騎手:坂井瑠星(57キロ)

道中は先団5番手の内あたり。

3角を過ぎて、勝負どころでも内でじっとしていたが、4角中団9番手の内で直線に向くと、直線は馬群の中ほどから追ってくる。

伸びはしないがバテもせず、0.8差の8着。

得意の冬の中山コース。

そこそこの走りは出来ている。

2020年 有馬記念(G1)のラップ分析&回顧

21/4/4 大阪杯(G1)

阪神 芝2000m(内)重

着順:11着(2.04.7・3.1差)

騎手:内田博幸(57キロ)

道中は中団の内、6番手。

4角も6番手の内で直線に向くが、直線ではちょっとバテ気味で伸びを欠いた。

これくらいの道悪ならもう少しやれてもいいはずだが、初めての関西遠征、初めての阪神コースなど、外的要因が影響したかも。

2021年 大阪杯(G1)のラップ分析&回顧

21/7/11 七夕賞(G3・ハンデ)

福島 芝2000m 稍重

着順:14着(2.03.6・1.4差)

騎手:内田博幸(58キロ)

道中は中団8~9番手追走で、4角も9番手の外で直線に向くが、直線はまったく伸びを欠いた。

昨年は重馬場でも36.6秒の脚で差し切ったのだが、今年はどうしたか?

調教は動いていたようだが、58キロのハンデや、加齢も敗因になるのかもしれない。

2021年 七夕賞(G3)のラップ分析&回顧

22/1/23 アメリカJCC(G2)

中山 芝2200m 良

着順:7着(2.13.3・0.6差)

騎手:津村明秀(56キロ)

道中は好位4番手の内。

4角も4番手の内で直線に向き、直線は馬場の内目から追い上げに入り、坂の途中までは先頭集団に食らいついてはいたが、ゴール前で甘くなって7着まで。

道中は前々で競馬をして、直線は荒れた内目の馬場から追い込んでいる。

半年ぶりの競馬としては悪い内容ではない。

2022年 アメリカジョッキーCC(G2)のラップ分析&回顧

22/3/26 日経賞(G2)

中山 芝2500m 稍重

着順:4着(2.35.7・0.3差)

騎手:内田博幸(56キロ)

道中は先団2番手。

4角も2番手で直線に向き、坂下までは2着争いを演じていたが、坂の上りで甘くなって4着まで。

このペースを2番手で粘りきれないあたりが、今のこの馬の力を反映している。

2022年 日経賞(G2)のラップ分析&回顧

22/5/1 天皇賞(春)(G1)

阪神 芝3200m(外⇒内)稍重

着順:14着(3.21.1・4.9差)

騎手:内田博幸(58キロ)

【レース前寸評】

この馬の場合は、いくら流れがスローに傾いても、おそらく激走はないものと思う。

【結果】

道中2番手追走から、2週目の3角過ぎではすでに手応えが悪くムチも入る。

4角4番手で直線に向くが、すでに一杯。

距離が長い。

2022年 天皇賞・春(G1)のラップ分析&回顧

22/9/25 オールカマー(G2)

中山 芝2200m(外)良

着順:8着(2.14.2・1.5差)

騎手:内田博幸(56キロ)

【レース前寸評】

万が一ドスローの流れになれば、前々で粘り込まれる恐れはある。

【結果】

道中は中団8番手を追走。

4角も8番手で直線に向くが、良い脚は繰り出せず。

スタートは良かったが、ポジションが取れなかったのが痛かった。

現状では前につけないと厳しい。

2022年 オールカマー(G2)のラップ分析&回顧