2021年5月2日【天皇賞・春】終了時点までのデータや実際の走りをもとに、ワールドプレミアの好走パターンを分析。

ワールドプレミアの距離適性

ワールドプレミアはこれまでに芝1800m~芝3200mまでの距離のレースに使われてきた。

各距離の着度数は次の通り;

  • 芝1800m(2-0-0-0)
  • 芝2000m(0-1-1-0)
  • 芝2400m(0-0-1-1)
  • 芝2500m(0-0-2-1)
  • 芝3000m(1-0-0-0)
  • 芝3200m(1-0-0-0)

中距離がベストとは考えにくいので、2400m前後がベストで、それ以上の長距離もこなす、と言ったところ。

しかし好走条件はつく。

ワールドプレミアの脚質

中団、もしくは後方で脚を溜めて、終いを伸ばしてくる。

瞬発力というよりも、パワーとスタミナ型。

上りがかかる展開でしぶとく食い込んでくるイメージ。

切れ味勝負には不向き。

ワールドプレミアのコース適正

ワールドプレミアの競馬場ごとの着度数は次の通り;

  • 東京(0-0-0-1)
  • 中山(0-0-2-1)
  • 京都(3-0-1-0)
  • 阪神(1-1-1-0)

まだ実際にはあまり反映されていないが、軽い芝より重い芝、外回りより内回りという印象。

ワールドプレミアの持ち時計(ベストタイム)

ワールドプレミアの持ち時計は次の通り;

  • 芝1800m:1.47.3 1着(京都)
  • 芝2000m:2.02.2 3着(京都)
  • 芝2400m:2.23.8 6着(東京)
  • 芝2500m:2.31.4 3着(中山)
  • 芝3000m:3.06.0 1着(京都)
  • 芝3200m:3.14.7 1着(阪神)

おそらく、速い芝、高速決着には向かないだろう。

ワールドプレミアの重馬場適正

ワールドプレミアの稍重も含めた道悪競馬での実績は;

  • 稍重(0-1-0-0)
  • 重(未)
  • 不良(未)

まだ道悪のデータはないが、道悪は歓迎の口だと思う。


ワールドプレミアの鉄砲実績(休み明け)

ワールドプレミアの10週(中9週)以上の休み明けでの成績は;

  • 10週以上(1-0-2-1)

叩いてからは;

  • 2戦目(2-1-0-1)
  • 3戦目(0-0-1-0)

ワールドプレミアのローテーション適正

  • 連闘(未)
  • 中1~2週(未)
  • 中3~5週(2-1-1-1)
  • 中6~8週(0-0-1-0)

ワールドプレミアの枠順適正

ワールドプレミアの枠番別着度数は;

  • 1~4番(2-2-1-1)
  • 5~9番(2-0-2-1)
  • 10~14番(未)
  • 15~18番(未)

ワールドプレミアの季節別着度数

  • 12~2月(冬):(1-0-1-1)
  • 3~5月(春):(1-1-1-0)
  • 6~8月(夏):(未)
  • 9~11月(秋):(2-0-2-1)

ワールドプレミアの斤量別着度数

  • 55キロ(1-0-2-0)
  • 56キロ(1-1-1-0)
  • 57キロ(1-0-1-2)
  • 58キロ(1-0-0-0)

ワールドプレミアの好走体重

3着以内の体重は;

  • 464~492キロ

ワールドプレミアの血統背景

父はディープインパクト(サンデー系/牡馬三冠、春天、宝塚記念、ジャパンカップ、有馬記念)。

母の父はアカテナンゴ(ハンプトン系)。

アカテナンゴは欧州で走り、G1を7勝。主戦場は芝の2000~2500m。

全兄に2012年の「きさらぎ賞(G3)」、2014年の「マイラーズカップ(G2)」を勝ったワールドエース

半弟に2019年「ホープフルS(G1)」2着、2020年「日本ダービー(G1)」3着のヴェルトライゼンテ(父はドリームジャーニー)。

ワールドプレミアのラップ分析

デビューから「神戸新聞杯」までのレースのラップ分析。

18/10/21 2歳新馬 京都芝1800m

着順:1着(クビ差)騎手:武豊(55キロ)

ラップタイム(上り:35.5)

  • 12.7 – 11.1 – 11.8 – 12.3 – 12.5 – 12.1 – 12.6 – 11.2 – 11.7(走破時計:1.48.0)

同コース同条件の良馬場平均(過去10走)(上り平均:34.6)

  • 12.9 – 11.7 – 12.3 – 12.9 – 13.0 – 12.6 – 12.0 – 11.4 – 11.3(走破時計平均:1.50.0)

序盤、中盤ともに平均ラップを上回り、上りは多少かかっているものの走破時計も速く、レベルの高い新馬戦だと言える。

ワールドプレミアは出遅れて後方からだが、道中ジワジワと順位を上げている。

3角では中団まで押し上げて、4角では先頭とは4馬身ほど。

これを直線外から差し切って、上りは34.9秒。

出遅れた分、序盤、中盤でも脚を使っているにも関わらず、直線は外からきっちり差し切る。

強い内容。

18/11/24 京都2歳S(G3)京都芝2000m

着順:3着(0.7差)騎手:武豊(55キロ)

ラップタイム(上り:34.4)

  • 12.9 – 11.8 – 12.4 – 12.7 – 12.5 – 12.8 – 12.0 – 11.6 – 11.2 – 11.6(走破時計:2.01.5)

当該レース良馬場平均(過去3走)(上り平均:34.4)

  • 12.5 – 11.4 – 12.4 – 12.7 – 12.9 – 13.2 – 12.4 – 11.6 – 11.3 – 11.5(走破時計平均:2.01.8)

序盤はやや遅めで、中盤がやや速め、上りはほぼ平均通り。

ワールドプレミアは後方からだが、残り600m付近では勝ったクラージュゲリエとほぼ同じような位置取り。

4角は大外を回して直線を向いているところがかなりの距離ロス。

だが、勝ち馬に0.7差はちょっと離され過ぎ。

切れ味勝負では厳しいか。

19/2/16 つばき賞(3歳500万下)京都芝1800m

着順:1着(-0.2差)騎手:武豊(56キロ)

ラップタイム(上り:36.6)

  • 12.9 – 10.6 – 11.3 – 12.0 – 11.8 – 12.1 – 12.2 – 11.9 – 12.5(走破時計:1.47.3)

当該レース良馬場平均(過去6走)(上り平均:34.9)

  • 12.9 – 11.4 – 11.9 – 12.6 – 13.0 – 12.5 – 11.9 – 11.4 – 11.6(走破時計平均:1.49.1)

序盤、中盤とも、平均を上回る速さ。

走破時計も良く、レベルは高い。

先行した馬にはスピード持続力、底力が試されたレース。

ワールドプレミアは道中先団3番手を追走。

直線は被せられて追い出しのタイミングが遅れるも、進路が開いて追い出すとしっかりと伸びて先着。

やはりこの馬には、ペースが流れて、上りがかかる展開が向いてそう。

19/3/16 若葉賞(3歳オープン・L)阪神芝2000m 稍重

着順:2着(0.5差)騎手:武豊(56キロ)

ラップタイム(上り:35.5)

  • 12.5 – 11.5 – 12.9 – 12.8 – 12.5 – 12.4 – 12.0 – 11.7 – 11.6 – 12.2

若葉Sの良馬場平均(過去5走)(上り平均:35.8)

  • 12.6 – 11.0 – 12.2 – 12.5 – 12.2 – 12.5 – 12.2 – 11.9 – 11.7 – 12.2

稍重馬場なので仕方がないが、序盤はかなり緩いペース。

中盤、上りはほぼ平均値で走っている。

ワールドプレミアは後方から。

直線で脚は出すものの、勝ったヴェロックスに35.1秒で上がられては太刀打ちできない。

2着には入ったが、世代上位との力の差は明らか。

19/9/22 神戸新聞杯(G2)阪神芝2400m

着順:3着(0.7差)騎手:武豊(56キロ)

ラップタイム(上り:32.3)

  • 12.9 – 11.3 – 12.9 – 13.1 – 13.2 – 13.5 – 13.3 – 12.5 – 11.8 – 10.8 – 10.2 – 11.3

神戸新聞杯の良馬場平均(上り平均:34.8)

  • 12.7 – 11.1 – 12.5 – 12.5 – 12.3 – 12.6 – 12.6 – 12.3 – 11.8 – 11.3 – 11.4 – 12.1

恐ろしいほどのスローペース。

レースは2番手で追走していたサートゥルナーリアが上がり32.3秒の脚を炸裂させて圧勝。

ワールドプレミアはまたも後方から。

上りはメンバー最速の32.3秒を出しているが、勝ったサートゥルナーリアも同じ上がりタイム。

3着に入っても0.7差つけられていては完敗。

切れ味勝負では勝てない。

ワールドプレミアの近走

19/10/20 菊花賞(G1)

京都 芝3000m 良

着順:1着(3.06.0・クビ差)

騎手:武豊(57キロ)

道中は中団の前。

終始内目の経済コースを回って4角。

4角は6番手で直線に向き、馬場の内目から追い上げ。

残り200mで先頭に立つと、外からのサトノルークスの強襲を凌いでゴール。

ペースはさほど速くはなかったが、レースの上りは36.2秒。

良馬場発表ながら、馬場が比較的緩く、時計がかかる展開になったのがワールドプレミアに向いた。

2019年 菊花賞(G1)のラップ分析&回顧

19/12/22 有馬記念(G1)

中山 芝2500m 良

着順:3着(2.31.4・0.9差)

騎手:武豊(55キロ)

道中は最後方から。

逃げたアエロリットがハイラップを刻む締まった展開。

4角も最後方から大外を回して直線に向き、直線は馬場の外目を追い上げたが3着まで。

レースの上りは37.6秒。

最後方で脚を溜めに溜めた戦略がぴったりと嵌った。

20/11/29 ジャパンカップ(G1)

東京 芝2400m 良

着順:6着(2.23.8・0.8差)

騎手:武豊(57キロ)

道中は中団のうしろあたり。

直線にむいてもピリッとした脚は使えず。

まあ、有馬への脚ならしと言ったところだろう。

2020年 ジャパンカップ(G1)のラップ分析&回顧

20/12/27 有馬記念(G1)

中山 芝2500m 良

着順:5着(2.35.6・0.6差)

騎手:武豊(57キロ)

道中は、前半は5番手の内につけていたが、中盤あたりから前がゴチャついて順位を下げた。

4角12番手で直線に向くが、バテず伸びずの5着。

ちょっと今回はスムーズさを欠いた感じ。

展開が展開だけに、昨年のように腹を決めて後方からなら良い線いったかも。

2020年 有馬記念(G1)のラップ分析&回顧

21/3/27 日経賞(G2)

中山 芝2500m 良

着順:3着(2.33.4・0.1差)

騎手:石橋脩(57キロ)

道中は中団のやや後ろ、9番手の外。

3角手前で進出を開始し、4角は4番手の大外から直線。

直線は馬群の外目を追い上げて来るが3着まで。

この馬にしても、道中のペースが緩すぎた感じ。

最後はメンバー最速の脚でさすがの追い上げを見せている。

昨年の「有馬記念」5着以来の競馬だったが、調子は良さそう。

2021年 日経賞(G2)のラップ分析&回顧

21/5/2 天皇賞・春(G1)

阪神 芝3200m(外⇒内)良

着順:1着(3.14.7・-0.1差)

騎手:福永祐一(58キロ)

道中は中団の前、前を走るアリストテレスをぴったりとマークするようなかたちで追走。

勝負どころの3角すぎ、各馬がペースを上げる中、ワールドプレミアも馬群の外目を徐々に進出。

4角は5番手の外、アリストテレスとぴったり馬体を併せるようにして直線。

直線では馬場の中ほどを鋭く伸び、坂の上りで先頭に立つと、食い下がるディープボンドを半馬身抑えてゴール。

終始アリストテレスをマークするかたちで、最後は前で粘るディープボンドを差し切った。

紛れもなく強い勝ち方。

おそらくスタミナ勝負でこの馬の右に出るものはいないだろう。

2021年 天皇賞・春(G1)のラップ分析&回顧

次走、天皇賞・秋(G1)に向けて

次走は10月31日(日)、東京競馬場 芝2000m で行われる「天皇賞・秋(G1)」。

ちょっとここは適条件には合わない。叩いてからだろう。

 

⇒その他、2021・天皇賞・秋(G1)の出走馬を分析