入院初日
カテーテルアブレーション手術は、3泊4日の入院の中で行われました。
入院当日の昼過ぎに病院に行って、手続きを済ませました。
入院初日は、まずは陰毛の剃毛です。
カテーテルは鼠径部から挿入するので、陰毛の剃毛が必要です。
看護師さんに電動カミソリのようなものを渡されて、シャワー室で自分で剃りましたが、慣れないことなので、少し出血してしまいました。
初日から点滴が始まって、移動するのも点滴の針を刺したままです。
今回の手術では、尿道に尿管を差し込む処置はせず、紙おむつとコンドーム型採尿器が使われるとのことでした。
若いころ、大きな骨折で手術をしたときは、尿道に尿管を差し込まれ、術後、尿を出すのが痛くて仕方なかった記憶があったので、今回は少しホッとしました。
食事は当然病院食、私には全然足らずで、お腹がすいて仕方なかったです。
入院初日の夜に、翌日の手術の時間を知らされました。
私の手術は午後1時半からということでした。
入院二日目(手術当日)
私の手術は午後からなので、朝食も昼食も食べられません。
このときは本当にお腹がすいて仕方ありませんでした。
時間が来て、ベッドに寝たままで手術室まで運ばれました。
手術室で酸素マスクのようなものを口にかぶせられたあたりで、記憶はなくなってしまいました。
全身麻酔は初めてでしたが、こんなに即効で意識がなくなるとは思ってもいませんでした。
心房細動の手術は、いくつかの方法があるようですが、私の手術はパルスフィールドアブレーション(PFA)という方法で行われました。
心房細動治療の基本は、肺静脈隔離術で、さまざまなエネルギー源(高周波、冷凍凝固(クライオ)、レーザー照射、パルスフィールドなど)を用いて肺静脈を電気的に隔離します。
その中でもパルスフィールドアブレーションは、心筋を特異的に治療することができるため、隣接臓器(横隔膜や食道)への影響が少ないと言われている方法だそうです。
手術は2~3時間で終わったようですが、気が付いたときは病室。
時刻は夜だったような気はしますが、まだ意識が朦朧としていたのではっきり覚えていません。
カテーテルを挿入した鼠径部の傷口が、出血しないために圧迫固定されていて、普通なら術後4時間くらいで圧迫固定は外されるらしいのですが、私の場合は腫れが治まらず、倍の8時間圧迫していないといけなかったのは辛かったです。
再度ぎゅうぎゅうと圧迫されて固定されたときは本当に痛かったです。
圧迫固定している間は寝返りも打てず、身体も相当辛かったです。
固定しているところさえ動かさなければいいということだったので、上半身だけをうまい具合にくねらせて、身体のだるさを抑えていました。
入院三日目(経過観察)
三日目は経過観察で、圧迫固定も外れて、少しホッとしているところに手術を担当してくれた先生がいらして、手術の説明をしてくれました。
手術自体はうまく行ったが、これから3か月は多少の不整脈は出るかもしれない。しかしそれは心臓を焼いたやけどのせいなので、心房細動の再発にはカウントされない(急性期再発というらしい)。しかし3ヶ月過ぎてもまだ不整脈が出るようなら、再発ということになるかもしれない、とのこと。
しかし、運動はどんどんやってもらっても構わないということだったので、引き続きランニングに頑張れると思うと少し気持ちが晴れましたが、アルコールの方は、理想としては飲まない方がいいと言われました。
不整脈は、心房細動の不整脈と、期外収縮の不整脈があり、期外収縮というのは、健康な人でも起こる不整脈で、期外収縮の不整脈ならあまり心配はいらないとのこと。
しかし、あとになって気づいたことだが、その不整脈が心房細動によるものか、期外収縮によるものかは、心電図をとってみないと分からないことなので、期外収縮の不整脈なら心配いらないと言われても、それを調べようがない私にとっては、不整脈が起こるたびにストレスがかかることとなりました。
入院四日目(退院)
心電図、脈拍に異常はなく、最終日の血液検査も受けて、特に問題がないようなので、予定通り午前中に退院する運びとなりました。
入院費を含む手術費用は、高額療養費制度のおかげでとても安く抑えられました。総額で200万円超もする高額な手術ですが、高額療養費制度だと、所得によってもちがいますが、だいたい10万円前後に抑えられるようです。
このときほど日本の医療制度に感謝したことはなかったでしょう。
こうして手術は無事終わりましたが、本当の意味での心房細動との戦いは、実はここからだったのです。

